"保護センター"は展示も充実! 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 3日目④ 釧路湿原野生生物保護センター🚘まりも国道🚘阿寒湖温泉👣ボッケ遊歩道

2024年5月30日(木) 

阿寒湖温泉🚘コッタロ湿原展望台🚘細岡展望台🚘釧ちゃん食堂🚘moo🚘釧路湿原野生生物保護センター🚘まりも国道🚘阿寒湖温泉👣ボッケ遊歩道

センター裏手の川で、何度も潜水するスズガモを発見。

 

午後3時過ぎ、阿寒湖へ帰るついでに立ち寄った釧路湿原野生生物保護センター。

単なる時間つぶし程度と思っていたけど、予想外(失礼)に面白かった。

広大な敷地に建つ、センター本館。

駐車場はガラガラで建物周辺にも人の姿はなく、まさかの休館か?と不安になったが

問題なく中に入ることができた。もちろん入場無料。

剥製とともに北海道に住む野生生物たちの生態が分りやすく解説してあった。

展示方法もユニークで、たとえば右奥のトンネル状の建物は

足を踏み入れると暗闇の中で夜の動物が発する様々な声が再生された。

翼を広げたタンチョウの実寸大の写真パネルも展示されており

横に並ぶと人間より大きいことがはっきり実感できる。

特に気に入ったのが(たぶん)猛禽類骨格標本。これもデカイ。

展示室自体はさほど広いわけではないが、内容はなかなかの充実ぶり。

解説を読みながらじっくり見て回ると2~3時間はかかりそう。

事前予約が必要なのか、実際に保護している鳥たちには会えなかったものの

2階ラウンジ?の奥から、ゲージ内の数羽を確認することができた。

館内左手奥のゲージの中に、オジロワシらしき鳥の姿が。

残念ながら、これ以上近づくことはできなかった。

その代わりといってはなんだけど・・

ふと右手の川面に目をやると、しきりに潜って獲物を探す水鳥の姿を発見!

白と黒の丸まっこい体型ーーってことは、潜水ガモのキンクロハジロか!?

と思ったけど、よく見るとピョンと飛び出した頭の冠羽が見当たらない。

跡で確認したところ、スズガモらしきことが判明した。

それにしても潜水時間が長く、水面に浮上したと思ったらすぐまた潜ってしまう。

この一枚のために、何度失敗したことか・・

全身茶色の地味な個体も発見。メスかと思ったけど、クチバシつけ根の白点がない。

もしかして、今年生まれたヒナなのかな?

この日出会えた野生の鳥は、タンチョウ親子とこのスズガモ一家のみ。

 

そうそう、このセンターは各種観光資料も充実しており

細岡ビジターズラウンジでは1部190円也のパンフレットも、すべて無料。

釧路湿原のほか阿寒湖や摩周湖周辺のトレッキングマップも入手することができた。

よし、次回はこれを使って雌阿寒岳と摩周岳に登ってみるか!

午後4時過ぎ、晴れ渡ったまりも街道を一路北へ走る。

北海道ならではの青い空と白い雲は、何度見ても心を動かされる。

似たような写真を何十、何百枚撮ったことか。

通り過ぎるのがもったいなくなり、相方に無理を言って一時停車してもらう。

行き交う車は5分に1台程度。この静けさが、たまらない。

そのわりにたいした写真は撮れず、名もなき白い花だけ戴くことに。

再び無人のまりも街道を北へ。スピードを出し過ぎぬよう速度計は厳しくチェック。

 

