漁民食堂で地魚の旨さに目覚める 沖縄うたた旅 2024.1.28-31 1日目① 羽田🛫那覇🚘糸満漁民食堂

2024年1月28日(日) 羽田🛫那覇🚘糸満漁民食堂 

沖縄の魚は旨い!!と気づかせてくれた、ビタローのバター焼き定食

 

昨年秋から年末にかけて、ラオス・台湾と海外の旅に出たものの

円安ドル&ユーロ高の昨今、懐を気にせず楽しめる渡航先がなかなか見つからぬ

悩んだ末、「暑いときは北、寒いときは南」という近年のパターンを踏襲

比較的安いオフシーズンの〈沖縄3泊4日レンタカー付き)に決めた

ちなみに料金は2人合わせて63000円、割増料金なしのJALなら高くないだろう

 

そんなわけで、海外とは違い緊張感ゼロで出発日の朝6時過ぎ

羽田空港第一ターミナルに到着

いつものように自動チェックイン機の前に立ったところで、はたと気づいた。

・・・・あれ? eチケットってどこにあったっけ??

そう、海外旅行2連発で、パスポートさえあればチェックインできると思い込み

eチケットのプリントアウトを、きれいさっぱり忘れていたのだ

(座席の予約だけは予約と同時に済ませていた)

 

ひょっとして、これは出発前日に他のツアーと勘違いしてキャンセルしてしまった

昨年秋の北海道(帯広)ツアーに続く大失態なのでは・・

すーーっと血の気が引いていくなか、近くにいたJALの職員に事情を説明した

すると、「利用する便と身分証明書があればチケットを売れ取れますよ」との答え。

指示されたカウンターで便名・氏名(身分証明書)・申込時の電話番号を確認し

無事、チケットを発行してもらうことができた

そうでなくても年々記憶力が低下し、念を入れて確かめる必要があるのに

すっかり旅慣れた気分で、重大なチェックを怠ってしまうなんて・・

旅行前のチェックリスト作成と確認作業を、必須手順として心に刻みつけるのだった

 

なにはとれあれ、首尾よくチケットをゲット

搭乗時間とにらめっこしながらラウンジでコーヒーを一杯

30分前にゲートに着くと、朝のラッシュで登場案内のスタートは10分前だった

★JAL903羽田発720⇒1020那覇

予約と同時に座席指定を狙ったけれど、キャンペーン期間だけに旅慣れた客か多く

進行方向右の窓側で残っていて席は、翼の真上のみ。

こりゃ景色は期待できないか、と観念しつつ窓の外を眺める。

定刻より15分ほど遅れて滑走路へ。多少時間がかかろうと、無事がいちばん。

どんよりした曇り空の下、東京湾を後に一路南へ

この空模様じゃどのみち富士山とのご対面は厳しいか、と諦めたのだが・・

離陸後しばらくすると、いつの間にか雲の層は消失

気が付けば、翼の後方に純白の富士山が!

いつ、何度見ても感動してしまう。特に積雪期の富士は格別だ。

調子に乗って、無人の山頂にズームイン!

ありがとう、今回もいいもの見せていただきました。

 

それから"音楽鑑賞&読書ときどきうたたね"のひと時を過ごし

はっと目覚めたときには、機体は沖縄上空へと到達

定刻より20分ほど遅れたものの、無事滑走路に滑り込んでいた

 

その後、レンタカーに乗り込むまではいつも通り

早い便だったおかけで、時刻はまだ11時を少し過ぎたあたり

せっかくだから、美味しいランチでも食べにいこうか!

気合を入れて向かったのが、空港の南・糸満にある有名レストラン。

糸満漁民食堂」だった。

 

