2022年6月7日(火)北見市内(ホテル)⇒道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠⇒
900草原⇒釧路市湿原展望台↔サテライト展望台
サテライト展望台への長い山道を歩く。湿原は見えないが、シダは美しい。
ず~っと"道路独り占め"の快適なドライブが続く。
ただ、途中に一台も信号機がなく、事実上ノンストップ状態のため
ぜんぜん休むところがないから疲れてくる、と相方はぼやく。
なるほど、運転手にとっては信号待ちも"小休止"のひとつなのだった。
一面の緑と、青い空。なにもないのが最高の贅沢。
結局、一瞬でも車が止まったのは、道路の分岐点での1回だけ。
50分以上走り続けた車は、
立派な建物が聳える釧路市湿原展望台の駐車場に滑り込んだ。
あたりは湿原どころか、見渡す限り木々ばかり。
どうや展望台とは名ばかりで、実際は釧路市?が建てたハコモノ教育施設。
自分の目で釧路湿原を見るためには
30分ほど歩いた先にあるサテライト展望台まで足を運ぶ必要があるみたいだった。
前回(といっても30年近くも昔だが)釧路湿原に来たときは
東側にある「細岡展望台」に立ち寄ったので
敢えて未訪問のスポットを選んだのだが
・・ひょっとして、この判断は"ハズレ"だったのかな。
森の中に立つ釧路市湿原展望台。お金を払って最上階に登れば湿原が見える?
湿原ならぬ、広~い駐車場を見下ろしながら「豚丼」を食す。旨し!
ともあれ、まずは腹ごしらえ。
立派な建物の前面、広大な駐車場を見下ろす位置に木のテーブル&ベンチを発見。
セイコーマートで買い求めた「豚丼弁当」を、眺めのいい特等席でいただく。
どうせコンビニ飯だろうーーとナメていたけど、肉は柔らかく、甘辛い味付けも抜群。
あっという間に完食してしまった。
トイレ休憩がてら立派な建物にも入ってみようと思ったが
資料館だか学習施設らしく、売店エリアエリア以外は有料とのこと。
ここまできてお勉強するつもりはなかったので、早々に退散。
湿原内に設置されているという「サテライト展望台」を目指して歩き出す。
ここは奥日光か?と錯覚するほど、完璧に森林の中の道。
しばらくは一気に下りる木の階段が続く。とにかくセミの鳴き声がハンパない。
湿原は皆無だけど、新緑の葉はメチャクチャ綺麗だ。
ちなみに、手元のパンフレットには、こう記されていた。
釧路市湿原展望台には、湿原内を探索できるよう遊歩道が設けられている。距離は一周約2.5㎞。木道や吊り橋などが整備され、気軽に湿原の自然を観察できる。
「北海道ドライブマップ」(レンタカー営業所で購入)
いや。これウソだから。
確かに遊歩道には、木の階段、木道、吊り橋などが整備されていたけど
周囲はどこまでも「森のまっただなか」。
湿原のシの字もない、フツーのハイキングコースを延々昇り降りさせられた。
それでも、山歩きが好きな我々には、これはこれで快適なウォーキングタイムで
特に周囲を圧倒するエゾハルゼミの声が印象に残ったひとときだったけど
「湿原が観察できる遊歩道」との文言に誘われて訪れた観光客には
まさに"骨折り損のくたびれ儲け"で、ガッカリするに違いない。
どこまで歩いても、森の中。
ミズバショウっぽい葉っぱ・・ってことは、ここも湿原なのか?
ともあれ、予想以上にキツイ上り下りを繰り返すこと、およそ30分。
「釧路湿原の自然を満喫できる遊歩道先端の展望台」と高らかに謳われた
サテライト展望台に到着した。
謳い文句通り、確かに展望台の西側には、一面の釧路湿原が広がっていた。
だが、"釧路湿原のまっただなか"を期待していた我々の印象は
・・・思ったより、ずいぶん離れているなぁ。
というのが、率直な感想だった。
サテライト展望台から釧路湿原を見下ろす。と・・遠い~~。
この距離で野生動物を見つけ出すのは、けっこうムズい。
一瞬だけ頭上を飛んでた・・サシバ? 少なくともトビではないはず。
まず、展望台の位置が高いため、単純に釧路湿原までの距離が遠い。
草木が一斉に繁茂する春だったからなのか、動物の姿もほとんど認められない。
持参した双眼鏡を使い、彼方の草原に数頭のエゾシカを見つけるのがやっとだった。
これだったら、30年前に訪れた「細岡展望台」のほうが
湿原までの距離もかなり近く、すぐそばに川の流れもあるおかげで
遥かに変化に富んだ湿原風景を楽しむことができた。
直径1.5mほどもあった、巨大なフキ?の葉っぱ。
ウツボカズラのような植物も茂っていた。
とにかくエゾハルゼミの鳴き声が、シャワーのように降り注いでいた。
うーん。いかにもお役所がらみの立派な施設を目にした第一印象どおり
やっぱりここは、「湿原を眺めて楽しむ展望台」ではなく
「釧路湿原を学ぶ教育施設」がメインなのだな・・と、痛感させられたのだった。
よーし、次回は東側の「細岡展望台」と「サルルン展望台」に登ってやろう。
ついでに霧多布や尾岱沼にも足を延ばして、道東三大湿原制覇だ!
ではでは、またね。