2021-01-01から1年間の記事一覧

軍を"護衛"する「民間警備会社」の《不都合な真実》 『戦場の掟』スティーヴ・ファイナル 周回遅れの文庫Rock

無知の恐ろしさを、改めて痛感させられた一冊だ。 これまで漠然と抱いていた「傭兵」のイメージたるや 世界中の紛争地を飛び回る(と伝え聞く)フランス外人部隊をはじめ 命の奪い合いに魂を奪われた"兵隊崩れ"など ごく一部の、極めて特殊な〈ならず者〉の…

一瞬の絶景! 富士山ぐるり旅 2021.9.21-22 2日目

2021年9月22日(水) 宿の食堂。徹底した感染症対策に、ちょっとビビる。 明日の日の出は、5時31分。 もし晴れていれば、数分間、赤富士が楽しめますよ。 夕食後、宿の主人が発した言葉のせいではないが 妙に正確な「体内時計」のおかげで 明け方…

絶品の"和風フレンチ?"に食い倒れる 富士山ぐるり旅 2021.9.21-22 1日目(その3) 

2021年9月21日(火) 自宅⇒道の駅どうし⇒忍野八海⇒宿 どこか「ゴッホの絵」のような、ススキ野原 澄み切った伏流水をボーっと眺めていたら あっという間に時刻は2時半越え。 じっくり見ようと思っていた売店の品々を横目に 駐車スペースへと急行し、…

伏流水、なめたらいかんぜよ 富士山ぐるり旅 2021.9.21-22 1日目(その2) 

2021年9月21日(火) 自宅⇒道の駅どうし⇒忍野八海⇒山中湖(宿) 忍野八海。とりあえず、これだけで"元"は取れたかな。 道の駅を出発し、国道413を一路西へ。 エアコンを切って窓を全開 心地よいそよ風と木漏れ日を浴びながら走ること、20数分。 …

辛抱たまらず山中湖へ 富士山ぐるり旅 2021.9.21-22 1日目(その1) 

2021年9月21日(火) 自宅⇒道の駅どうし⇒忍野八海⇒宿 何度見ても、富士山には慣れない。出逢うたびに、胸がドキッ!と跳ねる。 いまだ緊急事態宣言中ではあったが ふたりとも2回目のワクチン接種から、はや2カ月が経過した。 相変わらず決断も強制…

コインブラに漂う"ハリポタ臭" ポルトガルふたり旅 2016.6.7-13 4日目(その2) ポルト⇒コインブラ⇒リスボン

2016年6月10日(金) ポルト~コインブラ~リスボン 700年前の・・・「ハリポタ」!? 思ったより人気のない坂道を、折り返すように登っていく。 すると、ちょうど大学の手前に来たところで 人通りの多いもう一本の道と合流した。 駅前から直登す…

"お高い"ポルトに背を向けて・・ ポルトガルふたり旅 2016.6.7-13 4日目(その1) ポルト⇒コインブラ⇒リスボン

すっかりご無沙汰していたポルトガル旅行(2016年)の続き。 2016年6月10日(金) ポルト~コインブラ~リスボン ドン・ルイス1世橋からポルト旧市街を臨む 静かで快適な睡眠をとり、朝8時前に起床。 庭を渡って本館(城)の2階へ。 重厚な絨…

安くて美味しいグルメタウン・京都へGO! 『京都の中華』姜尚美(カン・サンミ) 周回遅れの文庫Rock

ずいぶん長い間、京都には「ちょっとお高い和食の都」 というイメージを持ち続けていた。 しかし去年の秋、GoToキャンペーンに背中を押され 二十数年ぶりに訪れた京都で 絶品地中海料理&イタリアンに出逢えたおかげで (しかも値段は居酒屋レベルと格安!)…

本編に魅了され、番外編でホロリ。"ラブコメの女王"降臨  『恋愛ラボ』(全15+1巻)宮原るり 周回遅れのマンガRock

同じ作者の『僕らはみんな河合荘』でもベタ褒めしたけど 面白いのだから、仕方ない。 男前度マックスの"ワイルドの君"、倉橋莉子が "恋に恋しすぎる"妄想美少女生徒会長・真木夏緒と出会い 二人を中心に繰り広げられる〈ヘッポコラブラブ中学生ライフ〉を描…

10年後の"再再読„が、楽しみだ 『獣の奏者 Ⅰ闘蛇編/Ⅱ王獣編/Ⅲ探求編/Ⅳ完結編/外伝 刹那』上橋菜穂子 周回遅れの文庫Rock

『闘蛇編~完結編』の4冊に関しては 単行本が出た10年以上前に、一度読み終えていた。 その後、『外伝』の文庫版を入手したが ずーーっと本の地層に埋もれっぱなしだった。 このたび、ようやく順番が巡り 改めて揃えた4冊の文庫とあわせて再読する機会を…