結局、午後5時前にはホテルの駐車場に到着。

日没まで余裕があるからと、ボッケ遊歩道をぶらつくことに。

ボッケとはアイヌ語で「煮え立つ」という意味。

火山ガスともにボコボコと地表に噴出する泥火山を、間近に見学できる。

どうせならブワッと吹き出すシーンを!とシャッターチャンスを狙うものの

十数秒に一度しかその瞬間は訪れず、何度チャレンジしてもこのありさま。

ボッケ撮影には興味がない相方は、静かな夕べの阿寒湖畔を堪能中。

ここまで頑張って撮れないと、なんだか負けた気になり、もうすこし粘る。

かろうじて弾ける直前の"ボッ"が撮れたから、これで良しとするか。

気がつけば、静かな夕暮れが湖畔を薄赤く染めていた。

ちなみに、このボッケ遊歩道。

夜間は「KAMUY LUMINA」というライトアップイベントの会場になる。

自然の情景の方に魅かれる我らには無縁だけど、こんなに寒くて人は来るのかな。

半袖シャツの上にダウンベスト+ダウンジャケット+ウィンドブレーカーを重ね着して

それでも寒くて早々に帰ってきたんだけど・・

ホテルに入る直前、雲間から一瞬太陽が顔を出した。

でもって、5分後にはまた雲の中。ホント、山の上の天気なのだ。

ではでは、またね。

釧路の魚介に癒される 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 3日目③ 細岡展望台🚘釧ちゃん食堂🚘moo🚘野生生物保護センター

2024年5月30日(木) 阿寒湖温泉/ホテル御前水🚘コッタロ湿原展望台🚘細岡展望台🚘釧ちゃん食堂🚘moo🚘野生生物保護センター

釧ちゃん食堂の刺身定食。北海道3日目にして、ようやく"海の幸"にありつけた。

 

気分・空模様ともに晴れぬまま細岡展望台を退去。

立派過ぎるビジターズラウンジに立ち寄るも

他所では無料配布のパンフレットに190円の値札が付いていたことにビックリ。

施設の維持が大変なのだろうが、ならもっと小さな建物にしておけぱ?

なんて皮肉のひとつもこぼしたくなった。

それでも、駐車料金を取られなかっただけマシなのかな。

 

気がつけば時刻は午後1時を回っていた。

ささいなことに引っ掛かるのも、きっと空腹のせいだろう。

早いとこ釧路市内に行って、昼飯をいただくか。

うかうかしてるとランチタイムにも間に合わなくなる。

幸い、釧路市街地までは30分足らず。

午後2時前には、目指すお店の前に車を停めることができた。

見るからにお役所然とした「くしろ水産センター」。

目指す店はこの中にある・・はずなんだけど。

1階エントランスのすぐ右手に、くしろ港町・釧(せん)ちゃん食堂の入口が。

ショーウィンドウに踊る「魚が旨い!!」の文字が、空っぽの胃袋に突き刺さる。

おすすめメニューもいろいろあるけど、何にしようか迷ってしまう。

入ってすぐ正面の冷凍ケースには獲れたての海産物がギッシリ。

買いたいけど宿で調理するわけにはいかないし・・ここは我慢の子であった。

公営施設内?とあって、店内は一軒社員食堂風とシンプル。

15時の閉店まで1時間弱、さすがにこの時間帯は空席が目立つ。

ならばと眺めの良い窓際のテーブルに座り、なににしようかな・・と悩みまくる。

せっかくだから、この時期ならではの「時しらず」にも食指が動いたけれど・・

結局、いちばん無難な「刺身定食」に決定。

実は今回の旅では肉類ばかり食べていて、まともな魚介類はこれが初めてだった。

もちろん味の方は、言うまでもなく、うま~~。

あーー北海道に来てるんだなぁ、と一口ごとに噛みしめた。

ランチのあとは、水産センター前に広がる釧路港をひとめぐり。

雲間から顔を出した青空の切れはしが、海面を水色に染めていた。

埠頭に身を休める遠洋漁業?船も、なかなかのカッコよさ。

せっかく来たのだからと、釧路フィッシャーマンズワーフMOOにも足を伸ばす。

ポンピドゥーセンターを連想させる工場チックな鉄パイプ構造は、なかなかのもの。

でも中に足を踏み入れると・・・どこかで見たような土産物店がズラリ。

最低レベルの"お土産購入欲"しか持ち合わせていない我らは

端から端まで歩くだけで終わってしまった。

 

この時点で、時刻は午後3時をちょい過ぎたあたり。

まっすぐ阿寒湖まで戻ってもいいが、もう一カ所ぐらい立ち寄りたいかな・・

と思って周辺の観光施設をチェックしてみると。

ちょうど帰る方向に、「釧路湿原野生生物保護センター」なるスポットを発見。

なんでもシマフクロウオジロワシ、タンチョウなど

北海道に住む希少鳥類の保護、治療、放鳥を行なう施設だという。

開館時間は1630まで、しかも入場料は無料。

ーーこれは行くっきゃない!

