最初に「うわっ、セコイな~!」と呆れたのは
東京オリンピック開会式翌日の朝刊(7月24日)、第一面のレイアウトだった。
まず右側に、「東京五輪開会」の記事。
ここに添えられた写真が、悪意に満ちていた。
華やかなアトラクションや花火、宙に浮かぶ巨大地球儀など
"絵になるショット"は、いくらでもあったというのに。
掲載されたのは、無観客を強調した空のスタジアムと米粒のような選手団のカット。
これでもかというほど「非常時のオリンピック」を訴える一枚だった。
さらに、この〈異例のオリンピック〉にぶつけるかたちで
紙面の左半分には、同じ頃、程近い五輪選手指定病院の悪戦苦闘ぶりを報じる記事。
"こんなに大変な時にオリンピックをやるんだよ!"という
編集長の意図まるだしで、危機感をアピールしたものだった。
明らかに朝日新聞(編集長)としては
オリンピックなんかやってる場合じゃない、と訴えたかったのだろう。
しかし、肝心の「病院密着記事」を精読してみると
明らかに〈危機〉を煽った、印象操作(演出)が施されていた。
冒頭の「入院騒動」こそ、新型コロナ患者のことだったが
その他は、ことごとく〈熱中症患者〉の救急搬送エピソードばかり。
なにこれ?
おそらく、敢えてガラガラ度を強調した開会式写真と並べることで
「新型コロナ患者の受け入れで病院は大変だ」とのメッセージを発したかっただろう。
だが、期待していた「オリンピック関係者の入院騒ぎ」は皆無。
〈コロナ関係〉の救急搬送も、わずかに一件。
それでも、当初の『メッセージ』死守するために
無理やり熱中症患者の急増を継ぎ足して〈野戦病院っぽさ〉を演出したのだ。
申し訳程度に「五床ある新型コロナ患者用ベッドは満室」と書き添えていたけれど
"うそだろ~!その規模の大病院で〈たったの五床〉なのかよ!!"と
パンデミックから1年半も経つのに、いまだこのレベルか・・・
あまりにお粗末な政府の現状に、言葉を失った。
とにかく、そんな感じで
嘘スレスレの印象操作(脚色)を駆使して
「オリンピックなんかに浮かれてる場合じゃないぞ!」と
全力で訴えてくれた、大朝日新聞だったのだが・・。
それだけでは充分ではなかったと、感じたのだろう。
(そりゃそうだ。ちゃんと全文を読めば
「熱中症の威を借りた"エセコロナ危機"レポート」だって、丸わかりだからね。
本日(7月30日)の朝刊、12面『声 オピニオン&フォーラム』で
性懲りもなく、トンチンカンな投書を掲載してくれた。
注目してほしいのは、「五輪の意義問いつつ 熱い声援」との投稿。
その中に、編集長が待ち望んでいた一説があった。
『翌日の新聞1面。開会式の写真と記事の隣に、五輪指定病院での鳴りやまない救急電話という過酷な現場を紹介する記事が掲載されていた。そこで改めて、前日見たものは「現実」の一部分だったと気づいた』
大朝日としては、まさに"してやったり!"の気分だろう。
だが、誤魔化されること、なかれ。
「五輪指定病院での鳴りやまない救急電話」の内実は、ほとんどが熱中症なのだ。
なのに、この記事だけを読んだ人は、確実に「新型コロナ患者」だと誤解するだろう。
そのことを承知していながら、訂正もせずに
一個人からの投書として、知らんぷりして掲載してみせる。
これが《姑息な印象操作》でなくて、なんだろうか。
とにかく、朝日新聞のオリンピック報道に関しては
毎日苦笑するしかない状況だ。
日本人初の快挙(金メダル)だろうと
決して一面トップには、記事を載せようとしない。
夕刊の暇ネタと変わらぬ重要度のニュースを頑なに掲載し続け
日本人選手がどんな偉業を達成しようとも
二番目、三番目の「囲み記事」扱いどまりだ。
そのくせスポーツ面では、ここぞとばかりに特集記事を書いてくる。
要するに、(ヤクザの面子)と一緒。
何があろうと一面トップだけは譲るまじ!・・ってことなのだ。
てなわけで、連日"みっともなさ全開"の朝日新聞だが
どれほど底が浅かろうが、当分他紙に乗り換えるつもりはない。
幼稚な印象操作にさえ騙されなければ
こんなに下心丸出しで楽しませてくれる新聞なんか、ほかにないからね。
マジ、《最高の反面教師》だよ。
ではでは、またね。