上手に「発信」してれば、2期目もあったのに・・ バイバイ菅総理  本日の”なんだかなぁ”

純然たる"後出しジャンケン"にすぎないが 二階長老の逆鱗に触れ わずか一年で総理の座から蹴落とされた菅先生に ひと言、上から目線の忠告を贈りたい。 「二階降ろし」から一転 総裁選への出馬断念を宣言したとたん 今になってかよ・・な感じで 「菅総理は(…

身体は"奇跡"でできている 『新・細胞を読む 「超」顕微鏡で見る生命の姿』山科正平 周回遅れの新書Rock

我々の身体は、すべて細胞でできている。 ――誰もが知っている、生物学の基礎知識だ。 当然、"常識"のひとつとして、理解しているつもりだった。 しかし、本書を読み、「超」顕微鏡で数千~数万倍に拡大された写真に接するうち そうした"常識"が、どれほどい…

板子一枚下は"地獄" 『シリア 隠された傭兵たち』(NHK-BS1.6/13O.A.)『混迷ミャンマー 軍弾圧の闇に迫る』(Nスぺ8/22O.A.) Make-Makeの遠吠え

オリンピックと大谷関連に時間を取られ HDレコーダーいっぱいに溜まっていた録画済み番組を ようやくまとめて視聴できる環境になってきた。 その過程で、今回続けてチェックしたのが、表題に挙げた2つの番組と 5/23OAのBS1スペシャル『市民たちの不服従 北…

忘れていた"あの味"が、舌の奥でむくりと起き上がる 『世界ぶらり安うま紀行』西川治 周回遅れの文庫Rock

最後の海外旅行(キューバ&メキシコ)から そろそろ1年半が過ぎようとしている。 人生初の国境越え(解放間もない中国を放浪)以来 かくも長い間パスポートを開かなかったことは なかった気がする。 予想外に広がり長引く「新型コロナ禍」のため この先も…

有名人は〈ストレスの捌け口〉じゃないよ 「綾瀬はるかコロナ入院」批判にウンザリ  本日の”なんだかなぁ”

いちおう「業界人(元)」なので 本人と挨拶ぐらいは交わしたことがある。 だからといって、とりわけファンでも"お気に"でもない。 単に「メジャーな女優の一人」という程度の認識だ。 なので、ごく客観的な一般論として 今回の「言いがかり」について論じて…

天才アーティストが抱える"不安"と"恐怖" 『ピアニストが見たピアニスト』青柳いづみこ 周回遅れの文庫Rock

音楽は大好き!・・というか 「読書」に次ぐ趣味(生活習慣)だと断言できる。 クラシック、ロック、Jポップ(古いな)、ニューミュージック(もっと古いぞ) フォーク(さらにさらに古い)、ブルース、ジャズ、映画音楽、エスニックサウンド アニメソング…

苦痛は"クセ"になる 『日本奥地紀行』イザベラ・バード 周回遅れの文庫外Rock

今を遡ること、およそ百五十年。 「幕末最後の反乱」ともいえる西南戦争が起きた翌年の 一八七八年(明治十一年)春。 横浜埠頭に降り立った四十七歳の英国人女性が たったひとりの日本人(伊藤)を通訳兼ガイドをお供に 東京から日光、会津、新潟、秋田、青…

「関ヶ原アンソロジー」読み比べ 『決闘!関ヶ原』(実業之日本社)VS『決戦!関ヶ原』(講談社) 周回遅れの文庫Rock

どっちも似たようなものだろう・・と思っていたが 実際に読んでみると、予想以上に色合いが異なっていた。 最大の違いは、"対象との距離感"か。 ひとことで言い表すなら 〈俯瞰〉の『決闘!』✖〈肉薄〉の『決戦!』という感じになる。 『決闘!』にラインナ…

"先入観"を捨て、再読する。 『葬送のフリーレン』山田鐘人/アベツカサ(1~5巻) 周回遅れのマンガRock

日本語の「先入観」よりも 英語で"prejudice"と言い換えたほうが ストレートに意味が伝わるだろう。 上記の単語を分解すると プレ・ビューやブレ・オリンピックの「pre」と 判断や判定のジャッジ「judge≒judice」の2語になるからだ。 直訳すると、"先に決め…

手をつないで歩く。このしあわせ 『モリオ』荻上直子 周回遅れの文庫外Rock

熱烈なファンではないものの 映画『かもめ食堂』と『トイレット』は観たことがある。 どちらも、大変面白かった。 特に役者がしゃべり過ぎないのが、心地いい。 声を張り上げ、着ぐるみばりのオーパ-アクションで感情を表わすことが 「熱演」だと勘違いして…

