どさくさに紛れて"うっぷん晴らし"に声を上げるヤカラに
うんざりしている。
たとえば、東京オリンピック開催に対するバッシング報道。
「五輪開催か人の命か」という
ひところ巷で流行った"人の命は地球より重い"並に乱暴な二択には
もはや返す言葉もないが
オリンピックに対する向かい風が吹き始めるやいなや
新型コロナとは何の関係もない批判やゴシップが
弱った獲物に殺到するハイエナの群れのように、それっ!とばかりぶちまけられる。
オリンピックはIOCの集金装置に過ぎない?
役員は5つ星ホテルで豪遊が保証され、あらゆる面でVIP待遇?
ーーそんなもん、アスリートファーストと謳いながら役員が先頭でふんぞり返る
入場行進を見るまでもなく、ず~っと前から平然と続けられていた〈慣例〉なのに
これまでは、誰も立ち上がってくれなかったじゃん。
なのに、新型コロナの感染拡大を懸念して
民意が大きく〈アンチ五輪〉へと傾いた途端、いっせいに大騒ぎ。
これを、"コロナ騒動に便乗した火事場泥棒"と呼ばずして、なんと称すべきか。
なによりも救いがたいのは
コロナとは無関係な「オリンピック・システム」に対する
こうした疑惑や批判を発したマスコミ関係者が
これこそジャーナリスト精神の証だ! 俺たちはやったぜ!!
・・ごとき、見当違いな達成感に浸っていることだ。
いやいや、こんなしっちゃかめっちゃかなときに
「オリンピックそのものの問題点」をぶち上げたところで
改革どころか、議論にさえならないのは、火を見るよりも明らかでしょ。
本当に、真剣に、オリンピックの"ありかた"をマシな方向に変えていきたいなら
もっとみんなが冷静に考えられる状況のとき
正面から、責任をもって、全力で闘って欲しいと願ってやまない。
――なんてのは、青臭い理想論にすぎないのかな。
とにかく、最近は、オリンピック問題に限らず
《弱ったヤツを全員で叩き潰す》
マスコミによる"集団リンチ"が、天井知らずに過激化している。
今日になって箱根駅伝のアンカーがやらかした
「18歳未満不順異性交遊」事件も、例外ではない。
別に彼を擁護する立場でもないが
「1歳の差」を「知らなかった」がために「逮捕」、というのは
ーー現在の状況で一般人と濃厚接触する迂闊さは責められるべきだがーー
明らかに過剰であり、〈見せしめ〉でしかないと思う。
しかも、今後いかなる名誉挽回の機会が与えられたとしても
彼のアスリートとしての人生は、この一事で絶望的になってしまった。
それでもマスコミは、あらゆる知恵を絞り、死者を鞭打つごとく、彼を叩くのだ。
これが、「正義」なのか?
さらに、その尻馬に乗って"憂さ晴らしというの名の個人攻撃"を繰り返す
匿名の〈自称良識人ども〉に至っては、ひとりずつ校舎の裏に呼び出し
ボコボコにシバキまくりたいほど、激しい怒りを禁じえない。
同じように、したり顔で繰り出される〈後出しジャンケン〉にも
目を覆い、耳をふさぎたくなる。
"新型コロナ対策の優等生"と、全マスコミ挙げて称賛してきた台湾で
ここ数日の間、感染者数が急増する事態が続いている。
すると、どうだ。
まるで、オセロゲームのコマが一斉に裏返されたかのごとく
「実は台湾の水際対策には、いかがなものかという疑問を抱いていた」なる
〈てのひら返し〉が、突如表舞台にしゃしゃり出てくる。
いや、何カ月も前から「水際対策よりもワクチン接種の方が確実だ」とか
正式に疑問を呈していたら、こんなにブー垂れたりはしない。
だけど、少なくともワシが見聞きした限りでは
正面から表立って反論を唱える人は存在しなかった・・はずだ。
なにより腹が立つのは、したり顔で後出しジャンケンを披露したところで
ひとっつも現状を(よい方向に)変えることはできない、ってこと。
頼むから、発言力とか影響力のある文化人や(自称)専門家の皆さんは
「実はあのとき・・」などという"タラレバの自慢話"ではなく
〈今後+具体的に+何をどうすれば状況は良くなると考える〉のか
責任ある立場を自任しつつ、しっかりきっちり発信していただきたい。
少なくとも、「便乗攻撃」「弱者いじめ」「後出しジャンケン」に精を出し
注目を浴びてほくそ笑む〈火事場泥棒〉は、存在自体が"悪"なのだから。
ではでは、またね。