《宝箱》のような街に出逢う カッパドキア&イスタンブールの旅 2019.11.28-12.5 7日目(後編)Ara-kanふたり旅

2019年12月4日〈水〉 イスタンブール市内⇒空港⇒〈成田空港)

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フェリーから臨む 夜のモスク

すきっ腹とへたり気味の足をなだめながら歩くこと

だいたい20分(途中目に止まった店に立ち寄る余力は残っていた)。

目指すケバブ屋があるというエジプシャン・バザール脇の細い道に入ると

小さな間口の店と屋台が、左右にびっしり並んでいた。

ほとんどすべてが、なんらかの布製品を扱う衣類関係の店ばかり。

そして、狭い道を埋め尽くす地元の人・人・人。

昨日、エジプシャン・バザールをひやかしたときには全く気付かなかったが

その脇と裏手を囲むようにして、巨大な問屋街(布&衣類)が広がっていたのだ。

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我らが大好物・問屋街

マップでアタリを付けておいたケバブ屋も

そんな問屋街の中心をなすアーケードの入口に、店を開いていた。

おそらくテイクアウトがメインなのだろう。

調理場を入れてもせいぜい5~6坪ほどの狭い店舗の片隅に

申し訳程度のカウンターと丸椅子が並んでいるだけ。

道路にはみ出したテラス席?を入れても

10人までは座れない、素朴で小さな店だった。

ふたりとも、ケバブバケットで挟んだベーシックなサンドイッチ?を注文。

味付けは塩+ケチャップとシンプルだが、さすがに肉は新鮮だ。

あっという間にたいらげてしまった。

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地元の人気店(ケバブ

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狭~いカウンターで、いただきます

で、せっかく見つけた問屋街。

そのまま衣類の店が延々と連なるアーケードを見て回った。

シャツ、トレーナー、ジャケット、ジーンズ、デイバッグ、スカーフなどなど

どの店も格安を謳っていたものの

残念ながら、お値段自体は日本よりいくぶん高め。

孫たちに似合いそうなTシャツも見つけたが、結局見送ってしまった。

相方は「レースのタオルが安い」と、購入することに。

”まとめて買うからディスカウントできないか”と店主に頼んだが

きっぱりと首を横に振られてしまう。

あくまで地元の人が利用する店だから、底値で提供しているようだった。

結局、当初の予定通りの枚数を買い求め、問屋街を後にした。

 

時刻は、15時半をちょっと過ぎたあたり。

ホテルに迎えの車がくる予定時刻は21時だったから

夕食時間を考慮に入れても、まだ5時間近く自由に動ける計算だった。

それなら最後に、まだ行ったことのない場所を見に行こう!

というわけで、「歩き方」で調べて気になっていた

アジア側の交通の拠点となっている、「カドゥキョイ」を目指すことに。

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一周30分あるかないかの”ミニ山手線”

すっかりお馴染みになったエミノミュふ頭まで歩き

そこからフェリーに乗ってボスポラス海峡をアジア側へと渡ること、およそ30分。

イスタンブールより長い歴史を持つという街・カドゥキョイのふ頭に到着した。

まずは町のシンボルとも言える〈ミニ山手線〉トラムで、ぐるりと一周。

途中、目に入った市場ッぽい賑わいが気になったので

ふ頭前のバスターミナルから、鮮魚などを扱う活気ある市場へ。

さらに奥へ奥へと足を伸ばしていくと・・

なんとも居心地の良さそうな、レストラン&商店街を発見!

先日入った音楽隊付き居酒屋街のような〈観光地モード〉ではなく

明らかに地元在住の人向けの、くつろいだ雰囲気。

――ああ、ここで夕飯を食べたかった!

