2020年11月25日(水)
キミに会いにきたよ
まる1日回っただけだが、予想以上に京都を楽しめたので
この日は、奈良方面に足を伸ばすことにした。
交通費は1000円ポッキリ。
「近鉄1dayおでかけキップ」という、強い味方に背中を押され
朝8時半過ぎに、京都駅を出発。
追加料金不要の急行に揺られ、およそ45分後、近鉄奈良駅に到着した。
天気は、あいにくの薄曇り。
それでも、雨の心配はせずに済みそうなのが、有難い。
駅から続く広い上り坂の道(その名も登大路》を、奈良公園に向かって歩く。
すると、すぐ左手の緑地内に、草をはむシカたちを発見。
前方の道端では、鹿せんべいの屋台が店開き。
京都では絶えて見なかった修学旅行中とおぼしき学生服姿の子供たちが
ワイワイ騒ぎながら、群がるシカたちにせんべいを奪われていた。
右手には、興福寺(あの阿修羅展が開催中)。
行く手には、東大寺(言わずと知れた廬舎那仏)。
しかし我らが目指すのは、奈良公園を南に抜けた先にある「朝食スポット」。
昨日同様、喫茶店のモーニングサービスを食べに来たのだ。
いつかまた、お会いしましょう
散りかけた紅葉を踏みしめ
人よりもシカの数のほうが遥かに多い開放的な公園内を
マスクを外し、深く息を吸い込みながら、のっしのっしと歩いていく。
やはり、我らAra-kanにとっては、これがいちばんのごちそうだ。
例によってグーグルマップを道案内に、南東方向へ進むこと、およそ20分。
古民家をリノベーションした「カフェZuccu」に到着。
いかにも若い人たちが好みそうな、手作り感溢れるレトロなお店だ。
普段であれば、この手のオシャレな店に入ることはまずないが
旅の恥はかき捨て。エイヤッと、足を踏み入れる。
ハンパない”くつろぎ感”が待っていた
・・いやー。なんて居心地のいいところだろう。
気遣いの必要などこれっぼっちもない
ちょっとリッチな親戚の実家に招かれているよう
いつまでも居坐りたくなる。
先の予定が詰まっていなかったら
このまま2時間ほど沈没していたんじゃないかな。
サラダ・トースト・コーヒーというオーソドックスなモーニングセットも
それぞれしっかり手がかかっており、美味しくいただけた。
トイレへの廊下にも、こんなシカが・・
テーブルの上に、何か乗ってるぞ
「コップのフチ子さん」ならぬ「予約のリザーブ子さん」だったりして
いけない。うかうかしてるとお昼になってしまう。
重い腰を上げ、来た道とは別ルートで奈良駅へと戻っていく。
途中、道を横断するシカの群れに遭遇した。
インドで出逢った牛を思い出させる主役感を漂わせ
我々の前後をスイスイすり抜けていく。
日本国内でこんな身近に野生?動物と接近遭遇できる場所は
そうそうないんじゃないかな。
正直、これだけでも奈良まで足を伸ばした甲斐があった。
ただいま横断中
お尻たちが、かわいい
結局、東大寺には立ち寄らず
近鉄奈良駅を昼過ぎに出る電車に乗り、大和八木まで南下。
そこで乗り換え、5つ先の駅・長谷寺で降りる。
ネットのニュースで「ここの紅葉が凄い!」という情報に飛びついた形だが
実際のところ、すでにこのあたりの紅葉は終わりかけ。
駅周辺の紅葉もすっかり葉を落としており
「やっぱり"オオカミ少年"だったな」と、溜め息をつく。
それでも長谷寺には、ある種の思い入れがあった。
相方と結婚して間もない35~6年ほど前
名古屋から近鉄を乗り継ぎ、室生寺・長谷寺と訪ね歩いていたのだ。
以来、あまりにもいろんな所を旅してきたので
今となっては、やたら暑かった(夏場だったことは間違いない)ことと
登廊(のぼりろう)の階段が延々続いており
本堂に辿り着くまで一苦労だったことぐらいしか、覚えていない。
それ以来2度目の、たぶん最後になるだろう長谷寺訪問だ。
駅に置いてあった案内地図を手に、およそ20分かけ、参道を歩いていく。
ここもコロナの影響か、ガラス戸を閉ざした店が目につく。
ようやく門前の100メートルほど前から、営業中の店が目立つようになった。
どの店の入口にも、「Gotoクーポン使えます」のステッカーが。
あちこちで諸悪の根源のように言われているが
地方の観光地をギリギリのところで支えている状況が、ひしひしと伝わってくる。
仁王門で入場料を払い、30数年前と変わらぬ、長い長い登廊の階段を登る。
2回ほど道を折れ、やはり見覚えのある本堂へ。
どこかに置き忘れていた記憶が、次々と蘇ってくる。
・・清水寺みたいな舞台があって、それが前に行くほど下り坂だったっけ。
うっかりする落っこちそうで、ちょっと不安になったんだよな。とか。
名残りのモミジ
1週間、遅かったね
「さいしでもって、予想した通り、紅葉はほぼ終了。
所々で赤色が残ってはいるが、おおむね葉を落としたはげ山状態だった。
ここにきて、ようやく「ネットニュース」の紅葉情報が
PR以外の何物でもないことを痛感する。
そうだよ。ホントに紅葉真っ盛りだったら、わざわざニュースで宣伝しなくても
観光客のほうがどんどん押し寄せてくるものだ。
盛りが過ぎて、「そろそろ心もとない」という状態だからこそ
最後のひと稼ぎ!とばかりに、PR活動に乗り出すんじゃないのか。
Ara-kanをとうに過ぎて、やっとこさ〈ネットニュース情報のからくり〉に気づいた
ピント外れな旅人ふたりであった。
★Ara-kan旅メモ/京都Ⅴ★
ネットニュースの「最新情報」を、盲信しないこと。
限りなくヤラセに近い〈盛り情報〉の可能性大、なのだから。
――なーんて偉そうに書いてるくせに
夜もまた〈ネットニュース〉に、コロッと騙されちゃったりして。
ではでは、またね。