キャメロン・ハイランドでトレッキング前編/立ちはだかるリゾートマンション マレーシアうたた旅 2024.3.13-18 3日目① Highlanders Garden Guesthouse👣Yong Teng Cafe👣Path10

2024年3月15日(金)

Highlanders Garden Guesthouse👣Yong Teng Cafe👣トレッキング(Path10~)

トレッキングルートNo.10の入口には、建築中の巨大ホテル(マンション)が!?

 

灼熱のクアラルンプールを離れ

"マレーシアの軽井沢"、キャメロンハイランドまでの避暑小旅行を決行。

滞在2日目となるこの日は、付近をトレッキングして過ごすことに。

その前に、まずは朝ご飯で腹ごしらえだ。

朝7時過ぎ、爽やかなそよ風を楽しみつつ、ホテルを後にする。

朝からさんさんと降り注ぐ陽光、今日も一日いい天気でありますように・・

いたるところに色とりどりの花が咲いている、絵に描いたような高原の朝。

と、停車中の車のフロントガラスに何やら白い物体が。

朝の日向ぼっこをしているのか、全身真っ白なガのようだ。赤い瞳がチャーミング。

同じウィンドウのヘリに、もう一匹。こちらはコガネムシっぽい甲虫だった。

 

近所の観察はそのぐらいにして、昨夜のうちにチェックしておいた店へと向かう。

ゲストハウスから徒歩数分に店を構える、Yong Teng Cafe。

朝7時から午後4時まで営業している地元の人気店だ。

ネット情報によると、やや言葉の不自由な老夫婦がきりもりしているらしい。

確かに近寄って声をかけるまで、こちらに気づいてくれなかった。

例によって道路脇のテーブルに陣取り、何を食べようかな・・とメニューを吟味。

口コミによるとパンケーキが美味しいとのこと。

ここは素直に従い、バナナとフルーツのパンケーキを注文する。

見上げると、電線に一羽の鳥がとまっていた。体型からするとツグミの仲間か。

獲物を探しているのか、せわしなく姿勢を変えていた。

そうこうするうちに、パンケーキ2種がやってきた。

手前がミックスフルーツ、奥がバナナパンケーキ。

よくわからなかったが、飲み物は地元のコーヒーにしてみた。なかなかイケる。

 

いったんゲストハウスに戻り、身支度をしていよいよトレッキングへ出発。

坂道を真っ直ぐ降りて、メインストリートのベサール通りへ。

時刻はまだ8時半。土産物街の店はみなシャッターを下ろしたままだ。

 

キャメロン・ハイランドの周辺には、自然大好き旅行者(特に欧米客)のために

何本ものトレッキングルートが整備されている。

しかし、地図に簡単なコースが点線で示されているだけで

どのルートが自分たち好みなのかなど、詳しい情報がまったく掴めずにいた。

なので、現地の観光案内所で詳しい情報を得ようと目論んでいたのだが

シーズンオフのせいか、昨日も今日も閉まったまま。

 

なら、とりあえず一番短いpath4と5をぐるっと回って来るだけでいいかな

などと考えつつ、出発直前にゲストハウスの受付にいた

ゲストハウスのイケメンヤングなインド人に「どのルートがお薦めですか?」と

ダメモトで訊いてみた。

すると彼は、迷わず「ナンバー10&6」と答えたのだ。

地図で確かめるとPath10から6へと至るルートは

タナ・ラタの北西にそびえる峰グヌン・サヤール(1670m)まで一気に登り

そこから尾根伝いにぐるっと南下していく山岳コースだった。

・・これは結構きつい山道じゃないか、と一瞬腰が引け

最初考えていた「ナンバー4と5のコースはどうか?と振ってみると

鼻先でフンと笑われ、「1時間ぐらいで終わる散歩道だよ」みたいな答え。

そんじゃやってやろうじゃないか!

と、イケメンインド人が推薦するPath10から6へと抜けるルートに決めたのだが。

ーーーすっかり、頭から抜け落ちていた。

彼が、元気いっぱいの20~30代の若者であるという事実を。

なにはとあれ天気は最高! 町の西にある(はず)のPath10入口目指して歩く。

少しずつ気温は上がってきたものの、空気はカラリと乾き、快適そのもの。

自動車道路の路肩を歩きつつ、朝日を浴びる緑の情景を切り取ってゆく。

 

歩き始めて15~20分、地図とグーグルマップを見比べながら

"この辺りに入口があるはずだ・・"という脇道に逸れてゆく。

ところが、その先にトレッキング用の歩きやすい道はなく

恐竜の背中のように大型トラックのわだちがゴツゴツ突き立つ

未舗装道路が続くばかり。

ホントにこれがトレッキングルートなのかよ、と首をひねっていたら

眼の前に、こつぜんと巨大な建造物が立ちはだかった。

トレッキングコースの地図をたどると、そこには建築中の巨大建造物が。

ひょっとしたら、この先にPath10へと続く抜け道があるのかも・・

 

一縷の希望を胸に抱え、絶賛建築中の現場に乗り込んでゆく。

そして、建築作業に勤しむインド人労働者の方々に

「トレッキングルートに行きたいどこに入口があるのか?」と声をかけた。

尋ねるたびに、彼らは「あっちだ!」と方向を示してくれるのだが

人によってその向きがてんでんバラバラ。

ーーインド人は自分で分からなくてもとりあえず答えてしまう

という昔の苦い体験を思い出すまで、時間はかからなかった。

 

結局、重機が傲然と動き回る建築現場を30分ほど右往左往していたら

こいつらさっきから何ウロウロしてるんだ!?

とばかり厳しい顔をした現場責任者(たぶん)が登場。

「ここにあったPath10のルートは工事中のため閉鎖されている。

 いったん橋まで戻り、北側に大回りして別の脇道から入ってくれ」と告げられた。

建築現場をさまようこと1時間。来た道を戻って大回りすることさらに小一時間。

このスッタモンダだけで、2時間近くも浪費するハメに。

その間も気温はドンドコ上がり続け、一歩もトレッキングしないのに喉はカラカラ。

もう近場を散歩するだけでいいか・・と、心がくじけかけるも

その反面、こんなところで諦めてなるものかという闘志が燃え始めた。

こうなったら、行けるとこまでいってみよう!

まだ見ぬトレッキングルートNo.10を目指し、カンカン照りの自動車道を歩き続ける。

 

ゲストハウス出発から、2時間余り。

ようやく日陰ひとつない路上から、木立に囲まれた住宅(団地)街まで移動。

木陰でひと息ついて水を飲み、あたりの草花に意識が向けられるようになっていく。

草叢から顔を出すハイビスカス。ありふれた南国の景色がいまは嬉しい。

 

やがて低い団地の連なりが途切れ、いきなり急斜面に突き当たったと思ったら

そこに、待ちに待った「トレッキングルート」の目印が!

ついに辿り着いた「TRAIL10」入口を示す矢印。

よーし、ここから入ればいいのだな!

期待を込めて、フェンスの左裏(BEHIND FENCE)に視線を移すと

そこに待ち構えていたのは・・・

傾斜角度45度を大きく超える(写真では伝わらないが実際は60度以上)急斜面!

しかも石段などの足掛かりは皆無。

ただただ獣道レベルの地面が、3階建てビルの高さまで続いていた。

 

ーーーおいおい、これを「登れ」というのか!?

 

わかったよ、登ってやろうじゃねーか!!

 

60代後半オヤジは、年甲斐もなく奮い立つのだった。

 

ではでは、またね。