富士山は、雲の中・・ 甲州ふたり旅 2022.8.22-23 1日目(1) 自宅🚗来々軒🚗道の駅とよとみ🚗ホテル神の湯温泉

2022年8月22日(月) 自宅⇒相模湖⇒ホテル神の湯温泉

 

      通りすがりに見つけた、地元で愛されるラーメン店へGO。

夫婦そろって高温と高湿度が大の苦手だ。

加えて長期休みで観光地の混雑も予想できるから

「夏場の旅行」には、いまひとつ積極的になれない。

とはいうものの、前回の北海道(道東)から2カ月以上経っていたので

〈旅の虫〉が我慢の限界を訴えはじめていた。

そんなわけで、相方が平日連休を取れた8月22・23を利用し

甲府方面への一泊旅行に出かけることに。

 

理由はとても単純。

とにかく、"暑くないところ"に行きたい。

だから今回は、海じゃなくて山を目指そう。

じゃあせっかくだから、大好きな富士山を眺められる宿にしよう。

 

そんなわけで、「富士山の眺めがいい温泉宿」を甲府盆地の北に見つけ

県民割を使ってお得に泊まることにした・・・のだが。

 

あいにく、前日の天気予報は「曇り時々雨」。

"晴れ男&女パワー"のおかげか

なんとか当日朝には薄曇りレベルまで持ち直していたものの

快晴にはほど遠いもやっとした空模様だった。

とにかく、いざという時の悪運を信じて行くっきゃない!

 

朝10時前、自宅を出発。

すぐ近くを走る東名高速に背を向け、一般道をとろとろ八王子方面へと走る。

府中あたりから中央道に入ってもよかったのだが

グールグルマップで調べてみたら、高速を使わなくても3時間ちょっと。

途中の渋滞を見越しても、4時間半くらいか。

じゃ、行けるとこまで下を走ろう。

と、20号線(甲州街道)に入って、勝沼を目指した。

 

予想通り、246と違って道は細く、何度も方向転換を強いられたが

渋滞らしい渋滞には捕まらず、昼過ぎには相模湖を越え上野原へ。

そろそろお腹がすいてきたな~

夕食は食べきれないほど出るから、今回も軽くコンビニおにぎりで済まそうか。

相方に確認し、道路沿いのコンビニを待つが、なかなか現れない。

 

すると、信号で止まったすぐ右手に、一軒のラーメン店。

しかも7~8台は入れそうな駐車スペースが、ほぼ埋まっていた。

店名を確認し、スマホのマップで調べてみると・・・「4.0」との評価。

すでに信号は青に替わり、店の前を通り過ぎてはいたが

ハンドルを握る相方に声をかける。

「ねえ、いまのラーメン屋・・」

「うん。いっぱい車停まってたね。おいしいのかも」

尋常でない繁盛ぶりに、彼女も目を留めていた。

となれば――引き返すしかない。

 

      左手の駐車スペースもほぼ満杯。人気のワケが知りたくなった。

適当な四つ角で右折し、空き地を使ってUターン。

300メートルほど戻って、今度は左側になったラーメン屋の直前で赤信号。

すると運良く停車中に、満杯の駐車スペースから一台が出て来た。

ラッキー!

すかさず、空いたスペースに車を滑り込ませ

「ラーメン」「餃子」「来々軒」と記された真赤なシェードを仰ぎ見

白い暖簾をくぐって店内に入った。

 

       典型的な「町中華」。餃子とチャーハンも美味しいらしい。

 

「いらっしゃいませ!」の声に指で2人と応えると

中ほどの右手、清掃&消毒を済ませたばかりのテーブルに案内される。

思ったより中は広く十以上のテーブルが並んでいたが

そのほとんどが埋まっていた。

中央を透明アクリル板で仕切られた対面席に腰掛け、ぐるりと店内を見渡す。

これぞ町中華!と自慢したくなるほど素朴で庶民的なたたずまい。

客の大部分は地元の方々らしく、給仕役のおばさんと親しく声を交わしている。

 

さて、何を注文しようか。

大きな一枚パネル?に記されたお品書きに目を落としつつ

さりげなく、周りのテーブルを見渡す。

・・お昼時とあって、セットの定食を前にした人が少なくないが

そこまでガッツリ食べてしまうと、晩飯が入らなくなる。

単品で目に付いたのは、チャーハンとラーメンか・・

よし、ここはシンプル+ストレートに醤油ラーメンにしよう!