空いた時間でたまたま立ち寄った、釧路野生生物保護センター。

ガラッガラの施設ながら、これが思わぬ収穫だった。

 

ではでは,またね。

 

「オー・マイ・ガー!」のウソ寒さ 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 3日目② コッタロ湿原展望台🚘細岡展望台

2024年5月30日(木) 

阿寒湖温泉/ホテル御前水🚘コッタロ湿原展望台🚘細岡展望台

遥か彼方へと続く青い空と白い雲。これだから、北海道の旅はやめられない。

 

たまたまタンチョウに遭遇したからよかったものの

道なき道の果てに連れていかれたグーグルマップのナビに見切りをつけ

レンタカー搭載のカーナビに「コッタロ湿原展望台」を入れると

現在地から2キロほど東方の丘の上が正しい目的地だと教えてくれた。

とはいえ、未舗装路にもめげず行けるところまで車を侵入させたものだから

タンチョウだったらほんのひとっ飛びで済むその場所まで

時計回りでほぼ一周を要する(およそ9キロ)ロングドライブとなった。

 

それでも、あぜ道に毛が生えたような悪路を慎重に後戻り。

舗装道路に合流して以降も安全運転を心がけ

20分ほどを要して、当初の目的地・コッタロ湿原展望台に到着した。

数台の車が停められるスペースにトイレ兼用の休憩所がある

こぢんまりとした駐車場を後に、丘の上の展望台へと続くスロープを登ってゆく。

駐車スペースから低い尾根上の展望台まで、徒歩5~6分といったところか。

ありがたいことに頭上を覆う雲が途切れ、待望の青空が顔を出してきた。

展望台から眺めるコッタロ湿原。

「太古の自然の姿を残す湿原」との謳い文句にかなり期待していたのだが

手前の木立が視界をふさぎ、雄大な絶景・・とまでは行かず。

10時半という、朝より昼に近い時間帯だったせいか、鳥や獣の姿も皆無だった。

なにひとつ動くもののない、コッタロ川の流れと無数の沼。

神秘的な景色ではあるが、正直物足りない。

より開けた展望を求め、展望台の先に続く尾根道を登ってみたが・・徒労に終わる。

それでも青空が戻ってくれたのは、無条件に嬉しい。

遠くの絶景を諦め、手近なシャッターチャンスを探してみることに。

木製階段の上に、日向ぼっこする(シオカラ?)トンボを発見。

ホップのような緑の松ぼっくりも、輝いて見える。

一番高いポイントに設置された展望台よりも

尾根の東端から眺める景色のほうが、釧路湿原雄大さが伝わってきた。

たまたま青空だったこともあるが、この日一番の"湿原パノラマ"だった気がする。

 

お昼までにコッタロ-サルルン-細岡の3大展望台に登る予定だったが

しょっばなの迷走が響き、この時点ですでに午前11時近く。

釧路でランチ!の腹積もりとしては、ベースアップせざるを得なくなった。

とりあえず「サルルン展望台」は諦め、最もメジャーな細岡展望台を目指すことに。

ゆったり流れる釧路川沿いの道端では、我慢できずに一時停車。

できれば半日ぐらい、このあたりでのんびり過ごしたかったなぁ・・

11時半過ぎ、細岡展望台の駐車場に到着。

我々の到着を歓迎するように(と思いたい)、雲を割って強烈な陽射しが落ちてきた。

近くの芝生広場では、小学生?の集団がお昼ご飯の真っ最中。

若くて元気な男の先生が、昔懐かしいボーイスカウトのように大声を張り上げていた。

・・・ここって、そんなにはしゃいじゃっていい場所なのかな?

賑やかな若者集団を横目に、ともあれ展望台へ。

釧路湿原随一のビュースポット」と言われるだけに、壮大なパノラマが広がる。

・・・しかし、どれほど目を凝らし、限界までデジカメのズームを上げてみても

ここでも野生動物の姿はかすりもしない。みなさんお昼寝中なのかな?

