2019年12月4日(水)
盛りだくさんだったトルコの旅も、いよいよ最終日。
この日(正確には翌日)夜半過ぎの便で、サヨナラする予定だ。
あいにく昨日に続いての曇り&小雨模様だったが
まだイスタンブールのごく一部しか、訪れていない。
早めに朝食を済ませ、気合を入れて表通りへ。
この日、最初に向かったのは
ホテルから300mほどしか離れていない、できたてほやほやの「遺跡」。
2日前の夜、空港からホテルまで送ってくれたガイドさんが
「近くに穴場があるから、ぜひ寄ってみるといいよ」と教えてくれたところだ。
外見は、全面ガラス張りのギャラリーのよう。
中には受付カウンターがぽつんと設置されており、ほかは空っぽ。
それもそのはず、遺跡の本体は「地下」にあるからだ。
受付の前を通り過ぎ(無料!)、ビルの3階分ほどもある長い階段を降りていくと
足元に広がるのは・・林立する多数の白い柱。
実は、「SEREFIYE CISTERE」と命名された、いわゆる「地下宮殿」。
まだ整備されたばかりのため、現在は入場料を取らずに公開しているという
我らの大好きな〈期間限定の無料博物館〉なのだ。
「タダ」と聞いていたから、さほど期待せずに寄ってみたのだが
予想をはるかに超える荘厳さに、ちょっと感動。
何かとのコラボなのか、歴史ものの絨毯も展示されていて
それがまた、いい味?を出していた。
ローマなどと同様、きっとこの街の至る所に
こういった国宝級の遺跡が埋まっているのだろう。
溜め息をつきながら、地下宮殿を後にする。
が、この日の”博物館めぐり”は、スタートしたばかり。
昨日購入した「ミュージアムパス」のモトを取るためにも(セコい!〉
頑張ってあちこち回らねばならないのだ。
てなわけで、ブルーモスクとアヤソフィアを右手に眺めながら
小雨の街を歩くこと、およそ15分。
早くも本日の”ラスボス”、トプカプ宮殿の前へ。
さすがはイスタンブールを代表する名所のひとつだけに
朝からかなりの数の観光客が詰めかけていた。
幸い「パス」のおかげでチケット売り場に並ぶ必要はなく、そのまま送迎門を潜る。
で、一歩中に入ると、そこいらじゅうが「オスマン!」。
決してふざけているわけではない。
オスマン朝の支配者の居城として400年の間、政治や文化の中心だった場所なのだ。
謁見の間、スルタンの私室、ハレム、そして宝物館。
400✖250メートルほどの長方形の敷地に
華麗なモザイク模様に彩られた建築物が、ぎゅっと詰まっている。
歴史的な価値などは、凄すぎて理解の範囲を越えていた部分も多かったが
壁と天井のモザイクに心を奪われ、写真ばかり撮っていた。
そして、数ある建物の中でも、最も多数の観光客でごったがえしていた場所が
財宝や衣装などを集めて展示してあった「宝物館」。
他と違って、ここだけは「撮影禁止」の表示が張り出されており
各部屋に監視員が配置されている、という厳重警備ぶり。
無理もない、ガラス越しとはいえ目と鼻の先に
「スプーン屋のダイヤモンド(49個のダイヤに囲まれた86カラットのダイヤ)」
「世界最大のエメラルド(重さ3キロ)」などが、並んでいるのだから。
それだけに、撮影禁止の注意書きもなんのその。
女性の方々を中心に、係員の監視をすり抜け、スマホで盗み録りする人が続出。
うーん、こりゃ仕方ないよね。
んで、直接拝見した実感は・・(大きすぎて)本物とは思えない。
この一言に尽きてしまうのが、哀しい。
てなわけで、2時間近くに及ぶ「モザイク&宝物」のオンパレードで
早くも息切れを覚え始めた、Ara-kanふたり。
しかし、”本日の博物館ツアー”は、まだ終わりじゃない。
そのままヨロヨロと坂道を登り、隣の「イスタンブール考古学博物館」に入場。
最初に付属(!)の「古代東方博物館」に入ったが
いきなりエジプト(フォラオ)の棺&臓器ポットに迎えられたり
ヒッタイトの碑文が無造作に置いてあったりと
古代歴史好きには信じられないような豪華展示物の数々に圧倒される。
なかでも、バビロンのイシュタール門の彩色レリーフが
触り放題(要するにただの壁)の状態で展示されていたのには、驚いてしまった。
(もちろん、あのライオン像の感触はしっかり体験)
ほんとにもう、どれだけ山ほど遺跡があるんだ、トルコ!?
この時点で、身も心もかなりヘタってきた。
だが、まだ本館(旧館✚新館)が、丸々残っている。
痛み始めた足をなだめながら
紀元前5世紀から始まる「石棺の森」へと、分け入っていく。
各所に設置されたベンチで休みつつ観て回ったが
アレキサンダー大王の石棺(と伝えられている)のあたりで
・・このへんでやめとこうか。
の気分になってしまい、新館に入る前にギブアップ。
それでも、向かい側に建つ「装飾タイル美術館」の表示に目が止まり
フラフラと館内へ。
結局、さらに30分ほど歩きまわり
気が済むころには、足の裏がつっぱるような痛みに襲われていた。
(博物館の床は堅い石造りのため、歩くだけでダメージが蓄積されるのだ)
――もう、博物館は充分。
同じく疲れた表情の相方とも意見が一致し
〈ミュージアムパス活用タイム〉は、これにて終了。
時刻も1時半を過ぎ、お腹もペコペコだった。
そういえば、まだシシカバブを食べてなかったよね。
さっそく、スマホのマップを起動。
歩いて行ける範囲にある人気シシカバブ店を調べてみると
初日に訪れたエジプシャンバザールの裏手に一軒、見つかった。
よし、お昼はここでシシカバブだ!
1キロ以上北西にあるランチポイントめざし
当然のようにタクシーなどは使わず
疲れた足をはげましつつ、トコトコ歩いていくのだった。
ではでは、またね。