"ハラスメント"で荒稼ぎ? 「今こそ、職場から『TELハラ』をなくすとき」(朝日新聞3/31広告記事) 本日の"なんだかなぁ"

たかが、新聞の全面広告。

いちいち目くじら立てなくてもいいだろうに。

そうたしなめられることを承知で

あえて大人げなく、書いてしまおう。

 

 問題のブツは、本日の朝日新聞(朝刊)8面全部を使った広告記事だ。

やや長いが、都合のいいところだけ引用したと思われたくないので

あえて全文を紹介したい。

 

今こそ、職場から「TELハラ」をなくすとき。

いよいよ明日から新年度。

職場の電話が忙しくなる季節も始まります。

中には大切な用件もある一方で、

実際はそうでもない電話がほとんど。

仕事の手を止められ、時間まで奪われてしまう。

そんな経験は誰しもあるはずです。

 

そしていまだに残る「電話番は新人の仕事」という慣習。

かつては彼らが仕事を憶えるために有用だったかもしれません。

けれど、ひと昔前と比べ、重要な電話は激減したのも事実です。

テレワークが当たり前になり

ビジネスの連絡手段が様変わりしているいま、

「電話は新人が取るべき」だったり、

「総務が電話に出るのは当たりまえ」という職場の空気や慣習は、

もはや無言の「電話ハラスメント」になりつつあるのかも。

ハラスメントなんて大げさかもしれませんが、

普段は見えづらい職場の痛みに目を向けてもらうため、

あえてそう表現してみました。

 

経営や働き方改革を担う皆さま。

職場の電話ストレスを救えるのは、あなたです。

生産効率が求められる中、余分な電話負担もなくし、

現場の力をもっと有意義に活用してもらいませんか。

※以下、企業名と「うたい文句」は省略

 

ひと言でいえば、「電話代行サービスを利用しませんか」、という広告。

確かに、職場にかかってくる電話のすべてが重要なわけではなく

"忙しくて電話なんか取っていられない"状況に陥るときも、あるだろう。

会社によっては、そのための「電話代行サービス」が有用なことは、理解できる。

だが、しかし・・。

 

例えば、このサービスを導入した結果

新入社員が「電話を取る仕事」を免除された場合。

電話どころか、そもそも他者との応対を習得してこなかった

社会一年生のカレ・カノジョは、いったい、いつ、どこで

〈社会人として最低限必要なコミュニケーション力〉を身に付けるのだろうか。

どれほど出身大学の偏差値が高かろうと

それと「実社会における会話力・アピール力・対応力・交渉力」などは

まったくの別物である。

ましてや、小学生の頃から勉強一筋。

友人関係も部活動もぶっちぎって答案用紙に向かい続けたおかげで

引く手あまたの有名大学に進学できました!

そのすべて・・とまでは言わないが、少なくとも半分以上は

電話を含めた他者との会話に、多かれ少なかれストレスを感じるに違いない。

だって、友達付き合いすら経験してないのだから。

 

もし、そんな彼らが「電話ハラスメント」的な《正義》を手にしたら

ほぼ100パーセント、電話番を拒否し続けることになる。

その結果、企業人としての会話や交渉はもちろん

社会的な人間関係を維持するための「挨拶や敬語の使用法」まで

なにひとつ身に付けることなく、企業人としてそれなりの実績を重ねていく・・

などということが、果たして可能なのだろうか?

無理でしょ。どう考えても。

 

要するに、何を言いたいのかというと。

 

実際には、「嫌いな上司がいる」「ちょっと疲れた」「出社が面倒臭い」といった

必ずしも重要とは言い難い〈動機〉を

「上司からパワハラを受けた」「仕事が過酷でうつ状態になりかけている」など

〈ハラスメント問題〉にすり替え

「自分は弱者だから、権利を保護してほしい」と主張。

己は〈休日出勤&残業ゼロ〉の好待遇を"ゴネ得"とばかりに実現させ

その結果生じる〈残務〉〈大変な仕事〉なとの尻拭いを

上司を含めた上の世代に、ぜーんぶ丸投げしちゃう。

 

そんな、嫌なことを全部「ハラスメント」にこじつけて拒否しまくり

旨い汁だけを吸って、融通無碍の暮らしを満喫する《自称弱者》。

いわば『ハラスメント・ゴロ』が

いま、猛烈な勢いで増えている、ってことなのだ。

 

嘘だと思うなら・・

そうだな、以前にも紹介した本だが

『医者の稼ぎ方』筒井冨美(光文社新書)でも、読んでみてくれ。

直接「ハラスメント問題」を語ってはいないが、結局は同じことだから。

世論の高まりとともに、ある意味苦行のようだった研修医制度が改革された。

しかしその結果、苦労事から逃げ続け、技術の研鑽まで怠る"手抜き新人"が続出し

初歩的な医療行為しかできない「40代ママ女医」〈著者曰く〉が量産。

医者の数は足りてるのに、高度な医療を託せる人がいない

という背筋の寒くなる事態が、全国の病院で静かに進行している。

これもまた、「ハラスメント問題」を〈典型的な被害者目線〉だけでしか捉えず

機械的かつ一律に、研修医の権利を保護する制度を制定。

そこから生じる様々な役得を自らの"楽々ドクター人生"に流用しようとする

《ハラスメント・ゴロ》の存在を、きれいに忘れていたせいだった。

ホント、日本の政治家って、お人よしばかりだよなー。

 

実際のところ、日本の医療体制が現在流行中の新型コロナに対応できない一因は

こうした「自分の生活レベルの維持が最優先」と公言してはばかからない

《ハラスメント・ゴロ》=使えない医者ばかりが増えたせいだと、確信している。

 

またまたとっちらかったけど。

とにかく、そんなわけで

なんでもかんでも「ハラスメント」と名づけ

最悪の状況に陥った被害者だけ基準にした《エセ正義》を振りかざすのは

もう、いいかげんにやめてほしい。

当たりまえのことだから、今さら文字にするのも恥ずかしいけど

苦労しなきゃ、人は成長しないんだってば!

 

ではでは、またね。