しかもその後数分の内にぶ厚い雲が頭上を覆い、あっという間の曇天模様に。

ほの暗い釧路湿原、これはこれで美しいか・・

一瞬一瞬で姿を変える情景に、なおも見とれていたときだった。

 

「オー・マイ・ガーッ!」

「オー・マイ・ガーッ!」

明らかにネイティブではない日本語アクセントを口々に叫ぶ

子供たちの甲高い声が背後で発せられた。

さきほど芝生広場にいた十数名の小学生と、その教師たち数名の集団だった。

彼らはたちまち展望台を占拠し、記念写真を撮り始めた。

どこぞの小さな分校から来たらしく、全員が1台のマイクロバスに乗って来ていた。

それにしても全学年合わせて十数名の生徒に、総勢5~6名の教師が付きっ切りとは。

なんと手厚い教育環境であることか。

教師と生徒というより、友だち同士のように気安く声を掛け合う姿は

教育現場の崩壊が叫ばれる今の日本にあっては、得難い"理想郷"なのかもしれない。

生徒とため口で接する若い教師たち、その言動の端々に誇らしさが滲み出ていた。

・・・にしても、「オー・マイ・ガーッ!」って。

先生に教わったのか、テレビやスマホ仕入れたのかは知らないけど

心底感動した時に、口からこぼれる言葉ではないよなぁ。

あの気取った叫び声の裏に、小さな分校が抱える"歪さ"が透けて見えてしまう。

 

もっとあけすけに言ってしまうとーー

「俺たちって、こんなに立派な教育環境を作ってるんだぜ!」と胸を張らんばかりに

若い教師たちが振りまく"選民意識"は、勘違いの賜物でしかないと思うのだ。

 

ではでは,またね.

道に迷い タンチョウ一家に逢う 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 3日目① 阿寒湖温泉/ホテル御前水🚘コッタロ湿原展望台

2024年5月30日(木) 阿寒湖温泉/ホテル御前水🚘コッタロ湿原展望台

グーグルマップのナビがタンチョウ家族のそばへ案内してくれた。

 

3日目の朝も、頭上にはしっかりきっちり厚い雲。

「曇り時々雨」の予報は、残念ながら的中したらしい。

曇天の下、第一便の遊覧船が早くも戻ってきた。

出発前、阿寒湖畔をひと歩き。

正面から右手に伸びる白い建物が、今回泊ったホテル御前水。

 

この日の計画は、釧路湿原をぐるりひと回り。

阿寒湖から時計回りに摩周温泉→細岡展望台→釧路市街とたどり海鮮料理でランチ。

その後は、残り時間と相談しながら釧路周辺を訪ねる計画だった。

最初に目指すのは、釧路湿原北東のコッタロ湿原展望台。

まりも国道から南東方向へ分かれる県道を走り

鶴居村を抜けて最短距離で目的地へ・・

とグーグルマップのナビを頼りにずんずん進んでいったのだが。

気がつけば、車はだだっぴろい畑地?のまっただなか。

ナビは「100m先がコッタロ湿原展望台」と示してたけど・・んなわけあるかっ!

幸い、行き止まりの手前に車を切り返せるスペースがあった。

レンタカー搭載のカーナビで確認すると、本当の展望台は数キロ当方。

ときたま"やらかす"グーグルマップだけど、今回ほど大きなチョンボは珍しい。

誰か早く直してくれ、ここは「コッタロ湿原展望台」なんかじゃないぞ~。

やれやれ、散々な目にあった。

小休止ついでにあたりを見渡すと・・・なにやら白い点が3つほど。

おや? ひょっとして、あれはーー!?

休耕地と思しき緑のなかに、3羽のタンチョウを発見!

春になっても北に渡らず、このあたりで暮らしているらしい。

よく見ると、一番右の小さな個体の頭部が赤くない。

どうやら子供連れの三人(羽)家族らしい。

こんなとこでタンチョウ一家に逢えるなんてーー相変わらず悪運だけは強いなぁ。

それにしても、野生のタンチョウながら警戒心は皆無。

こちら(車)に気づいているはずだが、少しも逃げようとしない。

おかげで、何枚もの"記念写真"を残すことができた。

こちらは、羽繕いに余念のないタンチョウのパパとママ。

いちばん体が大きくて立派なこの一羽がパパ・・いや、鳥類だからママなのか?

