モスクは「観光地」ではなく”祈りの場” カッパドキア&イスタンブールの旅 2019.11.28-12.5 5日目(後編)Ara-kanふたり旅

2019年12月2日(金) イスタンブール市内

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この旅いちばんのモスク

ガラタ橋たもとのすぐ東にあるエミノニュ駅からトラムに飛び乗り

13駅先のトプカプ駅でT4線に乗り換え。

3駅目のエディルネカプ駅で降りて、出口から見上げると

目の前を延々と横切るテオドシウスの城壁ごしに

ブルーモスクよりふたまわりほど小さい建物が、たたずんでした。

ミフリマー・スルタン・ジャーミイ。

1565年、スレイマン大帝の娘ミフリマー・スルタンに捧げるために造った

と伝えられているモスク。

つい最近、11年に及ぶ修復を経て公開され

ステンドグラスが美しいことで、知る人ぞ知るイスタンブールの名所だ。

 

幸い、太陽はまだ地平線から20~30度ほどの高さで頑張ってくれていた。

これなら、陽射しを浴びたステンドグラスが鑑賞できそうだ。

ところどころ崩れてガレキになっているテオドシウスの城壁を越えて

ミフリマー・スルタン・ジャーミーの裏手へと登り

ぐるっと大回りして、出入りする人のほとんどいないモスクのなかへ・・。

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外観はそっけないけど・・

明るい。

それが、第一印象だった。

白い壁と、白い天井。

やさしい色合いのステンドグラスからこぼれる、パステルカラーの光。

赤いじゅうたんを敷き詰めた広い床にひざまずき

一心に祈りを捧げる男性が、ひとり、ふたり。

アーバスが立ち寄る観光地とはまったく異なる、”祈りの場”が

静けさのなかに、広がっていた。

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また天井を見上げてしまう

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物音ひとつない、祈りの場

あいにく、神様なるものを信じない不心得者ゆえ

参拝者の方々を真似て礼拝するのはかえって失礼というもの。

なるべく邪魔にならぬよう、壁にもたれて座り込み

ただただ、ぼーっと、時を過ごしていた。

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同じような写真を何枚撮ったか・・

ステンドグラスから漏れる陽射しが衰えたころ

よっこらしょっと立ち上がり、ミフリマー・スルタン・ジャーミイを後に。

1時間ほど前に降りた駅まで戻り

逆方向のトラムに乗って、ふたたび市街地を目指す。

「行き」より5駅手前のベズヤット・カパチュルシュ駅で降りて

すぐ北側に幾つもの入口を開けている、グランド・バザールに足を踏み入れた。

 

小さな店が無数に集まる、中近東ならではの屋根付きの巨大市場。

中近東最大級と言われるだけに、どこまで行っても店また店。

昼間訪れたエジプシャン・バザールに比べ、全体的に古く薄暗く感じる。

通路も迷路のように入り組んでいて

ときどきどっちに向かっているのか分からなくなる。

前後左右から盛んに呼び込みの声がかかるが

ちょっとすさんだ雰囲気が気になった。

小一時間ほど、あちこち見て回り

様々なフルーツをベースにしたお茶の専門店では

勧められるまま数種類のお茶を試飲させてもらったのだが

試しに値段を聞くと・・・た、高い!

予想をヒト桁ほど上回る、超高級品だった。

買う気がないと分った瞬間、無表情になる店員から逃げるように店を出た。

 

結局、いちども財布を開けることなく

グランド・バザール体験は終了。

今回の旅で「食べ比べる」つもりだったナッツ専門店も見かけたが

明らかに〈ネヴシェヒルの店〉に比べると低レベル。

試し買いをする気にもなれなかった。

 

東側にある門のひとつから外に出ると、あたりは真っ暗。

歩き詰めでお腹も空いてきたので、歩いて行ける範囲でレストランを探す。

グーグルマップとにらめっこしながら、あちこちさ迷ったすえ

手頃な食堂が立ち並ぶ通りで店を開いていた

Buhara Ocakbasi Restaurantに入る。

おなじみ野菜サラダ+ワインをベースに

長い串に刺した肉をヤキトリのように焼いた、チョップ・シン。

薄い生地のトルコ風ピザ、エトリ・エキメッキを注文する。

どれもおいしく、口に合う。

ただし、一皿の量が多めなのがちょっと残念。

毎回食べ終わったとき、デザートを食べる余地がなくなってしまうのだ。

(今回のトルコ旅行でいちばん食べ損ねたのは、デザート類)

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トルコ料理はレベル高し!

ともあれ、すっかり満足してレストランを出る。

時間を確かめると、まだ20時前。

そのままホテルに直帰するのはもったいなかったので

旅行前に調べておいた「人気ナンバーワン・レストラン」を下見しようと

ホテルを通り過ぎ、その先の下町エリアまで足を伸ばすことに。

すると、お目当てだったレストランは、なぜかガラガラ。

翌日の夕食候補だったので少々ガッカリしつつ、さらに散策すると

下町エリアだからなのか、お菓子屋さんの店先に置いてある品々がメチャ安い。

「これだけ安かったらダメもとでも後悔しないよね」

相方とも意見が一致し、激安の「お茶」と「お菓子」を大人買いしてしまう。

またスーパーで昨夜と同じビールを買ったら、120トルコリラ

3分の2のお値段だった。

 

両手に戦利品を抱え、今度こそホテル目指して歩いていると

突然、やたら明るく活気のあるエリアを発見。

道路にはみ出したテラス席では、生バントの演奏もあって大賑わい。

居酒屋っぽい飲食店が何軒も集まり、ちょっとした歓楽街を作り上げていたのだ。

――よし、明日の晩飯はここにしよう!

Ara-kanふたりの意見が、ピタリと一致した。

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ホテル入口のニャン

ではでは、またね。