また泊りたい!と感激した宿は、この3年間で2軒のみ 甲州ふたり旅 2022.8.22-23 1日目(2) ホテル神の湯温泉

2022年8月22日(月) 自宅⇒相模湖⇒ホテル神の湯温泉

 

  肝心の富士は雲の中だが、眺めは悪くない。にしてもパンフの写真はデカすぎる。

 

さすがは甲府盆地

覚悟していた以上に蒸し暑さがキツかったので

フライング気味にチェックインを済ませ

この時間なら空いているかな・・と

2階にひとつだけ設置されている無料貸切露天風呂へと急ぐ。

しかし、時すでに遅し。

15時5分過ぎにして、先客のスリッパが入り口前に並んでいた。

・・おそらく"一番風呂狙い"のカップルなんだろうな~。

肩を落として、1階の大浴場へと方向転換。

 

ロビー&売店エリアを突き抜けて奥に進むと、左手に小振りな入口が。

脱衣場も、予想していたよりもコンパクト。

だが、肝心の浴室は、少々古さを感じたものの

水温の異なる浴槽が5~6ほども並び、広々としている。

しかも早い時間たったので、先客はわずかに1名。

ほぼ、貸し切り状態だ。

さっそく湯をかぶり、庭に面したガラス戸を開けてみると

岩場を模した露天風呂にも、人の姿はなかった。

根っからの「ロテンスキー」なので、迷わず堪能させていただいた。

 

・・とはいうものの、いつものように"こころゆくまでのんびり"とはいかなかった。

8月下旬の午後3時過ぎ。

陽射しはサンサンと照りつけ、湿度が高いだけに、しつこく身体にまとわりつく。

温泉に入らず、まんま全裸で過ごしていても問題ないほど、蒸し暑いのだ。

さほど湯温も高くなかったが、結局、10分ともたずにギブアップ。

やっぱ、夏場の露天風呂はイマイチだなぁ・・

後悔しつつ、幾つもの浴槽が並ぶ内風呂へと戻った。

 

と、そこで初めて、浴室内の壁一面に記された案内文に目が留まる。

この温泉宿では、入浴にオススメの「順番」があるらしい。

それによると、まずは体温と同程度の熱さの浴槽に入って体を慣らし。

その後、少しづつ高い水温に設定された浴槽に移っていくのが最適なのだという。

いきなり熱めの露天風呂に入るなんて、わざわざ逆らっていたのだった。

 

幸い、先客は脱衣場に消え、広い浴場内にただひとり。

ここは仕切り直して、素直に従ってみるか。

さっそく一番ぬるい浴槽に身を沈め・・・ぬるい、というよりひやっこい。

そのひやっこさが、露天風呂でほてった身体に気持ちいい。

にしても、こんなにぬるくて温まるのかな。

広い浴槽の一角に、石造のビーチソファみたいな「寝風呂」コーナーがあったので

3つ並んだ真ん中で身体を仰向け、う~~んと身体を伸ばしてみた。

・・・うわ。これは、キモチイイ。

最初のうちは、ぬるく感じていた温泉だったのに

しばらくすると、じわりじわり、身体の奥深くからほどけてくる。

ほとんど夢心地のまま、5分、10分、20分、30分・・・

ーーはっ。やばい、きりがない。

 

いくら「のんびり入ってきていーよ」と相方に言われたものの

気が付けば、あっというまの1時間。

結局、「案内文」を無視して、再び露天風呂で身体をヒートアップ。

これを"仕上げ"に代えて、脱衣所に戻るのだった。

時間は長かったけどぬるいお湯だったから、それほど汗はかいてないだろう。

なんて思っていたが、出口の給水機で冷水を何杯お代わりしたことか。

"芯まで暖まる"というのは、こういうことなのだな。

そう納得した、「寝風呂」体験だった。

※残念ながら「撮影禁止」が貼ってあったので、映像は紹介できず。

 気になる方は宿のHPなどで確認しておくれ。

 

バトンタッチするかたちで大浴場に向かった相方も

おなじ「寝風呂」が気に入ったらしく、やっぱりダラダラ浸かってしまったという。

寝風呂というより、ダラダラ風呂だな。

 

その後、相変わらず雲隠れしたままの富士山を望む甲府市街を眺めたり

最初から敷いてあった(コロナ対策)布団の上で本を読んだり

のんびり過ごすうちに、夕食時間の午後6時が迫ってきた。

いい感じて、お腹もすいている。

5分前をめどに部屋を出て、エレベーターで1階へ。

食事処へと向かう。

 

夕食は、大広間のようなところで、間隔を置いて設置されたテーブル席でいただいた。

甲州産のアルコール(リキュール?)飲料をお供に

懐石風料理がコースで次々と提供されてゆく。

うちいくつかは地元名産(マスの仲間の甲斐の介?とか)で

山梨ならではのローカル色が凝らされていた・・・はずなのだけど。

ーー正直、ほとんど印象に残っていない。

ひとことで言ってしまうと・・フツーに美味しい。

申し訳ないが、そこ止まりなのだ。

 

  郷土食を出したりと工夫は認める。ベースの味付けがワンパターンなのか。

 

なるべく安上がりに、その代わりな何度も"ここじゃないどこか"に行ってみたい。

そんなモットーで、40年以上旅を繰り返してきた。

いわゆる「高級施設」には縁がなかったが

その分、"手頃でいい宿"を見極める目と舌は鍛えてきたつもりだ。

おかげで、そこいらの(温泉)旅館が提供する

そこそこ郷土食を加えた懐石風料理は、正直食べ飽きている。

 

別に、まずい!とケチをつけているのではない。

しかし一皿一皿、わざわざ時間を置いて登場する料理が

どいつもこいつも、同じパターンの味付けで仕上がっていると

そこでもう、驚きや感動とは無縁の「フツーに旨い料理」で終わってしまうのだ。

もちろん、1人あたり1泊3万円も支払えば

"感動もの"の食事に出会える確実は、遥かに高くなるだろう。

だが、正直、だったらいいや・・なのだ。

 

そんなわけで、「ふたり旅」の食事タイムに"感動"が記されるケースは多くない。

むしろ食事付きの宿より、先日の道東旅行のように

外食を選んだときのほうが、"嬉しい驚き"に出逢える確率は高いのだ。

(なかでも6月の帯広は「安い!旨い!」のオンパレード。

 おかけで、9月下旬と10月下旬に連荘で北海道旅行を予約してしまった)

 

例によって、上から目線で、偉そうなノーガキを垂れ流してしまったけど

そんなわけで、今回の宿に対する評価は・・。

「寝風呂」にプラス1ポイント。

「夕食」は、プラマイゼロ。

ーー5点満点の、3.5点というところか。

 

ちなみに、最近3年ほどの間に

4.5ポイント以上に輝いた温泉旅館は、わずか2軒。

最大の判定基準は、「もう一度泊ってみたい」と心の底から願うこと。

実際、上記2軒のうち1軒はすでに3回泊っている(なので満点の5ポイント)。

残る1軒も、再訪してガッカリしなかったら満点をつけるつもりだ。

 

・・・旅館の晩飯の話からずいぶん離れてしまったなぁ。

ぶっちゃけ、その程度しか印象に残っていない、いささか残念な旅だったのだ。

なにより富士山の不在が、こんなに大きいとは思わなかった。

ーーま、長い人生、そんなこともあるさ。

 

       ケチつけながらも、富士抜きの夜景はそれなりに愉しめた。

 

ではでは、またね。