と、後悔するも、後の祭り。

今夜の送迎を考えると、ここでゆっくりディナーを楽しむのは

ちょっとリスクが高すぎる。

結局、《次回はカドキョイのホテルに泊まろう》と決意するしかなかった。

 

それでも、時間が許す限り、この地元に密着した街を歩き

雰囲気のいいアンティークショップ、チョコレート店、ナッツ店など次々と発見。

それぞれの店で、納得のいく買い物を楽しむことができた。

アンティークショップでは、格安のコースターとアロマキャンドル

チョコレート店は、MELODiという小ぎれいな"街のお菓子屋さん"。

様々なナッツが中に入った粒々チョコの缶入り(手のひら大)が秀逸だった。

〈ナッツがメチャ旨! 2箱購入したが、もっと買っとけば・・と後悔しきり〉

極めつけは、Brezilya KURUKAHVEというナッツ専門店。

おそらく年下だとは思うけれど、見事に禿げ上がった丸々とした店主が

自信たっぷりの笑顔で試食させてくれたナッツが

「ネヴシェヒルの店」と甲乙つけがたいほどの美味しさ!

荷物になりそう・・と思いつつ、合わせて7~800グラムほど買い込んでしまう。

(あの味を思い出すと、またもや涎が・・パブロフドッグ再び)

そして、心に誓ったのだった。

”今後、海外でナッツを買う時は、地元の人々で賑わう専門店を選ぼう!”

(サヨナラを言おうとすると、店主は一冊のノートを取り出して得意げに見せた。

 そこには、「私は日本語を勉強しています」という文字が。

 ホント、トルコの人は日本が大好きなのだ)

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さよならカドキョイ、また来るぞ

最期の最後に、これ以上なく〈居心地のいい街〉を発見。

今回の旅で、最も充実した買い物ができた。

ホクホク気分で、帰りのフェリーに乗り、再びエミノミュふ頭へ。

ここで19時過ぎ。

まだちょっと、余裕がある!

旅を惜しむ気持ちから、反対方向のトラムに飛び乗り

ボスポラス海峡を横断するガラタ橋を、アジア側へと渡った。

(結局ガラタ橋を通った&訪れたのは、この一瞬だけ)

辺りを眺め、余韻に浸る間もなく、ヨーロッパ側へと戻るトラムが入線。

すかさず乗り込み、再度ガラタ橋を渡り、スルタンアフメット駅で下車した。

前もって位置を調べておいたIstanbul Kebab Cafe & Restaurantに入り、夕食をとる。

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ネットで人気のお店だったけど・・

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味と値段は、文句なし

早めの時間だったせいかガラガラの客席と

妙になれなれしい店員の態度にんんん?と思ったものの

ネットでトップクラスの人気店だけあり、味は確か。

値段も手ごろだった。

おまけにスープ(前菜)とパイの蜂蜜漬け(デザート)は、無料サービス。

なるほど、若い旅人たちの評判がいいわけだ。

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往生際悪く、トラムを一枚

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             ああ、帰りたくない・・


ここでお茶を楽しみつつのんびり過ごし、店を出たのは20時半過ぎ。

最後にもいちど大通りのコスメショップで、買い物納め。

ホテルに戻ったのは、集合時間21時の5分前というギリギリぶり。

すでに送迎の車&若者がロビーで待っていたので

すぐさま預けておいた荷物を受け取り、空港へと直行。

残るは、毎度の手続きを済ませるだけ。

イスタンブール0155発ターキッシュエアTK54便に乗り込み

翌日1940成田へと、何事もなく到着したのだった。

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何度でも撮る「朝焼けショット」

尻尾の先までギュッとアンコの詰まったタイヤキのように

ムダなく充実していた、カッパドキアイスタンブール旅2019。

これに味を占め、「3年以内に再訪してカドキョイに滞在しよう」と決意したものの

新型コロナによって、すべての予定をリセットせざるを得なくなるとは・・。

再び、自由に世界を歩きまわれるその日まで

せめて旅の記憶を反芻することで、心を慰めるしかないのだ。

 

てなわけで、今後も懲りずに〔思い出し旅行〕を書き連ねていきたい。

次回は、ちょっと古いけど

2017年1月のローマ&ナポリの旅(7日間)にしようかな。

 

ではでは、またね。