店の脇に設けられた駐車スペースに着いたのは

12時まで15分といった頃合い

当然満車で、しかも2台ほどが路上で空くのを待っていた

ずっと待つのも嫌だし、やめとこうかな・・一瞬挫折しかける

だがここで妥協し、道の駅などでお茶を濁してしまったら、いつもと一緒だ

ランチだから長居する客は少ないだろうと思い直した

運転席の相方を残し、店の入口へと向かう

糸満漁民食堂の看板。店の前には順番待ちする客のためのベンチが点在していた

予想通り客の名を書き込むシートが入口の脇にあったので、迷わず記入する

その後、15分ほどで空いた駐車スペースにレンタカーを停め

先に待っていた客と一緒に、じわじわ順番を待つ

「食堂」というネーミングに反して、店内は明るくオシャレな雰囲気

入ってすぐの場所に魚の名を並べた黒板があり、すでに半分ほど消されていた

目玉メニュー「本日のイマイユ(地魚)バター焼き定食」の種類なのだろう

人気のある(or希少な)魚から順に、早い者勝ちでオーダーするシステムらしい

 

とはいえ脇に並ぶ値段を見ると、一番安い魚でも半身で1980円とある

前菜やデザート込みのセット料金と考えれば決して高くはないものの

実はこの時点で、バター焼き定食を注文する気はなかった

なぜなら、昨年秋から冬にかけて行なった宮古&沖縄旅行の際

「おいしい」と評されていた魚(刺身など)が、どれを食べてもいまひとつ

やっぱり魚介類は、旨味が濃縮された北(北海道)のほうが旨い!!

なんて思い込んでいたのだ

そんなわけで、ふたりとも魚汁定食(1480円)を注文するつもりだった

 

ところが、たまたま順番待ちで後ろに並んだカップルが地元の常連客

彼氏のほうが「ビタローは旨いから食べたほうがいい」とアドバイスしてくれたのだ

(ビタローとはフエフキダイの仲間の呼び名)

・・・そんなに言うなら、せっかくだからダメもとで食ってみるか

徐々に気持ちは傾いていった

 

いっぽう思ったよりも早いペースで順番待ちは進む

先に7~8組の名前が書きこまれていたので、1時間待ちは覚悟していたけど

開店と同時に入った客が続々と店を出る時間帯だったのだろう

到着から30分少々で名前を呼ばれ、無事着席

黒板を見ると、一番安いビタローの半身が残っていたので、迷わず注文する

これが噂の「イマイユのバター焼き定食」

よく見ると、前菜・デザートともに充実しており、総額1980円は安いものだった

白木のテーブルを前に、冷たいさんぴん茶をいたたぎながら出来上がりを待つ

注文を受けてから焼き始めるので、そんなにパッとは出てこない

メニュー表と一緒に置いてあった「いとまんのさかな」一覧を眺める

この真ん中あたりにある「フエダイ」の仲間が、ビタローの正体らしかった

まずは前菜が登場、新鮮な刺身に特製の「しびれ醤油」がビッタリ

しかも、これはなんだ?・・・妙に美味しい!

今まで口にした沖縄の魚とは、どこか違う気がする

続いてはメインディッシュ、イマイユ(ビタロー)のバター焼きが登場

まずは「半身だから小さいだろう」という先入観があっさり覆される

そして、アオサたっぷりのバターソースをまとうビタローの白身をひとくち

ーー初めて知る沖縄地魚の"おいしさ"が、口のなかにひろがった

北の海に棲む魚介類の"分かりやすい旨味"とはまるで異なる

噛みしめれば噛みしめるほど、じわりじわりと湧き出してくる極上の風味・・・

 

文字にすればするほど鎮撫になっちまうな

とにかく食べてほしい

そうすりゃ何を伝えたいのかが、まるっと分かるはずだ

「一食は百言に如かず」ーーってとこか

 

あと、相方がオーダーした「魚汁定食」もメチャ旨!!

この一食で沖縄の魚(地魚)に対する評価が180度ひっくり返った

それくらいの、いわばカルチャーショックだった

デザートに選んだ豆も絶品モノ

魚汁定食とバター焼き定食、両方頼んで食べ比べて本当によかったよ~

いきなり「この旅でイチバン!」を引き当ててしまったようだ

いや、これまで10回近く沖縄を訪れたなかでもナンバーワンかもしれない

それくらい衝撃的なひとときだった

 

残る3日間でもう一回食べに来ようか、とも思ったが

これまで数百日を旅先で過ごしたきたものの

〈2回目が初回の感動を上回ったケース)は一度もなかった

ここはぐっと我慢し、愉しみは次回の沖縄旅行まで取っておくのだ

 

ではでは、またね。