ベレンの塔に見惚れ、住宅街の"熱狂"に揺れる  ポルトガルふたり旅 2016.6.7-13 5日目(その2) エヴォラ🚌⇒リスボン

2016年6月11日(土) リスボン⇔エヴォラ

 

f:id:utatane-do:20220122215259j:plain

        夕景とベレンの塔、絶妙のコラボレーション

 

バスの車内で吐き気&尿意のタッグチームと闘うこと、一時間半あまり。

なんとか無事に、終点リスボンのセット・リオス・バス・ターミナルへと帰還。

すぐさま有料トイレへと駆け込み、膀胱も守ることができた。

腹具合もかなり落ち着いたので、地下鉄経由でホテルに戻りがてら

途中で見つけた地元のスーパー「ビンゴ・ドーセ」で最低限のお土産を買い求める。

 

時刻は4時を回っていたが、そこは夏至近くの西ヨーロッパ。

お日様は頭上遥かな高所から、「夕方?なにそれ!?」といわんばかりに

強烈な日射しをガンガン降り注いでくる。

少しでも体調が回復すると、"もったいないお化け"が込み上げてくるものだから

昨日延々待ちぼうけを食らわされた「路面電車ベレンの塔へGo!」に

リベンジせんと、またも地下鉄で市内最大ターミナル・フィゲイラ広場へと乗り込む。

 

すると・・昨日のトラブルなどなかったかのように

15番の路面電車が、ひっきりなしに走っているではないか。

すぐに乗り込み、のんびり走る満員の車内に揺られること、30分余り。

ジェロニモ修道院前の停車場から、テージョ川を目指して歩くと

ほんの2~3分で、三角定規を斜めに突き立てたようなモニュメントが現われた。

1960年、エンリケ航海王子の500回忌を記念して作られた

ポルトガル大航海時代を象徴する建造物「発見のモニュメント」だ。

f:id:utatane-do:20220122215413j:plain

   どこか窮屈な「発見のモニュメント」。工事中のため、これ以上近づけず

f:id:utatane-do:20220122215456j:plain

             知る人ぞ知る、エンリケ航海王子

 

舟の舳先をかたどった登り坂に、20人ほどの偉人たちが窮屈そうに立ち並ぶ。

その中には、マゼラン、ザヴィエル、ヴァスコ・ダ・ガマなど

世界史の教科書に必ず登場する人物もいたしいが

何かの工事中で近くに寄れなかったせいもあり、面倒くさくなってしまった。

それよりも、ようやく赤みを増してきた空の色が美しく思え

世紀のモニュメントそっちのけで、周囲の夕景ばかり撮りまくる。

 

f:id:utatane-do:20220122215650j:plain

       対岸にそびえる塔と立ち並ぶ白タンクが、妙に気になった

 

ようやくこの頃になって、強かった日差しも勢いを失い、そよ風も吹き始めた。

散策には絶好のコンディションだ。

のんびり釣り糸を垂らしたり、そぞろ歩きを楽しむ地元の人々を眺めつつ

広い河畔づたいに、1キロほど西に立つ「ベレンの塔」に向けて歩きだした。

いま思い返すと、このときの〈テージョ河畔散策〉が

今回のポルトガル旅行において、最も印象深いひとときだった気がする。

とりわけ、少しずつ少しずつ赤みを増していく空と川面に挟まれ

優雅にたたずむベレンの塔は、いつまで眺めても飽きることがなかった。

残念ながら、「リスボンカード」の特典を上手に活用できず

無料で入場できるはずだったベレンの塔内部は見物しそびれてしまったけれど

少し離れた芝生に座って、徐々に夕闇に沈んでゆくベレンの塔

とてもとても、"いい雰囲気"だったのだ。

f:id:utatane-do:20220122215916j:plain

            釣り竿の彼方に、ベレンの塔

f:id:utatane-do:20220122220005j:plain

     でかい。ここまで離れないと、フレームからはみ出てしまう。

f:id:utatane-do:20220122220141j:plain

              事実刻々、移り変わる情景

f:id:utatane-do:20220122220331j:plain

           わずかな残照が、城壁を染める

f:id:utatane-do:20220122220853j:plain

         きりがないから、このへんで・・

f:id:utatane-do:20220122221117j:plain

           さあ、夕飯を食べに行こう

 