目で相方に尋ねると、彼女も同意見だった。

 

待つこと数分。

「お待たせしました」の声と共に、ラーメン丼がトンと着地する。

濃い口醤油を使った、見るからに関東風な色黒醤油ラーメン。

鼻先に漂ういい香りに、思わず割り箸を手に取り、麺をひとすくい・・・

おっといけない、写真写真。

箸をデジカメに持ち替え、とりあえず一枚。

 

    いちど混ぜてしまったので"ややグチャ"。ちょっと遅かったか・・

 

知ったかぶりな食レポは誰か他の人に頼むことにして

東京の下町?(大田区)で生まれ育ったうたたにとっては

どこか懐かしい、正統派の醤油ラーメンだ。

スープの味も見た目ほどくどくなく

魚介(イリコ?)ダシが効いてて、いくらでもイケてしまう。

要するに、飽きが来ない"安心の味"ってところか。

一杯600円也という良心的な価格も、ポイント高し。

少なくとも、我らふたりには「久々に美味しい醤油ラーメンだった」と

満足できる味だった。

ちなみに食べログの採点は信用していないので、今回も考慮せず。

 

再び車に乗り込み、甲州街道を一路西へ。

相模湖あたりからは中央高速を利用する人がほとんどなので

くねくねながらも道はガラガラ。

思ったよりずっと快適なドライブを楽しむことができた。

ひとつだけ気がかりなのはーー天気。

雨こそ落ちてこないものの、頭上にはどんよりと雲が広がっており

遠方への見通しが、まるで利かないのだ。

この調子じゃ、富士山の姿は拝めないかもなぁ。

 

それを確かめるべく、早いとこ(見晴らしのよい)甲府盆地に出てしまいたい。

当初は立ち寄るつもりでいた「道の駅つる」や「初鹿野」もパスして

ノンストップで勝沼へと抜ける。

車の窓から、一気に視界が開けた甲府盆地の南方を眺めると・・

稜線が確認できたのは、手前に延びる御坂山地のみ。

――優雅でダイナミックな富士山の姿は、完全に雲の中に飲み込まれていた。

 

最近2度の山梨旅行(2回とも山中湖畔)では

どちらもドンピシャで富士山に迎えてもらっただけに、落胆は大きかった。

正直、天気予報はイマイチだったけど

そこはいつもの"天気運の強さ"が頑張ってくれて

今回もなんとかなるんじゃないか、なんて高をくくっていたのだ。

・・いやいや、まだ旅は始まったばかり。

今日中、悪くとも明日にはきっと姿を現わすに違いない。

 

さて、富士山会いたさに急いで走ってきた分、まだ時刻は13時過ぎ。

宿にチェックインできる15時まで、時間を潰さなくては。

近場にある道の駅を探し、南方の「道の駅とよとみ」まで足を延ばす。

だが、あてにしていた観光マップやパンフレットは見当たらず

ガックリ肩を落とし、何も買わずに車にもどる。

結局、時間調節とトイレ休憩のためだけに甲府盆地を南北に往復したのだった。

盆地ならではのモワッとした熱気と

相変わらず雲の彼方に隠れたままの富士山を恨みつつ、甲府盆地の北を目指す。

 

  「道の駅とよとみ」で撮った唯一の写真。どことなく"ガッカリ感"が漂う。

 

で、カーナビに従って北上していくと

まだ市街地まっただなかというのに、宿まで「あと5分」の表示。

・・あれ?

今日の宿のウリは「部屋から富士山が一望できる」だったはず。

それなら、もっと山の上にあるんじゃないの?

しかしナビは、住宅街に続く道の途中でーー「目的地に到着しました」。

確かに眼の前には、パソコンでチェックした温泉ホテルの建物が。

予想していたよりも、ずいぶん街なかにあるんだなぁ。

これが、第一印象だった。

 

   住宅地に聳える本日の宿。山の上じゃなかったから、ここも暑かったなぁ。

 

幸い、宿に到着したのは、15時10分前。

受付でチェックインを済ませると、そのまま客室に入れるという。

エレベーターで4階へと上がり、広い和室でくつろぐことができた。

売り文句に違わず、大きなガラス窓の向こうには、甲府市街が一望。

少々近過ぎる気もしたが、さすがに眺めは悪くない。

だがさらに南の展望は、富士五湖との間に聳える御坂山地まで。

哀しいかな、富士山の裾野すら拝むことはできなかった。

 

         確かに、部屋からの展望は、悪くない。

        だけど富士が・・富士山が、雲に隠れていたのだ~😞

 

正直、一気にテンションが落下した。

なにせ、今回の旅の目的のほぼ半分は、富士山を眺める!だったのだから。

 

でもまあ、こちとらモーゼでも親鸞でもない。

一発気合を発すれば、雲が割れて富士山が顔を出すわけじゃないからね。

今後の天候回復を祈りつつ、もうひとつの自慢だという「温泉」に入ってみるか。

渡された部屋の鍵は一つしかなかったので、小休止するという相方を残して

いそいそと大浴場へと向かうのだった。

 

ではでは、またね。