ピンチはチャンス 出てこいヒーロー・ヒロイン! 本日の”なんだかなぁ”

ここまで発作的に動くとは思わなかったが

支持率急低下にビビった「ガースー」の”逆切れ”により

検討を迫られていた東京など感染者急増地域の適用中止に加え

年末年始(仕事納め~成人の日)の、全国一斉「Gotoストップ」が決定した。

「そんなに中止中止と叫ぶのでしたら、お望み通りにいたしましょう。

となれば当然、国民のみなさんが一番移動なさる年末年始はナシですよ」

てな感じで、ピシャリと〔しっぺ返し〕。

まったくもって、”ガキのケンカ”以外のなにものでもない。

 

ただ、個人的感想を述べさせてもらえば

12月半ばを過ぎようというこの時期になってなお

各地で感染者数記録が塗り替えられている現状からすれば

彼の決断は、至極真っ当なものと言えるだろう。

これまでのパターンにならって

東京・名古屋など一部地域に限った「ストップ」に留めたところで

その効果が表れるのは(表れたとしても)最低でも、一週間以上後のこと。

本年も残すところ10日を切ってから

後出しジャンケンさながら「やっぱり年末年始は中止にします」

と〈ドタキャン決定〉をやらかそうものなら

国民や関係者の皆さんを襲った混乱は

いま世間を騒がしているレベルでは、とうてい済まなかっただろう。

 

だから、冷静かつ客観的に分析してみれば

二階グループを激怒させたという今回の〈決断〉は

必ずしも〈悪手〉と決めつけるほど、ひどいものではないはずだ。

 

なのに国民&マスコミの反応は、ほとんど〈菅は無能〉一色。

最も大きな声は、「なぜもっと早く止めなかったのだ!?」という結果論。

次に聞こえるのは、「年末年始に止めたら旅行関係者が可哀想」なる同情論。

むろん両者が真っ向から矛盾してるってことには、気づいているよね。

それとも、その時期だけは例外的にGotoを使っていたとか?

自分たちで「事態」を動かしておきながら

いざそうなると、一転して〈被害者〉を思いやる側に回る。

かくも見事にして姑息な立ち回り、いったい誰に教わったんだろう。

 

それともなにかい。

「旅行関係者ばかりえこひいきするGotoなんか、さっさと廃止して

 全職種に対して ドイツ並みの(収入の8~9割)手厚い補償を実施せよ」

とでもいうのか?

 

誰だって、そうしたいのはやまやまだ。

だが、誰もがご存知とは思うが、先立つモノがない。

現時点で日本が背負っている借金の額は、年間予算を遥かに大きく超えている。

この春から実施してきた「一時金」「持続化給付金」「Gotoキャンペーン」。

それらは、ことごとく(借金の上積み)に過ぎず

いつになるかは予測困難だが、コロナ禍が終息したのち

何らかの「新税」として、国民から搾り取るしか帳尻を合わせるすべはないのだ。

 

毎度ながら、公然の事実を並べただけの前置きになってしまったが

何を言いたいのかというと、要するに・・

いまの日本は、自分の足を食べてなんとか生き延びようとするタコと一緒。

〈Aを支えるためにはBを犠牲にせざるを得ない〉状況なのだ。

そのため、何かをひとつ決定すれば、必ず他から非難の声が噴出する。

いわば『不平不満のモグラたたき』延々プレイ続行中――といったところか。

しかもそこに、この期に及んで勢力を伸ばそうとする政治家たちの欲望が絡み合い

ひどくいびつな〈トカゲのシッポ切り〉が繰り広げられてしまうわけだ。

 

では、いったいこの未曽有の難局を、誰が背負ってくれるのか?

 

もちろん、つい先日も指摘したことだが

国民に「密の回避」を求めながら自らは特例とばかり会食を楽しむ男は

外見・内面ともに総理の器でないことは、とうに確認済み。

かといって、談合やら護送船団方式が通用していた

想定範囲内の状況でしか力を発揮できない政治屋たちの誰がトップに立とうと

「ガースー」同様、あっという間に支持率ダダ下がり。

何もできずに退場させられるハメになるのは、火を見るより明らかだ。

いや、それどころか、多少なりとも頭の回る政治家なら、冷静に状況を見極め

”いまは出る時ではない”――と、ひたすら沈黙を守っていることだろう。

 

結局、こんな〈先の見えない時代〉に、わざわざ手を挙げるのは

自分のことしか考えない『ビバ自分!野郎(女史)』か

従来の政治の〈枠外〉から登場する『シロート』ぐらいのものだろう。

むろん〈枠外〉だけに、彼(彼女)が成功するとは限らない。

それでも、従来の政治力学の中でしか物事を考えることができない

官僚の成り損ないや、権力欲の塊なんぞよりは、ずっと大きな可能性を秘めている。

 

てなわけで、無責任にも願ってしまうのだ。

追い詰められた時にこそ、人は破格の力を発揮する。

そう――ピンチはチャンス。

だから出てこい、ヒーロー(ヒロイン)!――と。

 

実際のところ

トップのひとりやふたりが入れ替わった程度で簡単に崩れるほど

戦後75年かけて築かれた〈既得権益の壁〉は

ヤワなもんじゃないけどさ・・。

 

ではでは、またね。