その後、それぞれのペースで自由に行動していた相方と合流。

路面電車を乗り継ぎ、2晩続けてシーフードレストラン「ポルトガリア」で夕食。

シーフードサラダやアサリのガーリック炒めで、弱った胃をねぎらった。

 

f:id:utatane-do:20220122221338j:plain

 ユーロのパプリックピューイング。まさかこの後、ポルトガルが逆転優勝するとは。

f:id:utatane-do:20220122221526j:plain

      「ポルトガリア」周辺。人気が少なく、ちょっと怖いかも。

 

食後、再び路面電車でフィゲイラ広場まで戻ったが

そのまま地下鉄で帰るのはもったいなかった〈景色が見えない〉ので

のんびり歩いて、ホテルを目指すことにした。

だって、ポルトガル最後の夜だからね。

 

f:id:utatane-do:20220122221706j:plain

    広場には聖人像? 何を祝っているのか、不信心者はチンプンカンプン。

f:id:utatane-do:20220122222053j:plain

       街のあちこちでシンプルなライトアップ。おしゃれ。

f:id:utatane-do:20220122221922j:plain

         こちらの巨大エレベーターには、乗りそびれた

 

すると、大通りを10分ほど北上したあたりだったか。

左手の坂をゴロゴロ盛大な音を立てて降りてくる、乗り物と遭遇。

ケーブルカー(グロリア線)だった。

そういえば、まだケーブルカーには乗ってなかったっけ。

目の前の停車場に着いたケーブルカーに駆け寄り、満員の車内に混ぜてもらうと

すぐまた坂の上目指してゴロゴロと登り出した。

距離にすれば、せいぜい200メートル。

標高差なら、30~40メートル程度だったろうか。

2分もかからずに、ケーブルカーは坂の上の終点に到着。

すると車掌らしき若い男性が、手を振って乗客全員に降りるよう促した。

どうもこれが、「最終電車」だったらしい。ラッキー!

急斜面に刻まれた2条の線路をたどって、他の元乗客たちと一緒に坂を降りた。

 

f:id:utatane-do:20220122222204j:plain

        最終便に飛び乗る、中は観光客だらけだった。

f:id:utatane-do:20220122222434j:plain

             本日の営業は、これにて終了

f:id:utatane-do:20220122222539j:plain     

        車庫へと向かうケーブルカー。メチャメチャ"前のめり"。

f:id:utatane-do:20220122222736j:plain

          乗っていた人は、全員、線路を歩いて帰っていった。

 

改めて大通りまで戻り、あちこちで控えめにライトアップされた建物を見物しながら

ホテル目指して歩いてゆく。

途中、近道になりそうだと住宅街を抜けるルートを選んだところ

やにわに大音響の音楽と、踊りまくる老若男女の大群衆に出くわした。

小さな公園?を舞台に、地元民だけでコンサート?を楽しんでいるらしい。

舞台に立ってシャウトするのは、ぽっこりお腹の突き出た中年オジサン。

小学校に入ったばかりぐらいの女の子が、おばあちゃんと一緒に踊っている。

いっぽう我らうたたSは、そんな〈屋外宴会〉に参加できるはずもなく、

ぼんやり外から眺めるだけだったけど、これはこれですごく印象深い光景だった。

――最後に「いいもの」見させてもらった。

遠からず、ポルトガルにはまた足を運ぶことになるだろう・・

 

f:id:utatane-do:20220122222948j:plain

          リスボンの「祭り」は、ご近所コンサート!?

f:id:utatane-do:20220122223145j:plain

             赤いオジサン。声量も3倍!? 

f:id:utatane-do:20220122223323j:plain

           この熱狂の中には、ちょっと入れなかった・・

 

そんな果たすべく、昨年の秋に一週間ほどの時間をこしらえ

リスポン⇒メリダ⇒トレド⇒バレンシアバルセロナ

バスと電車を乗りついで、イベリア半島を右肩上がりに横断する旅を計画。

春先までに航空券と各都市のホテルの予約を済ませたものの

ご存知「新型コロナ」におかげで、全部キャンセルするはめになった。

ああ・・・・早く、行きたい。

頼むから「オミクロン」で打ち止めになってくれ~!!

と、エアお百度詣りに励む日々なのだった。

 

ではでは、またね。