まだ頭の上が赤くなっていないのが、この春生まれた若鳥。

元気にたくましく育つのだぞ・・

 

"勘違いナビ"のおかげですっかり「道草」を食ってしまったけれど

おかげで、野生のタンチョウに逢うことができた。

結局この後、どこに行っても発見できなかったことを考えると

"天の配剤"などという傲慢な言葉を思い浮かべてしまった。

ーーそれにしても、野生動物とのエンカウント率がハンパなく高い。

ひょっとして、十年以上動物番組を作った(構成)経験のなせる技だったり。

 

ではでは、またね。

熟練の『冬季限定ボンボンショコラ事件』、青臭さの『東京放浪』 先月(2024年6月期)読んだ&揺さぶられた本 MakeMakeの読書録

またもや旅行帰りに月間読書録を書くことになった。

ていうか、相方の休暇申請しやすいスケジュールを立てると

おのずと"月末&月頭またぎ"になるだけなのだが。

ちなみに先週土曜(6/29)から昨日(7/4)にかけて

行ってきたのは灼熱の台湾。

無茶苦茶暑くなることは予想がついていたので

「台湾の軽井沢」の別名を持つ避暑地

標高2000メートルの梨山に泊ることを、今回最大の目的とした。

片道4~5時間のバス旅が必須ゆえ充分な準備期間を取り

3月下旬にもろもろの予約をきっちり済ませたのだが

ご存知のように4月アタマに大地震が発生。

太魯閣渓谷など各地が通行止めとなってしまい

ギリギリまでキャンセル&再予約のリスケ作業に追われていた。

中国語(台湾語)どころか英語も喋れない悲惨な状況で

四苦八苦を繰り返しながら、どうにかこうにか無事に帰ってくるまでのいきさつは。

ーー現在中断している道東旅行の報告が片付いたら、しっかり紹介したい。

一拍23000円の高級ホテルで摂った朝食で食あたりになったり

まったくもって、踏んだり蹴ったりの6日間なのだった。

 

苛酷な旅の記憶が生々しく蘇ってきて

ついつい関係ない無駄話に力が入ってしまった。

気を取り直して、月刊『MakeMakeの読書録』とりかかろう。

前月読了した小説&それ以外は以下の通り。

 

2024.6

★★※『秋期限定栗きんとん事件㊤㊦』米澤穂信

★★★『冬季限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信

●『女総督コーデリアロイス・マクマスター・ビジョルド

★★『海を照らす光㊤㊦』M・L・ステッドマン

★★『東京放浪』 小野寺史宣 ★『天国はまだ遠く』瀬尾まいこ

★『炉辺の風おと』梨木香歩 ★『どくとるマンボウ昆虫記』北杜夫

★★『日本人はどう住まうべきか?』養老孟司 隈研吾

★★★『全裸監督-村西とおる伝-』本橋信宏

 

結果、6月の《揺さぶられた本》は

【小説】①『冬季限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信

   ※珍しく、新刊発売からさほど日を置かず入手&読了した作品である。

    逆に言えば、それくらい続編を待ち望んでいたシリーズだった。

    (いきなり文庫で出たことも大きい)

   〇一作ごとに深みと味わいをを増してゆく「小市民シリーズ」。

    その掉尾?を飾る本編は、作者の円熟味がそのまま反映された傑作だった。

    とりわけ軽いロリの気がある(気がする)私は

    小山内さんの一挙一動から片時も目を離すことができなかった。

    なにより、ラスト4~3行目に発する彼女の"決め台詞"に

    ズギュン!とハートを射抜かれてしまった。

    願わくば、春・夏・秋・冬の四部作で完結することなく

    もういちど、新たな"春"が巡ってきますように。

   

