ヒマさえあれば西尾維新の〈伝説〉シリーズを開いていたが
1巻あたり500ページ超(しかも上下二段組)という特大ボリュームに溺れ続け
8月末日を迎えても第九巻『悲球伝』の170ページで足踏みしている。
言葉遊びと脱線ばかりのラノベとはいえ
必ずしもサクサク読み進める内容ではないので
ま、仕方ないか・・といったとこか。
てなわけで、今月中に読んだ書籍(文庫&新書)は以下のとおり。
2023.8
★★※『悲惨伝』『悲報伝』『悲業伝』『悲録伝』『悲亡伝』西尾維新
★★『悲衛伝』西尾維新
★★『折りたたみ北京』ケン・リュウ編
★『フェルマーの最終定理』サイモン・シン ★『散歩』小林聡美
★★『ヴィジュアル版 江戸城を歩く』黒田涼
★★『名作なんか、こわくない』柚木麻子
〔コミックス〕(※は再読以上)
★★『葬送のフリーレン』山田鐘人、アベツカサ ①-⑩(⑨まで※)
★★『黄昏のツガイ』荒川弘 ①-④
★『蒼き鋼のアルペジオ』Ark Performance ①-㉔(現在⑱を再読中)
結果、《今月揺さぶられた本ランキング》は
【小説】①『折りたたみ北京』ケン・リュウ編
※7月下旬から読み続けている〈伝説〉シリーズ/西尾維新は
最終十巻まで到達していないので、いまだ"ランク外"に留めておきたい。
ただ、初読時(3~4年前?)の印象より
自分の中での評価が高くなっているのは間違いない。
そのあたりの原因も含め、ラオスに旅立つ(9.27)前に書けたらいいな。
※代わって急浮上したのが、今月トップに輝いた『折りたたみ北京』。
もともと幾重にもストーリーが連なっていく長篇小説が好みで
短篇の集積体であるアンソロジーを読んで感動したことはめったにない。
今回も、〈伝説シリーズ〉を一巻読み終えた時点で
"箸休め代わり"に一作ずつ読んでみるかーーという随分な扱いだった。
だが、そんな舐め切った予断を本アンソロジーは見事にぶち壊す。
とにかく、一篇一篇が、アツくて面白い!
たとえれば、70~80年代の日本SFが放っていた底知れぬパワーが
そっくりそのまま本作に憑依したかのような
つたない所も含めて"若々しく瑞々しい意欲作"のオンパレードなのだ。
(勝手に)文庫主義者ゆえ、三体シリーズは"待ち"の状態だが
辛抱たまらず文庫化前に手を出しちまいそうな・・そんな興奮体験だった。
正直、期待してなかっただけに、この衝撃がめちゃくちゃ嬉しい。
これだから、『サイコロ読書⒞』はやめられない!
【小説以外】①『名作なんて、こわくない』柚木麻子
②『ヴィジュアル版 江戸城を歩く』黒田涼
※よくある読書案内本かと思いきや
心を鷲掴んで離さない「前振り」の面白さに魅了された。
主題となる世界の名作・五十七冊の紹介も粒ぞろいだったけど
それ以上に、ダダ漏れしまくる著者の"本音"に強烈な共感を抱いた。
ともあれ可能な限り「サイコロ読書法⒞」に介入し
「名作」より、この人の作品をもっといっぱい読むことにしよう。
※第2席も、単なる江戸城ガイドに終わらぬスグレモノ。
ページをめくりながら、何度も"実地検証"に出掛けたくなった。
とりわけ、旧天守周辺を自由に歩ける!という衝撃の事実を
今更ながら教えてもらってオドロイタ。
いったいいつから立ち入り禁止でなくなったんだよ~。
せっかく首都圏に住んでるんだし
この暑さが一段落したら絶対訪ねてやるぞ!、と心に決めた。
【コミック】①『葬送のフリーレン』山田鐘人、アベツカサ ①-⑩
※最初の数巻は4~5回読み返したことになるが
もうわかってるからいいよー、と読み飛ばしたくならないところが凄い。
シンプルなようで細かい所まで演出と絵作りが行き届いている。
くどいようだが、「何度読み返しても飽きない」というのは
優れた漫画の必須条件だと思う。
秋からアニメも始まるけど・・変な風にチヤホヤされないといいな。
ではでは、またね。
西部劇のセットみたいなメインストリート ラオス・バンビエン(2018.11.29)