2016年6月8日(火) リスボン市内
サン・ジョルジェ城からテージョ川を臨む
ようやく傾き始めた陽射しのもと
旧市街アルファマのくねくね曲がる坂道を登りつめた先に
サン・ジョルジェ城の入り口があった。
時刻は19時ちょっと前。
ユリウス・カエサルの時代、ローマ人が建設した要塞に始まり
その後、西ゴート族、イスラム教徒、キリスト教徒と次々に居住者を替え
現在は公園となっている。
サン・ジョルジェ城の主、クジャク様
門を潜って中に入るとあたりは緑でいっぱい。
何かの気配にふと脇を見ると
人の背丈ほどもあるクジャクが、我が物顔で横切っていった。
「お城」と聞いて期待するような建造物はどこにも見当たらないが
ひとつの丘を丸ごと囲んだ立派な城壁は、そっくりそのまま残っており
リスボン市内のランドマークの役目も果たしている。
やがて、展望台になっている城壁が見えてきた。
数十人ほどの観光客が、思い思いの場所で景色を眺めている。
城壁の先に広がっているのは
実は、リスボンで指折りの夕景スポットなのだ。
城壁に腰掛け、つくろぐ人々
まだまだ日は高く、"夕暮れ"は遠い
残念だけど、このへんでギブアップ・・
・・だが、20時にして、なおも太陽は高い場所で頑張っている。
1時間後の閉館ギリギリまで粘ってみても
"日没後、紫色に染まる街"と讃えられた夕景を見ることはできそうにない。
後ろ髪を引かれつつ、正面出口から外へ。
折よく停車中だった路線バス727番に乗りこみ
みたびフィゲイラ広場へと戻る。
フィゲイラ広場 ついに雲が赤を帯びる
時刻は20時30分を回ったあたり。
ようやく、辺りの景色が「夕方」っぽくなってきた。
先ほど登ったサン・ジョルジェ城の高い城壁が、夕日を浴びて赤く染まっている。
結局、仮眠なしで日本時間の明け方まで起きていたことになる。
お腹に入れたのは、リスボンの伝統スイーツとコーヒーのみ。
疲労と眠気と空腹が、トリオを組んてやってきた。
こういうときは。とっとと食べて、さっさと寝るに限る。
頼みの綱の「歩き方」を開き、近くの手頃なレストランを物色する。
「料理のほとんどが10€以下」という値段と
「エビ」「タコ」など大好きなシーフードの名前に釣られ
歩いてすぐのバイシャ地区にあるDois Arcosに入る。
評判通り、地元の人が経営する、小ぢんまりした庶民的な店だ。
親日家というご主人の対応も、慎み深さと適度な距離感を保っており
「日本大好き!」みたいな押しつけがましは、なかった。
本に書いてあった「エビのガーリック炒め」「タコのサラダ」など
数皿を注文し、いつもどおり相方とシェアする。
ちょっとオリーブ油がキツイかな・・
疲れた胃にやや重く感じたものの、味自体には充分満足できた。
基本的にはスペインと大きく変わらない印象かな。
ただ、こちらも味付けが塩味メインとシンブルなので
日本から持って来た醤油が活躍しそうな予感もしたのだった。
帰りはちょっと距離があったが
ようやく陽が落ちたリスボンの市内散策を楽しみつつ
30分ほどかけて、とことことホテルまで歩いて帰ることに。
陽が落ちると一気に気温が下がり、肌寒ささえ感じるが
ほろ酔い気分の身には、それもまた心地良い。
途中、夜遅くまで開いているスーパーマーケットで
数日分のミネラルウォーターをまとめ買い。
これでいつも通りの
〈2リットル⇒500ミリリットルのボトル入れ替え)ができるぞ。
ライトアップも控え目
てなわけで、ようやっとポルトガルの実質1日目が終了。
だけどリスボンに慣れる間もなく、明日は移動日。
旅行会社に用意してもらったHotel Amazoniaにスーツケースを置いたまま
北のポルトまで移動し、そこで一泊する予定を立てていた。
実はこの旅で、初めて自力でホテルをネット予約したのだった。
今から振り返れれば、心配する必要はないと判ってるけど
当時(5年前)は、これだけで結構ドキドキしていた。
なんだって、"初めて"はキンチョーするもんだ。
ではでは、またね。