SONYの底力を実感。音の良さはピカイチだ。「SONY WF-C700N」(ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット)レビュー

【デザイン】ひとことで言えば実用性に特化している。たとえばケース。上級機のような重厚感こそないものの、表面がザラザラしているから滑らない。しかも軽い。細長い形状も手のひらにすっぽり収まる効果を高めている。イヤホン本体も、無駄な出っ張りが無いのにケースからは取り出しやすい。色んな意味で"ストレスの少ない"製品だと感じた。

【高音の音質】とてもよく伸びる。特に弦楽器。"作り過ぎでは"と疑うほど、気持ちよく響く。デジカメでは捕らえられない色彩が、スマホだとバッチリ写る・・みたいな演出感か。これを「素晴らしい」と感じるか「ウソくさく」思うのかは人それぞれだろう。とりあえず率直な感想としてーー予想以上にいい音で驚いた、と書きたい。

【低音の音質】直前まで散歩用に使っていたElite 4 Activeとの比較になるが、低音部も気持ちよく鳴ってくれる。前回はコスパを理由にELite4Activeを激賞したが、直接聴き比べるとその差は明らか。初代ウォークマンの昔から愛用し続けた"安心のソニーサウンド"が、とても心地良い。

【フィット感】XM4と違い"強く押せるポイント(金属製リング)"が付いてないせいか、奥まで装着したぞ!という手ごたえは薄い。しっかりねじこんだつもりでも、どことなく緩さを感じる。もっとも、耳孔の形状によるのかもしれないが。 

【外音遮断性】これは標準的。上位機のXM4と比べると、アクティブの"効き"は3分の2程度か。XM4に附属の低反発?ウレタンキャップ(すぐ壊れる)でないことも、ノイズ低減を妨げている。 とはいえ、普通に路上を歩く状況で使用するなら、これで充分だろう。むしろ背後から接近する車に気づけない上位機の時は、何度かヒヤリとする場面があった。

【音漏れ防止】直接確認した訳ではないが、これも標準レベルだと思う。

【携帯性】「デザイン」の繰り返しになるが、ケースを持った感触は非常によい。手のひらにすっぽりと収まる形状に加え、滑らない表面+軽さを考慮すれば、現在所持している6台中では、最も使い勝手がいい。※ちなみに6台の内訳は「SONY XM3&XM4」「DENON AH-C830NCW」「Jabra Elite4Active」「YAMAHA TW-E3C」(これまではYAMAHAがベスト) 

【総評】バイバイSONY!ーーなんて三下り半を投稿してから2カ月あまり。すぐに買い換えようと考えていたBOSEの上級機に迷いつつ、他社の廉価イヤホンに手を出していたところ、そのSONYから「1万円台で新製品発売」のニュースをキャッチ。しかもソニーストアで注文すれば1万6千円少々で、3年間の長期保証までついてくることを知り、一も二もなく購入してしまった。

なぜなら「バイバイSONY!」の原因となった、XM3の故障(購入後1年半で左側の電源が入らず)と、XM4の不具合(同じく1年3カ月で左側バッテリーがフルチャージで30分未満に低下)という相次ぐ悲劇が、長期保証のお陰で回避できるからである。見方によっては "まんまとSONYの戦略にハマった"とも言えるが、今回に限っては賢い判断だったと自画自賛したい。・・なんて、しょーもない自己弁護はこのぐらいにして。

とにかく、ようやっとSONYが真価を発揮した。使用感抜群で音質も上等な廉価版(1万円台)のNCワイヤレスイヤホンを世に送り出してくれたのだ。
YAMAHA TW-E3C」に劣らぬ美音で実用性充分のNC効果を備えた本機こそ、なかなか動かぬ価格グラフにイライラしつつ"音響マニアではないけど、そこそこよい音質で邪魔にならない程度に雑音を抑えてくれるワイヤレスホンが欲しい!"と密かに願っていたライトユーザー(当方を含む)にとって
まさに待望の新製品、と断言してもいいんじゃないだろうか。

昨日手許に届いたばかりなので、徐々にマイナス面が出てくるかもしれないが、いまのところ、「ちょっとNCが弱めか」ということ以外、ほとんど文句をつける余地はない。三度目の正直じゃないが、今度こそ末永く付き合っていきたいと願っている。      

ではでは、またね。