桃源郷、と名付けたい ラオスうたた旅 2023.9.27-10.5 6日目/ムアン・ゴーイ(Muang Ngoi)⇒ノーンキャウ⇒ルアンパパーン① ムアン・ゴーイ⛴ノーンキャウ🚐🚐ルアンパパーン/北バスターミナル🚐サイナムカン・リバー・ビュー

2023年10月2日(月) Ning Ning Guesthouse👣船着き場🚤ノーンキャウ🚐🚐ルアンパパーン/北バスターミナル🚐サイナムカン・リバー・ビュー

出発2時間前、この旅イチバンの絶景が待っていた。

 

この日は、9時半発のボートに乗ってルアンパパーンまで戻る予定だ。

7時前に起き、朝食を摂ろうとバンガローを出る。

バンガロー前の庭に、朝の光がふんだんに降り注ぐ。

この天気なら、河畔の眺望も期待できそうだ。

足早にカフェテラスへ向かうと・・

どこぞの絵葉書を貼り付けたような光景が、目の前に拡がった。

刻々と形を変えてゆく雲の様子が面白くて。

似たような構図の写真を何枚も撮ってしまう。

小舟に乗るのは、朝の釣りを楽しむ旅人か。

 

川沿いのテーブルに座り、生き物のように移り変わる景色を眺めつつ

パンケーキとスープ麺の朝食をいただいた。

乗船チケットの販売は出発30分前の9時に始まる(前日に確認済み)ので

バンガローには直帰せず、最後のムアン・ゴーイ散策に出かけた。

朝の日差しが斜めに射す原っぱを抜け、メインストリートを目指す。

何か動いてると思ったら、足元にお散歩中のニワトリ一ファミリー。

早朝の托鉢はとうに終わり、集落は眠るように静まっていたーー。

ーーと思ったら、たちまちいつもの賑わいへ。活気に満ちた一日が、また始まる。

強い陽射しを浴びて、蝶たちも朝ご飯に飛び回っていた。

ゴマダラチョウ?も食事に夢中。

こちらは、葉っぱの上で日向ぼっこ?

10センチほどに近づいても、まったく逃げようとしない。

 

その後、バンガローに戻り荷造りを終えてチケット売り場へ。

2人分の乗船券を購入し(1人50000キープ≒400円)船着き場に降りてゆく。

同じ舟に乗るのだろう、一人のバックパッカーが石段に座っていた。

しかし、それ以外に客らしき人の姿はない。

9時過ぎに来たポートには、希望通り前列の"特別シート"に座ることができた。

しかしそれっきり乗船客はなく、もしかして人だけ?と思ったけれど

10分間になって続々とやって来て、結局ほぼ満員(十数名)で出発することに。

さようなら、何度も腰かけた石段。

とても快適だったゲストハウス。また来れるといいな・・

川下りの小舟は、軽やかに水面を滑ってゆく。

ほとんど風はなく、川面は鏡のように空を映していた。

なにも考えず、ただぼーーーっと流れる雲を眺めていた。

地元の利用者に船着き場は不要。直接川に降り、岸辺までザブザブ歩いていった。

それにしても鮮やかな緑。目に沁みるように心地よい。

ふと気が付けば、どこかで見たような姿の山が・・ああ、もうノーンキャウか。

やはり川下りは速い。上りの半分少々で着いてしまう。

この航路にある唯一の橋を潜ってゆくと・・

印象的な断崖絶壁と、3日前に泊ったゲストハウスが。

なんだかずいぶん昔のことのようだ・・

 

みたいな感傷に浸る間もなく、到着した船着き場は慌ただしかった。

荷物を抱え、のんびり石段を登り始めた旅行者たちに

待ち構えていた男たちが次々声を掛けるのだーー「ルアンパパーン?」と。

実は、オフシーズンのこの時期

ノーンキャウとルアンパパーンを結ぶ定期便(バス)は一日一本だけ。

しかも出発時刻は、わずか30分後。

これに乗るためには、ここからバスターミナルまで素早く移動する必要があったのだ。

 

実は事前にネットで調べた時は、午後にも定期便があるとのことだったので

「ルアンパパーン着は夜でも構わないから、ノーンキャウでゆっくりランチを楽しみ

(朝食をとったレストランで!)午後のバスで帰ろう」と考えていた。

だがそれはオンシーズン限定らしく、どこで訊いても「一日一便しかない」との返事。

やむなく、ドライバーにせかされるまま乗り合いバスの客となったのである。

ああ、あの店でフレンチを食べたかったなぁ・・後ろ髪を引かれながらも出発する。

さらばノーンキャウ。もしまた来れたら、ラオス風フレンチに再挑戦だ!