    ②『東京放浪』小野寺史宣

    ※恥ずかしながら、本作が"小野寺史宣"初体験となった。

     とにかく読みやく、いつのまにか登場人物の気持にシンクロして

     物語世界の中で泣いたり笑ったり走り回ったり・・

     確かにこりゃ人気が出るよな~、と納得しきりの2時間。

     嬉しいことに、10冊以上の未読本(文庫)が本棚でスタンバっており

     ”お次はどれにしますかい?"と、魅惑の手招きを繰り返している。

     ぶっちゃけ今すぐ2冊目に行きたいところだが

     そこは賽の目次第の読書ルール。   

     とりあえず、今後12冊のリストには入っていない。

    〇欲望の赴くまま読みまくるのもアリだけど

     "待ち続ける愉しみも"また格別なのだ。

 

    ③『海を照らす光㊤㊦』M・L・ステッドマン

    ※6月の上旬に一気読みし終えた時点では

     「これが今月のNo.1小説だな」なんて確信していた。

     そのぐらい、胸を打つ感動作(やや"お約束"ではあったが)だったのだ。

     ところが1ヵ月が終わってみると、エッと驚くブロンズメダル。

     いくら"感動には賞味期限がある"とはいえ

     それ以上に、米沢&小野寺の2作品が抜きん出ていたと考えたい。

     むろん、どんな物語が好きかは個人によってバラバラだ。

     たとえば、夫婦や家族の愛を謳いあげる洋画などに心惹かれる方ならば

     迷わず本作にゴールドメダルを捧げることだろう。

     少なくとも、その程度にはハイレベルな"感動作"なのだから。

     実際、後編の背表紙には、こんな推薦文が躍っている。

    「夫と妻、親と子。さまざまな絆が生み出す苦しみと幸せを繊細に描き上げ、

     心を揺さぶる世界的ベストセラー」

 

    ※しつこいようだけど、以上3作品とも

     個人的には「1Q84」より面白く読ませてもらった。

     

【小説以外】①『全裸監督-村西とおる伝-』本橋信宏     

      ※先月は"反則"を冒していた。

       3分の1以上を読み残したまま月末を迎え

       本来なら翌月の待たなければならなかったところを

       どうにも我慢できず(こりゃ早漏だね)褒めまくったのだから。

       てなわけで、無事読了したいま改めてーー

       くり返しになるけれど、圧巻!!のひと言に尽きる。

       騙されたつもりで、とにかく本書を手に取っていただきたい。

 

      ②『日本人はどう住まうべきか?』養老孟司 隈研吾

      ※"土建国家・日本"の歪みと醜さを、白日の下に晒した名著。

       たとえば「タワマン」なるブランドがいかに悪辣な詐欺行為なのか

       客観的な事実とデータで、反論の余地なく教えてくれる。

       「住居」に対する日本人の幻想が、次から次へと剥がされてゆく快感!

       先月中に『全裸監督』を読み終えていたら、文句なしの第一席だ。

 

〔コミックス〕

★『瑠璃の宝石』①-④※①のみ既読 渋谷圭一郎

★『夏目友人帳』①-㉕/㉖-㉚は7月へ持ち越し 緑川ゆき

 

【コミック】①「瑠璃の宝石」渋谷圭一郎

      ※個人的に"鉱物(石)"が好きだから、敢えてピックアップした。

       マンガというより、コミックエッセイに近い作り。

       実際に鉱物や宝石を採集してみたい!という方には

       格好の入門コミックになるだろう。

       ぷっちゃけ「物語」より「情報」を楽しみたい。

 

      ※『夏目友人帳』は6月中に最新刊まで読了できず、今回は保留。

       ・・・ほぼ再読という事情もあるけれど

       正直、心の底から"揺さぶられる"ほど強烈なインパクトは感じない。

       もっとも「夏目」にソレを求めるのは、お門違いたな。

   

      てなわけで、次回からは「道東旅日記」の続き。

      それが終わったら、波乱万丈の台湾サバイバル?ツアーなのだ。

 

ではでは、またね。

エゾシカは後ろ姿が美しい 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 2日目③ 野付半島ネイチャーセンター🚘道の駅おだいとう🚘(阿寒横断道路)🚘阿寒湖温泉/ホテル御前水👣味心👣アイヌコタン

2024年5月29日(水) 阿寒湖温泉🚘裏摩周展望台🚘開陽台&牛の保育園🚘

野付半島ネイチャーセンター👣トドワラ?🚘道の駅おだいとう🚘(阿寒横断道路)🚘阿寒湖温泉/ホテル御前水👣味心👣アイヌコタン

黄昏時の阿寒横断道路はエゾシカの天下。白いお尻をポンポン弾ませて去ってゆく。

 

別海ホタテバーガーはどこだ!?

