規格外の人に《常識》を求めるな 本日の“なんだかなぁ“

ゴシップ記事や芸能ニュースの見出しだったら

「相次ぐトップアスリートの不祥事!(ダサっ)」とでも書くのだろうか。

箱根駅伝アンカーに続いて

今度は大相撲の人気大関が〈キャバクラ通い〉で自粛休場となった。

 

世間一般で通用する《常識》に沿って、その状況を眺めた場合

ファンのように特別な感情を抱いてない人であれば

"ちょっとチヤホヤされた程度で、調子に乗りやがって。少しは思い知ればいい"

・・ぐらいの悪口をこぼしても不思議ではない。

だが、この手の「トップアスリートを巡る不祥事」に接するたび

決まって、強い違和感と疑問を抱いてしまうのだ。

 

――なぜ、この〈特殊な人〉たちを、一般の常識で判定するのだろうか?

 

どうか、想像力をフル回転させ

ご自身を、彼ら彼女らの立場に置き換えて、シミュレートしていただきたい。

各ジャンルにおいて、日本人全体を通してもトップテン入り確実だろう

極めつけのトップアスリートである。

そのポジションに登り詰め、同時に維持し続けるために

〈普通の人々〉が甘受している"日常"を、どれだけ犠牲にしてきたか。

間違いなく、小・中・高の9年間は、試合(レース)と練習漬けの日々である。

加えて、名をあげるまでの数年間も、やはり練習と本番の繰り返しは、変わらない。

要するに、人生のほぼすべてを「その競技」のために費やしてきたのだ。

結果、それ以外の教養・常識・法知識などなどを蓄積する余裕は、ほぼなくなる。

(ごく一部の方々は、奇跡的に"両立"させている。ホント、ごく一部だけど)

 

こうして、失礼な言い方だが

"特定のスポーツに特化した〈専門バカ〉グループ"のなかで

とびきり突出した、ごくひと握りの"選良"が、実績を挙げ、注目を浴びる。

 

さあ、この方々の「社会常識」「法知識」は、どこまで成熟しているだろうか?

・・答えるまでもない。

再び失礼極まりない表現になってしまうが、「名探偵コナン」の逆。

身体は大人、心は子供ーーなのである。

言い方を変えれば、それぐらいの犠牲を払わなければ成功者になれない

(しかも必要条件ではなく、十分条件にすぎない)というのが、現実なのだ。

※一般人の中にも〈逆コナン〉がいるな。オレとか。

 

そんな、余計なものをそぎ落としてきた少年・少女時代だったのに

社会的に「大人」と見なされる年代になったとたん・・・

何も知らない赤ずきんを騙して食べてしまうオオカミのごとく

「常識と法律」がタッグを組んで、襲い掛かってくるのだ。

 

さらに困ったことには

功成り名遂げた〈逆コナン〉のトップアスリートを目指して

夜の街灯に群がる羽虫の群れのように

ろくなことしか考えていない"悪いヤツラ"が、集まってくる。

そして、疑うことを知らない彼ら・彼女らの耳元で、こっそり囁くのだ。

「今度、面白いとこに連れてってあげるよ」
「大丈夫大丈夫、内緒にしとくから」

んで、運の悪い子が、法の網にひっかかってしまう・・というパターン。

 

そんなわけで。

世間&常識知らずがデフォルト〉な、各種トップアスリート、アーティスト

芸能人らの不祥事が発覚し、公表されるたびに

思わず、つぶやいてしまうのだ。

"・・可哀想に。ま~た、ろくでもないヤツに捕まっちまったんだな"。

 

話がヨレてきたので、結論結論。

 

特殊な青少年時代を送ってきた、トップアスリートやアーティストなど

規格外の人々に、〈一般人の常識・法知識〉を当てはめるのは、あまりにも酷。

だから単に20歳になったからといって(もうすぐ18歳か)

はい大人になった!今日から社会人だよ!・・と、無責任に放り出すのではなく

しかるべき〈教師役〉がついて、"悪い虫"を追い払いながら

実社会で生きるための(知識と常識〉を、ちっきり教えるべきである。

もちろん、現役中の"徹底ガード"はいうまでもない。

 

そういった"本人たちの特殊な事情"など、一顧だにせず

あとは野となれ山となれ、とばかり

大人になって引退した(逆コナン〉たちを

舌なめずりするオオカミたちのなかに放り込んじまうから・・

"愛ちゃんの離婚&不倫騒動"みたいな悲劇が、後を絶たないんだよ。

 

なんでもかんでも言葉通りにしか受け止めず

問答無用で「法律違反だ」「規約違反だ」「非常識だ」と、糾弾するヒマがあったら

ヒーロー・ヒロインを目指して頑張り続けた〈規格外〉の"子供"たちを

"一人前の大人に育てるバックアップ体制造り"にこそ、励んでいただきたい。

 

私たちが享受した〈感動の代償〉だと考えれば、安いもんだよ。

 

ではでは、またね。