わずか5分ほどで、ノーンキャウのバスターミナルに到着。1人10000キープ。

 

降りてすぐチケット売り場でルアンパバーン行きの乗車券を購入。

こちらは1人80000キープ≒600円。

1人150000キープかかった行きのチャーター便よりだいぶ割安だ。

しかし、安いからにはそれなりの意味があることを、後になって痛感させられた。

12~3人で満席になりそうなミニバスながら、すべての座席が律儀に指定。

そのくせ補助席を合わせた数より多い乗客を、途中でどんどん乗せてゆく。

速い話、可能な限り乗せて目一杯稼ごうという腹積もりなのだ。

そんなわけで、途中からは体の向きを変えるのも難しい超満員状態となった。

幸い2人とも窓際の席だったので、さほど苦にはならなかったが

体格の大きい欧米人には相当ハードな4時間半だったはず。

(といってもインドのように屋根の上まで客を載せるわけではなく

 最低限のルール?は守っていた、ことにしておこう)

 

最初の内は余裕があったので、車窓風景をパチリパチリ。

いろいろツアーがあって楽しそうだな・・いやいや、ここってノーンキャウじゃん。

そう、ターミナルを出たバスは、わざわざノーンキャウの中心部まで逆戻り。

そこでさらなる乗客を乗せ、改めてルアンパバーン目指して走り出す。

ーーー何のためにバスターミナルまで移動させられたのか、悲しくなってきた。

とにもかくにも、路線バスはルアンパバーンへ。

行きと違って公共交通なので、途中の小さな町を縫うように走っていく。

おかげで、写真の材料には事欠かなかったのだが・・

停留所?に着くたび、どんどん乗客が増えていく。ここでは女性が2人。

とうに満席のはずなのに、いったいどこに載せるんだよ?

すると運転手、バス後部のスペースから荷物を車内へ押し込み

畳んでおいた最後部の補助シートを立ち上げて、強引に座る場所を作り出す。

ラオス道路交通法がどうなってるのかは知らんが

とにかくこれで3人分のスペースは確保できた。

てんこ盛りの乗客を詰め込み、各駅停車で走り続ける。

外は快晴。エアコンなしでいいから、窓を開けて風に当たりたかった。

出発から2時間半後、一度だけトイレ休憩があった。みなさんさすがにお疲れ気味。

男子用トイレで暮らすキリギリス?を眺めつつ用を足す。ちょっとピンボケ。

見れば見るほど小さいバス。よくもまあこんなに沢山乗れたものだ。

後半戦は道が整備されており、バスのスピードも上がった。

途中、明らかにメイド・イン・チャイナなダムを発見。

ラオスもそうだけどインドシナ半島全域で、中国の進出はすさまじい。

石灰岩質のボコボコな山並みが見えてきたら、ルアンパバーンまであと少し。

結局、ノーンキャウ出発から4時間半あまり後の15時半すぎ。

ミニバスは、ルアンパパーンの北ターミナルに到着する。

すぐに待っていたドライバーたちが、旧市街へ行くならこれに乗れと指図する。

軽くない荷物(スーツケース)と一緒なので、利用するしかない。

料金は1人あたり50000キープ、ノーンキャウの5倍だ。

4時間半乗ったバスが80000だから、観光地ならではの特別料金か。

でも空港から旧市街までが2人で80000だったし、決して高くはないぞ。

むしろ路線バスが安すぎるのだな。

しょーもないことを考える間も、軽快なエンジン音を上げてソンテウは走り続ける。

"しょーもない"と思い直せたのは、風が気持ちいいからだ。

バイクと一緒で窓がないから、びゅんびゅんと風が通り過ぎてゆく。

これだけでも、エアコン密閉の数倍快適なのだった。

少し前に別のソンテウが走っていた・・ちょっと乗せすぎかも。

風はホントに気持ちいい。相方ともども遊覧ドライブ気分を満喫する。

前後の道路を見渡せるのも、大きな魅力だ。

ルアンパパーン中心部が近づくにつれ、バイクの数が増えてゆく。

 

途中2カ所ほど立ち寄ったこともあって、ホテルまで30分近くかかった。

すっかりお馴染みとなった、サイナムカン・リバー・ビュー。

4日前まで連泊した部屋の左隣に、無事チェックインする。

窓から見えるナム・カーン川の夕景。2日目に撮った写真とほぼ同じ。

 

ずっと車内にいたため、昼ご飯を食べていなかった。

とにかく何か食べに行こう。

荷ほどきを終えて、夕暮れ迫るルアンパパーン旧市街へと繰り出した。

 

ではでは、またね。