「勝男みくじ」経由「勝浦タンタンメン」行き 房総半島ふたり旅 2022.1.26-28 2日目(1) 養老渓谷⇒勝浦

2022年1月27日(木)養老渓谷⇒勝浦⇒白浜

 

f:id:utatane-do:20220207220050j:plain

            この一杯で、ようやく"旅"が始まる

朝、目が覚めると、なにやら窓の外が白い。

カーテンを開けてみたら、昨日の夕方「水墨画」状態だった森の木々が

細い枝の先まで白く染まっていた。

霧氷・・木々に降りた露が、明け方の氷点下で、まるっと凍結していたのだ。

まさか房総半島で、こんな寒~い景色を拝めるとは。

 

f:id:utatane-do:20220207220247j:plain

         白っぽく見えるのは、全部氷・・のはず。

その後、定番の旅館朝食を済ませ、チェックアウト。

昨日曇りがちだったため後回しにしていた、付近の散策に出かける。

目指すは、養老渓谷のシンボル・養老の滝(栗又の滝)。

宿の正面にある入口は閉鎖中だったので、右手の駐車場近くの坂道を下ってゆく。

ほんの数分で川に沿った遊歩道にたどりつき、ちょっと左に歩くと

目の前に養老の滝(正式名「栗又の滝」)が待ち構えていた。

 

f:id:utatane-do:20220207220546j:plain

          後光のように朝日をまとう、養老(栗又)の滝

 

渓谷の向きから予想いていた通り、午前中は川面まで日差しが届いており

巨大な岩の上をすべるように流れる滝の水が、キラキラ輝いて見えた。

・・さすが、ひところ大衆居酒屋の代名詞にもなった名瀑。

ポカポカ降り注ぐ陽射しを浴びながら、しばらく見とれていた。

 

f:id:utatane-do:20220207220722j:plain

     帰り道でみかけた「養老のニャン」。なかなかの美形だ。

 

せっかくだから、滝に沿って登る遊歩道をぐるっと回って行こうとしたのだが

登り口のところが、赤いロープで通せんぼ。

遊歩道の先を見上げると、板張りの小さな橋がこわれたまま。

確かに、これでは歩いていくのは無理だ。

ああ、だから宿の正面の入り口が閉まっていたのか。

のちほど車道に沿って歩いてみたら、修復工事が行なわていたから

おそらく観光シーズン(桜の季節?)には、歩けるようになるのだろう。

 

旅館でもらったパンフレットには

ほかにも「おすすめハイキングコース」が記されていたけど

今回は山歩きの準備をしてこなかったので、次の機会に。

車に戻って、一路、朝市の街・勝浦へ!

 

――と決めてればよかったのたが

ここでも、〈せっかく魔人〉の"悪魔のささやき"に従ってしまった。

いわく・・せっかくここまで来たんだから、近くの「道の駅」に寄っていこーぜ。

 

誘惑に負け、昨日走った道を逆戻り。

養老渓谷の入り口から大多喜町に向かい、道の駅・「たけゆらの里おおたき」へ。

結果は――残念ながら、"掘り出し物"には出逢えずじまい。

欲をかくと、大抵こうなるよね。

 

で、それから気を取り直して勝浦を目指したのだが・・

結果的には、この〈寄り道〉によるタイムロスのおかげで

朝市の営業時間(朝6~11時)に、タッチの差で間に合わず。

ガラーンとした「朝市通り」を、あてもなくうろうろするハメになった。

 

f:id:utatane-do:20220207220833j:plain

       ここに到着したときは、11時30分近くになっていた

f:id:utatane-do:20220207221043j:plain

        "ガッカリ"を救ってくれた、遠見岬神社(の石段)

 

それでも、悔し紛れに"ビッグひな祭り"で有名な遠見岬(とみさき)神社に

アタックしたのは、不幸中の幸いだった。

まず、3万体のひな人形が飾られる石段の前にあった社務所

"この旅いちばんの土産物"をゲット!

ーー焼き物で作られた、カツオとタイのおみくじ。

一個300円。

貴金属や工芸品、高級食材とかより

こういうキッチュなものが大好きなのだから、仕方ない。

 

f:id:utatane-do:20220207221154j:plain

         心がホッコリした「勝男みくじ」と「金女みくじ」

f:id:utatane-do:20220207221346j:plain

    おみくじと一緒に結ぶ人もいるけど、もちろん"お持ち帰り"だ。

 

ちなみに、引き当てたのは「大吉」と「吉」。

どちらも「旅」の項目は、ラッキーとのことだった。

 

f:id:utatane-do:20220207221543j:plain

     本殿へ続く坂道から眺める勝浦の街。やっぱ晴れてると気持ちいい。

f:id:utatane-do:20220207221710j:plain

       本殿。賽銭箱の上でにらみを利かせる「龍」がキュート。

 

その後、総勢1800体のひな人形が飾られる60段の石段を昇り

小高い丘の上にある本殿までお詣りして、勝浦散策は終了。

ちょうどお昼時になったので、かねてからチェックしておいた

ご当地ラーメン・勝浦タンタンメンの名店「ラグタイム」へと、車を走らせた。

なんでもイタリア料理店のくせに

ランチタイムは勝浦タンタンメンで人気なのだという。

 

f:id:utatane-do:20220207222006j:plain

       砂浜のすぐ上に建つ「ラグタイム」。※食後に撮った一枚

太平洋を右手に北上すること、数分。

浜辺に面して建つ、オシャレな洋館の前へと到着した。

ドアを開けて入ると、内部は明らかにカフェというよりバーの雰囲気。

右手の長いカウンターの奥には、洋酒のボトルがずらりと並び

おそらくジャズなのだろう、ライブ演奏のセットまで用意されている。

それでも、入口の扉にも店内のメニューにも

勝浦タンタンメン」の文字が、威勢よく踊っていた。

幸い、先客は2組ほど。

太平洋に臨む奥のテーブルを選び、迷わず「勝浦タンタンメン」をオーダー。

 

f:id:utatane-do:20220207222130j:plain

     このアングルだと、完全にBar。実際、夜は"大人の店"に変身する。

f:id:utatane-do:20220207222332j:plain

          辛いのがあまり得意でない相方も、「これは美味しい!」と感激していた。

 

正直、この一杯を口にするまで、いまひとつテンションが高まらず

"今回の旅はイマイチかも・・"と、悲観的になりかけていた。

この瞬間を境に、勝浦まで来たかいがあった。やっぱ旅はいい!

・・と、いともあっさり掌を返すことに。

それぐらい、"赤く燃え上がる!"勝浦タンタンメンに魅了されてしまったのだ。

なにしろ、次に来た時は、どこのお店に入ろうか。

なんて、いまから"二杯目"を楽しみにしているのだから。

 

意外性や驚きとの出逢いこそが、旅の醍醐味。

2日目半ばにして、ようやくエンジンがかかってきたようだ。

 

f:id:utatane-do:20220207222726j:plain

        食後、広い砂浜を散歩する。これもまた旅の"お約束"

f:id:utatane-do:20220207222922j:plain

                                        メレンゲみたいな、波の果て

 

ではでは、またね。