ブルーモスクでウットリのちパニック カッパドキア&イスタンブールの旅 2019.11.28-12.5 5日目(前編) Ara-kanふたり旅

2019年12月2日(月) イスタンブール市内

f:id:utatane-do:20210102192435j:plain

天井ばかり見上げて首が痛くなった(おかげでエライめに・・)

広々とした1階フロアに降り

ひととおり揃っているビュッフェ形式の朝食をいただく。

味に関しては特に記憶に残っていないので、それなりだったと思うが

地下に遺跡があり、しっかり照明も当たっていた。

遺跡を見下ろせる席で、朝ごはんを食べる。

 

午前9時半、歩いてホテルを出発。

1キロほど東にある、スルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)に向かう。

思ったより坂道が多く、町の雰囲気はリスボンに近いものを感じる。

地図アプリで近道を見つけたつもりが、結局遠回りになるという

毎度おなじみの右往左往をへて、細い尖塔がそびえるブルーモスク前の広場に出る。

たぶんエジプトから分捕って来たオベリスクが中央に立ち

足元にはいかつい装甲車と、マシンガンを構えた兵士の姿が。

欧米の観光地で、すっかりお馴染みになってしまったテロ対策(予防)体制だ。

f:id:utatane-do:20210102192609j:plain

戦利品?のオベリスク

f:id:utatane-do:20210102192659j:plain

             今日もよろしくお願いします

そんな広場を回り込むようにしてモスクへ近づき

朝いちばんにも関わらず、すでに観光客で混雑し始めていた入口へ。

脱いだ靴の入った袋を片手に、相方は髪をショールで覆って、足を踏み入れた。

瞬間、空気が変わった。

斜めに降り注ぐ朝の光で、薄く靄がかかったようなモスクの内側。

その床と天井に、イスラム幾何学模様が星のように映る。

あいにく改装工事中で、ところどころ見通しの効かないところもあったが

さすがの迫力としか、言いようがない。

f:id:utatane-do:20210102192923j:plain

少しずつ〈幾何学模様中毒〉になっていく

広い内部を右往左往し、立ったり座ったりを繰り返したり

ぼーっと、天井を見上げること2~30分。

ふと気が付くと、ポケットに入れておいたはずのスマホが・・ない!

 

うっかり落としてしまったのか、それとも盗まれたのか。

なにはともあれ誰かに助けを求めようと

出入口の小屋にいた係員に、スマホを失くしたことを伝える。

スマホと、それを入れたケースの特徴を告げると

彼は、にやっと笑って、どこかで見たような色と形のケースを取り出した。

・・誰かが拾って、届けておいてくれたのだった。

見上げてばかりいたので、ポケットから転げ落ちてしまったのだろう。

次からは必ず内ポケットに収めるよう、心掛けないと。

それにしても、悪運強し。

いやいや、アラーの思し召しだろう。

なんだか得した気分で、ブルーモスクを後にする。

f:id:utatane-do:20210102193116j:plain

キミは明日のお楽しみ・・

市内観光のセオリーに従えば

次は500メートルほど北東にあるアヤソフィアを目指すべきだったが

あいにく本日は月曜。休館だった。

なので、アヤソフィアは明日の楽しみにとっておき

トラムが走る大通りにそって、ガラタ橋方向へトコトコ。

その手前にある、ボスポラス海峡に面したふ頭から

ショートクルーズの船に乗ることに。

 

およそ1時間かけて水上からボスポラス海峡の見どころを巡る

最もポピュラーな「ボスポラス海峡クルーズ」だ。

ほぼ1時間に一本のペースで運行しており

我らが乗り込んだ時は、出発まで20分以上あった。

おかげでベンチを並べたような座席は半分以上空いていたが

なぜか、ほとんどの乗客が進行方向左側の席に座っており、右側はガラガラ。

なんでこんなに偏ってるのか?