なぜ"人を殺す話"がよく売れるのか? 『その女アレックス』ピエール・ルメートル 周回遅れの文庫Rock

『悲しみのイレーヌ』から『傷だらけのカミーユ』へと至る "カミーユ警部三部作"中、最も人気を博した『その女アレックス』。 数あるミステリ・ランキングのトップを勝ち取った、「傑作」のひとつだ。 前作で、犯罪者の手により最愛の妻イレーヌ(妊娠中)の…

「コロナ」「アフガン」「大谷」越えの大事件!? 本日の"なんだかなぁ"

ほんの30分前までは こんなに「デルタ株」が大流行しても 依然として減り続けている「日本国内の死者数」のこととか もしもマスードが暗殺されていなければ アフガニスタンはもっとタリバンに対抗できたはずだとか。 テレビのコメンテーターばりの”上から…

"エロ"にして極上の教育漫画 『こどものじかん』私屋カヲル(全13巻+1) 周回遅れのマンガRock

小学3年生の新たな担任となった若き男性教師・青木大介。 ところが、女子生徒の一人・九重りんは 前任教師を攻撃し続け辞職に追い込み 青木の前でこっそりパンツを脱いでみせたりする とんでもない"エロガキ"だった―― 書道の授業で「中出し希望」と書いて見…

軍事用語の"チャフ"を制覇せよ!『86-エイティシックス- Ep.5-死よ、驕るなかれ-』『同Ep.6-明けねばこそ夜は永く-』安里アサト 周回遅れの文庫Rock

生への侮辱か、それとも死への冒涜か。 。。。。ていうか、これって、ほとんど『屍者の帝国』じゃん!! "人として見なされない少年少女戦闘員-エイティシックス-"が "決して死なないAI軍団・レギオン"との死闘を繰り広げ 次から次へと命をすり潰してゆく…

もしも名古屋市長・河村たかしが、ジャニーズばりのイケメンだったら・・ 本日の”なんだかなぁ”

「信じがたい蛮行」としてマスコミから総バッシングを受け "被害者"と呼ばれるメダリスト本人が自ら訴えたわけでもないのに 周囲の関係者が勝手に〈メダル交換〉を決めてしまった 『川村名古屋市長メダル噛み騒動』のひとしきり。 この手の"セクハラ関連事件…

もっと苦難を‼ ブラック読者の叫び 『おれのおばさん』『おれたちの青空』『おれたちの約束』『おれたちの故郷』『あたらしい家族』佐川光晴 周回遅れの文庫外Rock

我ながら、"へそ曲がりな読者だなぁ・・"と呆れてしまう。 幾多の不幸を乗り越え、自立と成長を遂げてゆく若者たちの姿に対して ・・なーんか、都合よく行きすぎてんじゃね? などと、不平不満を呟いてしまうのだから。 今回取り上げた連作(「おれのおばさ…

甘い1年。苦い1年。 東京オリンピック1年延期の光と影。MakeMakeの休日

たかが1年、されど1年。 と言い換えたほうが、通じやすいだろう。 ともあれ、新型コロナ流行による1年のズレが 今回のオリンピックへの参加選手に及ぼした影響は 予想をはるかに超えるものだった。 誰よりも"割を喰らった"のは 前回リオでメダルを獲得す…

朝日新聞の"印象操作"に失笑する MakeMakeの休日

最初に「うわっ、セコイな~!」と呆れたのは 東京オリンピック開会式翌日の朝刊(7月24日)、第一面のレイアウトだった。 まず右側に、「東京五輪開会」の記事。 ここに添えられた写真が、悪意に満ちていた。 華やかなアトラクションや花火、宙に浮かぶ…

「はしゃぎすぎないオリンピック」に◎(ニジュウマル)! MakeMakeの休日

東京オリンピックが面白い!! 開会式を終えた24日以来、生放送と録画済み画像の視聴に忙殺され 本ブログを開く余裕などない日々が続いていた。 それでも、どうにも書かずにいられなくなってしまった理由は 冒頭(タイトル)のひと言を、主張したかったか…

「読まないといけない本」なんて、この世界には一冊もないよ 『バーナード嬢曰く。』(1~5巻)施川ユウキ 周回遅れのマンガRock

我が家の本棚には、グレッグ・イーガンの作品が8冊並んでいる。 だが、まともに読了したものは1冊もない。 本作『ド嬢』を手に取るたび そんな己の"グータラ読者ぶり"を、痛感させられる。 孤高のSF勇者・神林しおりの、あの名ゼリフが飛び込んでくるから…