満たされぬ腹を抱え、来た道を戻ってゆく。。

野付半島の付け根まで北上、さらに国道244号を南下すること10分余り。

野付水道に面した道の駅「おだいとう」に到着。

実はここでも別海ホタテバーガーを提供しているとの情報を得ていたのだが・・

 

中に入って職員に訊ねると、案の定「この春から販売はやめました」。

いやー、そんな簡単にやめてもらっちゃ困るんだけど。

ダメモトで唯一残った、中標津のすし屋でホタテバーガーを提供している。

という記事を確認してみると、なんとも残念なことに「水曜は定休日」との返事。

ーーー噂のジャンボホタテバーガーを食べてみたい!

その一念で、阿寒湖畔からはるばる野付半島まで足を延ばしたものの

天然記念物に指定された絶滅危惧種のように、幻のメニューとなってしまった。

 

こうなったら、縁がなかったと諦めるしかない。

せめて早めに晩御飯を食べようと、阿寒湖への最短ルートを走ってゆくのだった。

幸い、空模様だけは期待以上。

やっぱこの青い空と白い雲を見ると、北海道に来た!と実感するよな~

飽きもせず同じことを考えつつ、フロントガラスにデジカメのレンズを向ける。

日本国中で似たような情景に出会うけれど、この透明感は北海道ならでは。

似たような景色はメモリーカードに何百枚となくストックされているのに

それでも、「美しい一枚」を求めてシャッターチャンスを探さずにいられない。

ハンドルを握らぬぶん、単にヒマなだけかもしれないけど。

 

やがて午後5時半過ぎ、少しずつ立ち込める霧のなか

摩周温泉と阿寒湖をつなぐ峠道・阿寒横断道路へと入ってゆく。

朝方、何度もエゾシカに遭遇した経験から

今度こそは! とデジカメを構え、"その時"に備えた。

すると、急カーブが続く山道をゆっくり登ること十数分・・

一頭のエゾシカが、車道の中央で仁王立ち。

俺のシマでなにやったんだ!?

と言わんばかりに、車で近づく我々にガンを飛ばしてきた。

 

それでも20メートルほどに迫っていくと、くるっと後ろを振り返り

仲間の数頭と一緒に、軽快な足取りで立ち去った。

真っ白い尻(シッポ?)を膨らませ、ポンポンと跳ねるように走ってゆく。

その様子は、シカというよりカンガルーを思わせものだった。

出逢ってから姿を消すまでわずか10秒少々。記録できたのは3枚のみ。

不十分ながら、とりあえず撮影できてよかった。

"ジャンボホタテバーガーの恨みをエゾシカで返す"ーーって、まだ言ってるよ。

阿寒湖到着は6時過ぎ。珍しく空は晴れ、残照が雌阿寒岳を染めていた。

大浴場でゆっくり温まり、夕食がてらの散歩へ。

そういえぱまだ撮ってなかったっけ、とホテルのエントランスを一枚。

 

