伏流水、なめたらいかんぜよ 富士山ぐるり旅 2021.9.21-22 1日目(その2) 

2021年9月21日(火) 自宅⇒道の駅どうし⇒忍野八海⇒山中湖(宿)

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       忍野八海。とりあえず、これだけで"元"は取れたかな。

 

道の駅を出発し、国道413を一路西へ。

エアコンを切って窓を全開

心地よいそよ風と木漏れ日を浴びながら走ること、20数分。

目の前が開けてきたと思ったら、山中湖の東端・平野に着いていた。

時刻はまだ、午後1時半。

宿にチェックインするのは、まだ早い。

せっかくの天気だからと、久しぶりに名水の里・忍野八海を目指すことに。

キラキラ光る湖面と、その先にそびえる富士山を眺めつつ、西へと走ってゆく。

 

そう言えば、山中を訪れるのも30年ぶり近い気がする。

実は、この辺りは10代半ばから20代初めにかけて

毎年夏休みが来るたび、部活動(高校)の合宿で訪れていた。

ちょうど忍野八海に向かう道が、バス停から宿舎へのルートと重なっており

40年以上も前に分厚いトーストを食べた喫茶店の建物が

そっくりそのまま残っていたので、ちょっと感動する。

(ここも現在は閉まっており、空き家っぼい雰囲気だった)

 

そんな若年寄の感慨を軽くスルーし

相方が運転する車は河口湖方面へ走り抜けてゆく。

なんの変哲もない郊外の住宅地を進んでいくと

突然、「忍野八海専用駐車場」の看板が立ち並ぶエリアに入っていた。

片側一車線のくねくね道の両側に

まったく同じような看板を連ねた駐車場が、いくつも口を開けている。

小さな文字で記された「料金」を調べてみると

あらかじめ談合したかのように、どれも一台300円(普通車)だった。

 

「どこでもいいから入っちゃおうか」と、細かいことに拘らない相方、

いや、待てよ。確か、どこかに無料の駐車場があったはず・・

細かいことが気になるオッサンは、いったん車を停めてもらい

スマホのマップで「忍野八海 無料駐車場」と入力し、検索してみる。

すると、2ヵ所ほど、該当するスポットが出て来たので

一番目的地に近いほうを目指して進むことにした。

いったん通り過ぎた〈有料駐車場通り〉を反対側から通り過ぎ

さきほどは見逃していた細い道を左へ入り、さらに左折・右折を繰り返すと

とつぜん、50台以上停められそうな広々とした駐車スペースへと抜け出していた。

それも2~3割しか埋まっておらず、え、ここに停めちゃっていいの?

と、一瞬不安になったが、控えめな立札を発見。

「お店をご利用される方のみの駐車場です」みたいな文章が。

立札の向こう側を眺めると、大きな土産物屋兼カフェ。

なるほど、来店客用の駐車車だから、特に料金は取らないわけだ。

了解。何か気に入ったものが見つかったら、買うことにしよう。

てなわけで、有り難く停めさせていただくことに。

 

やはり、ぼんやりとした記憶しか残っていないが

ここ忍野八海も、30年ほど前に訪れたことがある。

まだ2歳前後だった長女(次女は生まれてなかったかも・・)の手を取り

点在する遊水地を見て回った気がする。

しかしその時は、特に強いインパクトもなく

ふ~んここが忍野八海か・・程度の軽い印象しか残っていない。

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        見て回るのに夢中で、ろくに写真を撮ってなかった。

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        肉眼で見ると、彼らの浮遊感はハンパないのだが・・

ところが、今回は、予想外にビックリさせられてしまった。

なにしろ水の透明度が、とんでもなく高いのだ。

緊急事態宣言下とは思えない混雑ぶりで

行き交う人と肩がぶつかりそうな〈密状態〉にも関わらず

地の底でたなびく藻や、小石ひとつひとつの輪郭が、くっきり目に飛び込んでくる。

水の中を泳ぎ回る鯉や川魚たちも、宙に浮かんでいるようにしか見えない。

綺麗に青空が広がり、ほとんど風もなかったおかげだろうが

「どうだ!これが富士の伏流水だそ!」と、自画自賛しているような美しさだ

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        人が少ない分、池と池を結ぶ川が好きになる。

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              川底の水草も、ごらんの通り!

 

結局、「八海」すべてを見学することはできなかったが

時間の許す限り敷地内に留まり

心の中で"ほくほく"とつぶやき、思っきし得した気分で宿を目指すのだった。

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                ありがとう、忍野八海

 

ではでは、またね。