駅チカ教会で〈イタリアの底力〉にふれる ローマ&ナポリふたり旅 2017.1.3-1.9 6日目 

2017年1月8日(日) ローマ⇒成田(+1)

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"ステンドグラス・マニア"と呼ばれたい

いつも感じることだが

長いようで短かった今回の旅も、いよいよ最終日。

しかも15時発の便で帰国する予定なので

お昼前にテルミニ駅近くを出る空港行きのバスに乗らなければならない。

昨日のナポリ同様、実質3時間のプチ散歩がせいいっぱいだ。

てなわけで、例によって早めに起床&朝食を済ませ

まとめ買い用のお土産探しのついでに、駅周辺をぶらつくことに。

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外見はそんなに目立たないが・・

まず立ち寄ったのは、テルミニ駅を挟んだ反対側にそびえる教会

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂。

4世紀に創建されたという、ローマでも古い歴史を持つ建物のひとつだ。

そっと中に入ると、おりしも日曜朝の礼拝(ミサ)のさなか。

数人の司祭(と助祭)が祭壇上で向かい合って、祈りの歌を詠唱。

信徒席に居並ぶ地元の皆さんも、声を合わせていた。

この状態で歩きまわるのはさすがに失礼なので、

我らも末席につき、礼拝がひと段落するまで静かに待つことに。

 

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           不信心者だが、襟を正すときもある

 

今回の旅では、いくつもの個性的な教会を見て回ったが

なかでもこの教会のインパクトは、大きかった。

聖堂内部の左右の壁に沿って、数十本の巨大な石柱がずらり立ち並んでいたのだ。

どこかで見たような姿かたちだな・・.と思い、「歩き方」を開いてみると

内部の36本の柱は、古代ローマの神殿から運ばれた物だ。

の一行に目が留まった。

なるほど、2日目に立ち寄った「フォロ・ロマーノ」のお仲間だったのか。

「犬も歩けば棒に当たる」じゃないが

まったくどこに行っても国宝級の遺跡に出逢ってしまう。

他にも、創建以来何度も改築されたことで

五世紀と13世紀のモザイク、ルネッサンス後期の礼拝堂

17世紀初期バロックの礼拝堂など、様々な時代の様式が各所に混在しており

飽きることがなかった。

 

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      ミサ終了後。古代ローマの列柱が生み出す不思議な空間。

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この天蓋はいつの時代?

気に入った勢いで、入場料を払って地下の宝物殿にも足を延ばす。

細かい説明文まで読み解く根性はなかったが

見るからに由緒正し気な宗教画・像・祭礼用品などが所狭しと陳列されていた。

個人的に印象に残ったのは「スカルラッティの直筆楽譜」。

 

最初に入った教会が凄く良かったので

はす向かいに建つ小さなサンタ・プラッセーデ教会にも、失礼します。

静かな歌声が・・と思ったら、やはりミサの途中。

中が狭いせいか全てがこぢんまりしてて、庶民的な雰囲気が漂っていた。

 

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              こちらはぐっと庶民的

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         歌声が綺麗だったので、ずっとムービーを撮っていた.

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床の模様。どこかイスラム風?

 

――ここでも信徒席で呆けていたら、早くも時計の針は10時間近へ。

〈最後のローマ散歩〉はこのへんでタイムオーバー。

残りの時間は、(バラマキ)土産探しに取っておかないと。

前もって目を付けておいた

サンタ・マリア・マッジョーレ教会の後ろ向いにある

大型食料品スーパーSma(ズマ)に入り、ひととおり見て回ると・・

おっ、チョコレートが安い!!

まだクリスマス(新年)セール中なのか

両手に余るサイズの巨大板チョコが、定価の半額ほどで投げ売り?されていた。

他にも化粧箱に入った、高級ッぽいチョコが格安マーク付きで山積みに。

今回の(バラマキ)土産は(も?)、チョコレートに決定した。

 

ちなみに、ヨーロッパの物価は安い南側でも日本と同等。

アルプスの北だと、何を見ても日本より高く感じる、〈お土産地獄〉だ。

特に日用品や文房具といった「小道具系」は、圧倒的に日本が安い。

その中にあってチョコレートは、いわば《優等生》。

なので「ヨーロッパ旅行のバラマキ土産」は

ほぼ毎回、チョコレート(それもスーパーの格安品)になってしまうのだった。

※このパターンが初めて変わったのは、19年秋のトルコ旅行。

 専門店のナッツがメチャ旨かった(スーパーの品質は日本以下)ので

 次のヨーロッパではB級にこだわらず、美味しい物を探そう!

 と、意気込んだのに――ああ、新型コロナのヤツめ。

 

いや、実のない愚痴を並べてもしょうがない。

とにかく、個人用のおみやげも含め、.両手にはずっしりチョコ製品が詰まった袋。

ほくほく顔でホテルに戻り、チェックアウトの手続きにとりかかる。

宿泊料はあらかじめ旅行会社に払ったから、もちろん然無料・・と思いきや。

レセプションにいた細身にヒゲのおっちゃんは

メガネの向こうの目じりをニッと下げ、一枚の紙を差し出した。

そこには・・「滞在税 40ユーロ(もちろんイタリア語)」の文字が!!

外貨獲得のため、ローマ・フィレンツェヴェネツィアなどの宿に泊まった場合

別途「滞在税」の徴収を義務づけていたのだ(2011年から)。

とはいえ、40ユーロは日本円で5000円以上〔当時〕。い、痛すぎる。

しかも、5泊中2泊は〈空き室状態〉だったし。

旅行会社から何も聞いていなかったことも、ショックを大きくした。

※考えてみれば、このとき味わった悔しさが

 「旅行会社が用意したフリーツアーの購入」なる従来のパターンを改め

 「個人で航空券購入+ホテル予約」という

 より自由度の高い旅へと切り替えるきっかけになった気がする。

 そう思うと、むしろ感謝すべきかもしれない。

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バスの窓から。さよなら、コロッセオ

顔で笑って心で泣いて、40ユーロをホテルに支払い

テルミニ駅の側面・Gジョリッティ通りに延々と連なるバスターミナルを

同じように大荷物を抱える旅行者に混じって右往左往するも

無事11時40分発のローマ空港行きバスに乗車。

12時20分、ローマ空港に到着する。

あとは、お定まりのチェックイン~時間つぶし~搭乗手続きへ。

アリタリア空港AZ784便 ローマ1500発⇒成田1115(+1》でひとっ飛び。

翌1月9日(月)の14時半には自宅に戻ったとさ。

半日以上の飛行機暮らしはしんどいけど、早めの帰宅はやっぱりラクチンだ~。

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眼下にアルプス。何度でも撮るぞ。

ではでは、またね。