700年前の・・・「ハリポタ」!?
思ったより人気のない坂道を、折り返すように登っていく。
すると、ちょうど大学の手前に来たところで
人通りの多いもう一本の道と合流した。
駅前から直登する道ではなく、そっちのほうがメインストリートらしい。
6月のコインブラは、花の盛り
ともあれ、一気に観光地と化したコインブラ大学エリアへ。
図書館などにも入場できる共通チケット(9ユーロ)を購入し
大勢の観光客に混じって歩き回る。
さすがは歴史と伝統ある、世界遺産の元?大学都市。
世界中の人々が交わす多彩な言葉をBGMに
700年余りの歴史を持つ重厚な「ラテン回廊」「帽子の間」などを見学する。
たぶん「帽子の間」。天井の装飾がオシャレ
素朴な鳥のアズレージョ
なかでも、300年前に建てられた「ジョアニア図書館」は
『撮影禁止!』の大きな貼り紙にくわえ
鋭いまなざしの職員がダブルの圧迫をかけているだけあって、まさに圧巻!!
きらびやかな内部装飾と調度品に囲まれ
天井まで続く巨大本棚に、よく見るとボロボロの本たちがぎっしり並んでいる。
いや、どう見ても開いた瞬間に崩れそうで、ろくに修復されてないみたいなのだ。
・・・これでいいのか、世界遺産?
図書館前から旧大学を見上げる。青空が眩しい。
ともあれ、少なくとも遠目には豪華絢爛な図書館内部。
よく見ると、歩き回る職員の目を盗み、こっそりスマホをかざす人が少なくない。
は、「バレなきゃOK」ってことなんだろうね。
中国・韓国・日本人らしき姿を、まったくといっていいほど見かけなかった。
アジアンに 人気ないのか コインブラ。
教会のパイプオルガン&唐草模様のような天井
なんだかカワイイ案内旗?
気持ちいい青空の元、2時間ほどかけコインブラ旧大学をひとめぐり。
大多数の観光客と一緒に、行きとは別のメインストリートを降りてゆくと
そこは、土産物屋が立ち並ぶ賑やかな商店街。
日本で言えば、門前町といったところか。
音楽やパフォーマンスを披露する大道芸人?が多いのは、休日のせいだろう。
ご存じ「銅像パフォーマンス」
この手の華やかさにはあまり興味がない我らは
ひと眺めしただけで、鉄道の駅へと直行。
一番早く出いリスボン行き列車の時刻を訪ね、2等席を予約できるか聞いてみた。
リスボンまでは鉄道を使おうと、相方と意見を一致させていたのだ。
・・しかし返事は、「満席だよ」。
ポルトガルの鉄道も、休日はコミコミなのだった。
結局、乗車できる列車は夕方以降発だけだと、教えられる。
さすがにそれでは、遅すぎる。
する、窓口のおっさん
「1等席だったら、すぐに乗れるよ」
ちなみに追加料金は、日本円で1000円少々。
仕方ないかと、奮発することに。
てなわけで、午後3時前の列車をゲット。
乗り換えがちょっとややこしかった。
コインブラ駅から一駅だけのアクセス電車に乗り、特急が停まるコインブラB駅へ。
待つことしばし。悠然とやってきた特急列車の1等席へと乗り込んでみると・・
拍子抜けするほどガラガラ。乗車率2~3割というところか。
さっそく座席指定を無視して、おのおの窓側に移り、優雅な列車の旅を堪能する。
1等だけあって、女性係員が提供する、無料のドリンクサービスつき。
想ったよりも快適な旅に、すっかりリラックス。
ところが、カイジンならではの悩みが・・
案内アナウンスがないため
目的地のリスボン・オリエンテ駅にいつ着くのかがわからない。
流れる車窓風景とガイド本の地図を見比べては、現在位置を確認。
(まだこの時点ではスマホのマップを使いこなせていない)
念のため、後ろの席のオバサンに「次はオリエンテ駅か?」と聞くと
「まだ座ってろ」みたいなジェスチャーをしたので、座り直す。
ところが間もなく、ビジネスマン風ヒゲメガネが我々の隣に立ち
「ここは俺が予約したシートだ」らしきポルトガル語。
あわてて再度オバサンに「オリエンテ駅はどこだ?」と尋ねると、
後ろの方を指差して「もう過ぎちゃったよ」みたいな返答。
ええーーっ、何だよ!?
おもわず日本語で叫びつつ、荷物を搔き集めて乗車口へと急行。
閉まりかけた扉を抑え、転がるようにホームに降りた。
目の前に駅名標があったので、路線図を開いて確認すると・・
オリエンテ駅を通り過ぎてはいたものの、幸いまだリスボン市内。
しかも宿泊ホテル直近の地下鉄駅まで、乗り換えなしで行けることが判明する。
結果的に、最もアクセスしやすい駅で下車したことになる。
ーー毎度のことではあるが、旅先における〈悪運の強さ〉は、ハンパない!
根拠のない自信ばかりが募ってしまう、困った旅人なのだった。
ではでは、またね。