2022年5月11日(水) 道の駅巡り&三たてそば
これでもかっ!とばかりの新緑が、目に沁みる。
朝食が美味しい宿に、ハズレはない。
豪華な夕食を売りにしている宿は多いけれど
宿泊施設の"底力"がくっきりと浮かび上がってくるのは
むしろ「朝ごはん」の方だと思っている。
稀少な食材を並べたり、変わった調理法で演出できる夕食とは異なり
食事時間も限られているため、ある程度〈定番化〉した内容にならざるを得ない。
例えば、前菜・サラダ・卵焼き・焼き魚・海苔・漬け物・佃煮・味噌汁とか。
それだけに体裁(品数)だけ整え、悪く言えば"手を抜く"ところが大半だったりする。
朝ごはん。一見フツーだけど、いずれも"技あり"!
高~い天井の広々とした食事処。この伸びやかさも、旨さの一因か。
だが、嬉しいことに、この日の「朝ごはん」は、文句なく美味しかった。
周辺の山で採取した山菜、きのこを主にした献立は、山の恵みが堪能できます。
ーーと、パンフレットにある通り。
採れたての山菜が、それぞれ一工夫こらした調理法で、舌を楽しませてくれたのだ。
こうも食事のレベルが高いと
「秋はどんな料理が出るのかな?」と期待せずにはいられない。
改めて半年後の再訪を、相方と誓うのだった。
食事処からロビーへと戻る斜面には、とりどりの花が。
お粥と白飯の両方が提供されていたので(味噌汁もおかわり自由)
またもや食べ過ぎて苦しくなった。
ヨタヨタとラウンジに戻り、庭に面したソファに身体を沈める。
広いガラス窓に映るまばゆい新緑を眺めながら、サービスのコーヒーをいただく。
食後のコーヒーを楽しむ、宿泊客の皆さん
陽射し降り注ぐ特等席で、ひとやすみ。
テーブル上の苔玉は、売り物でもあった
記念に買っていきたいが・・・毎日水をやらないと枯れてしまうので断念
部屋から食事処の建物を見下ろす。ホント、ごちそうさまでした。
さ。
宿の話はこれぐらいにして、そろそろ出発しなくては。
自室に戻って、最後にもうひと休み。
朝9時30分ごろ、宿の人に見送られて昨日来た道を戻ってゆく。
目指すは、昨日立ち寄れなかった「道の駅湯西川」。
実は、冬期通行止めになる山越えルートで日光方面に戻ることも考えたのだが
それだと、ここに行けなくなると思い、同じ道をたどることにしたのだ。
玄関前の駐車エリア。右奥の小屋が、昨夜浸かった大露天風呂の入口。
新緑の山合いを、走る、走る。
道の駅だから、きっと新鮮な野菜がいっばい並んでいるに違いない!
折からの野菜高騰(特にタマネギ)を受け、買いだめしようという算段だった。
ところが・・期待はあっさり裏切られる。
オープン間もない(10時営業開始)「道の駅湯西川」にいそいそ入ってみると
さして広くない店内には、定番の土産品ばかり。
あれ? 生鮮食品は?
あわてて探し回ってみると
店を出た脇のワゴン上に、ふた抱えほどの山菜がポツンと置いてあるのみ。
(たしかひとつはウドかフキだったような・・)
・・・・・そりゃ、そうだ。
この辺りは山ばっかりで、畑なんかろくに作れない。
「地元の産物」といったら、山菜かキノコぐらいに決まってるじゃん!
まさしく、捕らぬ狸の皮算用。
こんなことなら山越えルートで帰ればよかった・・
己の思慮の浅さに唇をかみしめ、何も買わずに車を出した。
空と水と緑の協演に、たまらず途中下車。
それはともかく。
この日も、見事な五月晴れ。
山々の緑があまりにも綺麗だったので、途中下車することに。
日光と会津を結ぶ会津西街道、川治温泉の手前にある五十里ダムだった。
道の駅は残念だったが、ダムの上から眺める五十里湖と川下の景色は、まさに絶景。
マスクを取って深呼吸すれば、体の隅々まで緑に染まるよう。
軽く落ち込んでいた気分も、あっさり立ち直る。
五十里ダムの上をぶらぶら。吹き抜ける風が、気持ちいい。
満々と水をたたえる、五十里湖。
反対側には、緑の山々が。
それでは、本日のメインイベント!
・・のつもりでいる、日光東照宮を目指すとしよう。
さらに、宿でもらったクーポン券(2000円✖2)を活用するべく
みたび「道の駅日光」へと走っていく。
しかし、あと10分も走れば目的地に到着・・というあたりで
ハンドルを握っていた相方が、路上の案内板に気付く。
――あれっ・・なんか、近くに違う「道の駅」があるみたいだよ。
確かに『道の駅しおやまで✖キロ』とのパネルが。
え? じゃあ、ちょっと行ってみようか。
「日光」は何度も立ち寄ってるから、変わり映えしないしね。
ーーそうそう。お野菜もあんまり安くなかったし。
ひよっとしたら、うまいこと「湯西川」のリベンジができるかも!?
当座の目的地だった「東照宮」はどこへやら。
あっさり"道の駅で宝探しモード"に切り替わってしまった、ふたり旅。
この瞬間、旅の予定は、ボロボロと崩れてゆくのだった。
ではでは、またね。