阿寒湖温泉での夕食に関しては、事前に調べておいたのだが

予想以上に(臨時)休業の店が多く、何度も門前払いを喰らわされた。

このあたりで5月の下旬は、まだまだオフシーズンに入るらしい。

迷った末、手頃な値段に惹かれ「お食事処 味心」に入る。

店内のあちこちにアイヌ関係の装飾品。店の人もアイヌ系らしかった。

日本の両端になるけど、沖縄に住む人々とたたずまいが似ていた。

モヒートという単語に惹かれて、「マリモヒート」なる飲み物を注文。

期待していたライムの香りもわずかで、ダジャレのみの"出オチドリンク"だった。

それでも、看板メニューの「鹿肉丼」と「焼きサーモン丼」はなかなかの味。

鹿肉はジビエ由来のクセがなく、敬遠していた相方も喜んで食べていた。

食後、ホテルの向こうまで足を延ばしてアイヌコタンへ。

時刻は8時を回ったあたりだが、人の気配はなくほぼ真っ暗。

いまだ営業中の店も数軒あれど、閉まったガラス扉を開けて入る気分にはなれず。

ウィンドウショッピングだけでお茶を濁す

奥のシアターでアイヌ古式舞踊の案内アナウンスが流れていたけど・・・

ホテルへの目抜き通りを、照明ばかりが眩しい土産物店を眺めつつ歩く。

昔はあれこれ買い求めたけど、この20年ほど飾り物系の購入はほぼゼロ。

・・・餅ち帰ったところで、どこにも置き場所がないからなぁ。

そういえば、手ぬぐいだけは気に入った柄のものをたまに買っていた。

実用的だ、という言い訳が利くからね。

 

ではでは、またね。

遠すぎたトドワラ 道東うたた旅・春 2024.5.28-31 2日目② 開陽台/牛の保育園🚘野付半島ネイチャーセンター👣トドワラ?

2024年5月29日(水) 阿寒湖温泉🚘裏摩周展望台🚘開陽台/牛の保育園🚘野付半島ネイチャーセンター👣トドワラ?

寒風に負けトドワラへの道を途中で断念。震えながら正面の赤い建物まで引き返す。

 

青空が拡がるにつれ、気分がハイになっていくのがわかる。

夏山のような強い陽ざしを浴びつつ、開陽台からさらに東へ。

左にハンドルを切ると、地平線に向かって伸びる直線道路「ミルクロード」が現れる。

さらに左手には日本百名山のひとつ斜里岳の雄姿が。

30分も走ると野付半島を貫く道に入っていた。

午後1時過ぎ、野付半島ネイチャーセンターに到着。

白波の向こうには国後島がくっきり。予想していたよりもずっと近い。

ズームすれば、海岸沿いの家並みまで見て取れる。

ともあれ、別海リょウシくん(ゆるキャラ)が迎えるネイチャーセンター内へ。

今日はここでご当地名物・別海ジャンボホタテバーガーを食べるのだ!

 

ところが、館内にある食堂の入口には、「本日休業」の立て札が。

えっ・・グーグルマッフには水曜日も営業とあったのに!?

しかし現実に閉まっているのでは、いくら文句を言っても無駄だった。

泣く泣くお土産コーナーで三角牛乳を購入。

レンタカーに戻り、朝食の残りパンと期限切れ羊羹(!)で小腹を満たす。

 

でもって、せっかくここまで来たのだからと

ネイチャーセンターから延びる遊歩道を伝ってトドワラを目指すことに。

昨夜の雨が残した水たまりを除けつつ、遮るもののない平原を歩いてゆく。

風は強くて冷たいけれど、幸い天気は上々だ。

両脇の草地には、気の早い野生植物が彩りを見せていた。これはセンダイハギ。

こっちはハマエンドウ・・じゃなくてスミレっぽいか。

トドワラまでこちらのトラクターバスが運行している。

片道30分ぐらいなら、歩きでも全然大丈夫!と無視していたけど

ーーー片道だけでも乗ればよかった、と反省するはめに。

事実、ガイドブックには片道30分と書いてあったけれど

実際に歩いてみた感じだと、もっとずっとかかりそうな印象だった。

なにせ、歩いても歩いても景色がまったく変わらない。

おまけに、横殴りに吹きつける海風がメチャクチャ冷たい。

長袖シャツの上にダウンベスト、その上にウルトラライトダウンバーカー

さらに薄手のウィンドブレーカーと、持ってきた全衣類を着込んでも寒くてたまらん。

歩き始めて15分と少し、前を行く相方に「寒いから帰ろうか」と声を掛ける。

干潟で食べ物をあさるキタキツネ同様、トボトボ来た道を戻ってゆく。

同類だと思われるのが嫌なのだろう、突然背筋を伸ばして走り出した。

風はますます強く、冷たく身体を刺す。

一息つけるネイチャーセンターは、まだ遥か彼方だ。

こんなに寒いのに、野生の草花は元気いっぱい。

キタキツネも草地でのんびり。ホント、人間ってヤワだよなぁ。

さらば、トドワラ。

もう少し暖かい時期を選んで、必ず到達してみせるぞ。

ーーーそれにつけても、腹が減ったなぁ。

 

ではでは、またね。