と、一瞬いぶかしく思ったものの、それ以上考えず

眺めの良い右側舷側のベンチに腰掛ける。

f:id:utatane-do:20210102193357j:plain

陽射しは熱く、風は冷たい

右側の席も徐々に埋まりはじめ、時間が来たのか鐘が鳴って出航。

いったんバックで桟橋を離れたクルーズ船は、

海峡を黒海(北東)方面へ向けて滑り出していく。

・・ようやくここで、気が付いた。

なぜ、進行方向左側ばかりに先客が坐っていたのか。

おそらくボスポラス海峡を運行するときの決まりなのだろう

クルーズ船は「左側通行」を守って進むので

進行方向左側に座った方が陸地が近く、より眺めがよいのだった。

(ガイド本やネットで「左側がGood!」との情報が広まっていたのだろう)

とはいえ、天気は快晴(風はちょっと寒かったけど)。

真っ青な空と海の間をすべるように進むクルーズ船のなか

デジカメとスマホを持ち換えて、夢中でシャッターを切っていた。

f:id:utatane-do:20210102193459j:plain

この"なんにもない感"が最高

小一時間のクルーズを終え船を下りたのは、ちょうどお昼どき。

すぐ近くのエミノニュふ頭に移動し、名物の「サバサンド」をいただくことに。

どこかヒンドゥー教を連想させるハデハデの屋台船で焼いたサバを

トマト・玉ねぎと一緒にパン(バゲット)に挟んだだけの、シンブルな一品だ。

感想は――正直、いまいち。

明らかに冷凍とわかるサバは、小さくパサついており

日本のスーパーで一枚100円で売ってる格安モノと同じ味だった。

全体のサイズもコンパクトで、一人一枚だと物足りず

同じ広場で売っていた、屋台の焼き栗にもチャレンジした。

(これも味付けなし。素朴と言えば素朴だったけど・・)

f:id:utatane-do:20210102193558j:plain

寡黙な焼き栗オジサン

ともあれ、腹は満たせた。

そこで、大通りの向かい側にある観光市場エジプシャン・バザールに入ってみた。

有名な「グランド・バザール」のリニューアル版ともいえる商店街で

昨夜、空港からホテルまで送ってくれたガイドさんが

「エジプシャン・バザールの方が品質が良く値段も良心的だ」と言ってたので

どんな感じか、確かめようと思ったのだった。

f:id:utatane-do:20210102193700j:plain

見るだけだったエジプシャン・バザール

確かに、高いアーチ屋根の下に連なる店は、みなスマートで小綺麗。

「バザール」という言葉から連想する”うさんくささ”など、どこにもない。

大きな袋に入ったまま店先に並べられたスパイスやナッツ

金銀宝石類でまばゆい貴金属店などを見て回る。

結局、財布を開いたのは、地元客でにぎわうナッツ専門店で

〈ネヴシェヒルの店と食べ比べよう〉と購入したナッツ200グラムだけだった。

f:id:utatane-do:20210102193748j:plain

一番人気のナッツ店。でも、ネヴシェヒルの勝ち!

ほぼウィンドウショッピングだけだったが、ぐるり歩くだけで時間は経過。

エジプシャン・バザールを出たのは、15時過ぎだった。

ここで、ハッと思い出す。

誰か(女性作家)が「イスタンブールに来た時は必ず訪ねる」と書いたモスク。

”ステンドグラスが美しいモスクで、とくに夕日が差し込む時間帯が最高”

の情報から、「それじゃあ夕方の日没前に行ってみよう」

と、事前に最寄りのトラム駅まで調べておいたのだ。

なのに今は12月のはじめ。一年で最も昼間が短い時期だった。

・・まずい。せっかくのいい天気なのに、うかうかしてると日が沈んじまう!

 

てなわけで、のんびりモードから二段ほどギアを切り替え

おりしも目の前のエミノニュ駅に滑り込んできたトラムに乗るべく

あわてて走り出した、Ara‐kanふたりだった。

 

ではでは、またね。