ルアンパバーンで暮らしたい ラオス(&ハノイ)ふたり旅 2018.11.27-12.4 4日目(その3)

2018年11月30日(金) バンビエン⇒ルアンパバーン

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     レッド・チャペルの寝仏。ワット・シェントーンの"推し神"。

前回も書いたが、丸1日滞在が少なくなってしまったので

荷物の整理もそこそこに、ルアンパバーン旧市街(中心部)へと繰り出した。

時刻は、すでに3時半近く。

とりあえず、街のシンボルと呼ばれる寺院ワット・シェントーンを目指し

どこか途中で、軽めの昼食をいだくことに。

 

宿から石段を下りた正面を東西に延びる、メコン川沿いの道を東へ。

素朴ながらオシャレな店や、午後まで開いている市場通り

ルアンパバーン国立博物館の建物(旧王朝)や、至る所にあるお寺を眺めながら

ぷらぷら歩くこと、十数分。

前もってネットでチェックしておいた店、Han Aileyに到着する。

カオ・ソーイ(麺類)で人気、という紹介だったが

昔の日本の駄菓子屋(よろず屋)みたいな

今でも沖縄あたりで見かける、古びた木造家屋の平屋建て。

3~4面の丸テーブルが、店内だか店先だか判然としないスペースに並んでいたが

中途半端な時間だったせいか、お客はひとりもいない。

それでも、店の奥に声をかけると、小柄なおばさんがすっと現れ

穏やかな笑顔で営業中だと教えてくれた。

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                           強烈な懐かしさを感じた「カオ・ソーイ」の店

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          店先では"看板ワンコ"も待っている

 

さっそく通りに面した一番眺めのいい席に座り、カオ・ソーイを注文する。

辛味噌をのせた、担々麺風のきしめん」とガイドブックには書いてあったが

実際に食べたてみたら、思ったほど辛さは感じなかった。

それよりも、この店の特色なのか、ライムっぽい柑橘系果実の香りが強く

暑い時期にはうってつけの、さわやかな食感が印象に残っている。

うどんとも、きしめんとも、ラーメンともいえない、不思議な味だったけど

とても食べやすく、ふたりともぺろり平らげてしまった。

 

お腹を黙らせた後は、いよいよワット・シェントーンへ。

カオ・ソーイの店から東へ70~80メートル歩くと、そこが入口だった。

チケット売り場で入場券20000Kipを払って、境内へと足を踏み入れる。

ここに入場できるのは、朝の6時から夕方18時まで。

残り2時間を切っているのににもったいない、と感じるかもしれないが

実は連続する2日間使用可能というスグレモノ。

一度きりで終わらせず、明日の朝も訪ねて、しっかり元を取るつもりだった。

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             夕陽に映えるワット・シェントーン

 

さすがは世界遺産ルアンパバーンのシンボルだけあって、美しい。

本堂のすぐれたデザインはもちろん、壁のモザイク画の素朴なヘタウマぶりやら

一本一本の柱にまで緻密に描き出された神々の姿など、見飽きることがない。

そのくせ、撮影禁止とかDON'T TOUCHとか、神経質な注文はほとんど見当たらず

好きなように写真を撮ったり、触ったり、本堂でくつろいだりできる。

時間帯も良かったらしく、夕焼け空に浮かぶ本堂のシルエットや

夕日に映える色とりどりのモザイクなど、心ゆくまで眺めることができた。

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             微妙に色合いが違う塔?のタイル

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           ヘタウマ(失礼)モザイク画も魅力的

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          こちらが、ご本尊(ちょっぴりユルキャラ風)

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          地味だけどこちらの壁画?が、マイベスト

 

入場者の数も、多すぎず少なすぎずと、ちょうどいい塩梅。

列を作って待ったり、人の頭越しに背伸びせず

好きなときに好きなところを、見たり入ったりできる。

いっぽうで、綺麗なモザイクに喜ぶ声や、家族で記念写真を撮る微笑ましい風景を

こっそり覗き見(聞き)するのも、けっこう捨てがたいのだ。

 

でもって、改めて気づいたのだが・・・

やっぱりここも、韓国人と中国人が多い。

ひょっとして日本人かな? と思って、さりげなく近づいていくと

聞こえてくる言葉は、韓国語か中国語のどちらか。

なかでも中国からの団体旅行客が、過半数を占めていた。

両国とも、ダム・道路・鉄道・工業団地など

援助がらみの大規模なプロジェクトを積極的に行なっており

同時に、人気の観光地として注目され沢山の人が行き来しているのだろう。

日本の場合、どうも「援助」と「観光」が両立していない印象が強い。

もっと官民協力してキャンペーンでもやってくれれば

ラオスルアンパバーン)人気も、一気に盛り上がるのに。

街なかで中国語や韓国語で書かれた看板(パネル)を見るたび

無性に悔しい気持ちになるのだった。

※26時間ぐらいルアンパバーンに滞在していたが、確実に日本人だと分かったのは

 10名足らずの団体ひと組のみ。個人旅行者なら何人もいたと思うけど・・

 

ともあれ、ワット・シェントーンのなかを行ったり来たりしているうちに

陽射しはどんどん傾き、気がつけば夕闇が忍び寄っていた。

明日また来よう、と相方に声をかけ、南側の出入り口から外へ。

ポツリポツリと明りが灯る、町一番の繁華街「サッカリン通り」を散策する。

暗くなったからといって、けばけばしいネオンは、ほとんど目に入らず

圧倒的多数が裸電球の目に染みるようなオレンジ色ばかりだ。

レストランや工芸品、土産物の店が軒を連ね

通りは、世界中から来た観光客で賑わっているはずなのに

不思議なほど、静かでしっとりした風情が漂っている。

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          迫る夕暮れ。穏やかな灯り。静かな街。

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           民家をリノベしたらしきショップ

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        その壁にも、ドーマンセーマン(セーマンドーマン)

 

もう聞き(読み)飽きたとは思うけど

ほんとラオスって、"落ち着ける国"なんだよなぁ。

くそー、次はもっと長期間滞在してやるぞ!

 

自由に行けなくなって初めて気づく、海外旅行のありがたさ。

 

ではでは、またね。