「聖地巡礼」の魅力に開眼 鎌倉ふたり旅 2022.4.17-18 2日目(2) 海蔵寺~江ノ電鎌倉駅~稲村ケ崎~極楽寺~腰越~長谷etc

2022年4月18日(月)海蔵寺江ノ電鎌倉駅稲村ケ崎極楽寺⇒鎌倉高校前⇒腰越⇒七里ガ浜⇒長谷⇒鎌倉駅

             一輪の花に、ハッとできる喜び。

 

夢見心地で海蔵寺の境内にたたずむこと、しばし。

ウグイスの歌声が響き渡る「十六ノ井」にも、足を運ぶ。

こちらは一応拝観料百円となっているが、いったん寺を出た住宅街の中にあるので

門内の料金箱に気づかなければ、有料ということにも気づかないだろう。

なんとも大らかな営業方針?である。

 

あんまり気分がいいもので、まっすぐ鎌倉駅を目指すのがもったいなくなり

仮粧坂から源氏山へと向かう道をたどってゆく。

こちらもうっそうとした緑のそこここでウグイスのホーーッ、ケキョが迎えてくれた。

「足元に注意」の看板が立つプチ登山道を一歩一歩登っていると

背後から中学生らしき数人の声が。

修学旅行でグループ行動しているひと組が、同じ道を追ってきたようだ。

毛を振るった新型コロナも、ようやく落ち着きを見せ

修学旅行が再開されたことを、他人事ながら"よかったなぁ"と感慨にふけってしまう。

ま、おかげでウグイスのリサイタルは、これにて終了、となったんだけどね。

 

登り始めてほんの数分で、源氏山への尾根道に到着。

そこから銭洗弁財天に下ってゆくと・・・来るわ来るわ。

学生服とセーラー服のグループが、鎌倉駅方面から続々と登ってきた。

修学旅行の再開こそ祝福したものの、基本的に賑やかな場所は苦手なので

40年前に訪れたことのある「銭洗」はパス。

『海街ダイアリー』のワンシーンが記憶に残る佐助稲荷もスルーして

ひたすら鎌倉駅を目指すことに。

山間のトンネルを抜けたと思ったら、もうそこは駅の西口だった。

 

時刻はまだ11時前。天気もまずまず。

江ノ電鎌倉駅で1日乗車券「のりおりくん」(800円)購入し

これまた40年ぶりの、江ノ電遊覧へゴー!

 

・・と勢いよくスタートしたものの

正直、午前中の〈海蔵寺体験〉が圧倒的すぎて

それほど「すごーい!」「面白い!」と強く印象に残った場所は多くない。

 

           稲村ケ崎は、あいにくの雨模様

         それでもサーファーたちは、海へと乗り出す

 

この後訪ねたスポットを時間順にたどってみると

江ノ電鎌倉駅🚃稲村ケ崎駅🐾稲村ケ崎🐾極楽寺駅🚃鎌倉高校前駅🚃腰越駅

🐾しらすや腰越漁協前店(しらす丼etcで昼食〉🐾腰越駅🚃七里ガ浜駅🐾付近散策🐾

七里ガ浜駅🚃長谷駅🐾光則寺🐾鎌倉いとこCafe和甘(きんつば&抹茶で一服)🐾

力餅家🐾長谷駅🚃江ノ電鎌倉駅🐾鎌倉ニュージャーマン(かまくらカスター他)🐾

ホテル(荷物ピックアップ)🐾江ノ電鎌倉駅🚃藤沢駅🚃中央林間・・・てな感じ。

 

        しらす丼とかきあげしらす丼を注文して、半分こ。

        リニューアルした長谷駅。だけど柱は昔のまま。

          光則寺。こちらはちょっと期待しすぎたか。

 

残念ながら、「しらすや」は期待していた「生シラス」が入荷してなかったし

"海蔵寺の感動ふたたび!"と乗り込んだ光則寺では、カイドウの花が終わっており

〈鎌倉を代表する花寺〉と称えられるほどの花に出逢うことができなかった。

本当に、ちょっとしたタイミングで天と地ほども印象が違うのだろう。

 

   稲村ケ崎から極楽寺駅へ。あいにくの雨模様。でも雰囲気は、最高。

   "名場面の宝庫"極楽寺駅。拝みたくなるのは、この〈門構え〉ゆえか。

     駅ホーム。何度も訪れた"記憶"だけがあるのは、不思議な気分。

 

そうしたなかで、最も印象に残った体験は

稲村ケ崎から極楽寺駅まで歩いてたどった道のりに、止めを刺したい。

ときおり小雨がパラつき、折り畳み傘を開いたり閉じたりしながらの散歩だったが

住宅街と思えないほど豊かな緑が(ウグイスも)、五感に沁み込んでくる。

しかも、この近辺は『海街ダイアリー』のヒロインたちが暮らす場所に設定されている

ため、作中何度も背景として登場している。

おかげで、稲村ケ崎周辺の石段や海岸、極楽寺駅の内外など

「あっ、ここもマンガに出てたぞ!」と、嬉しい驚きに遭遇することしきり。

なかでも極楽寺駅の前では、寺社に参拝する心境に。

アニメや漫画の熱心なファンが〈聖地巡礼〉にいそしむ気持ちが

いまごろになって、リアルに理解できたのだった。

(映画でしか作品を知らない相方は「ふーん、そうなんだ」程度の薄さだったけど)

 

       長谷の老舗・力餅家。これまた、初めてなのに懐かしい。

 

帰宅後、さっそく『海街ダイアリー』を引っ張り出し

1巻から読み返したのは、言うまでもない。

長くなりそうなので、読後の感想はまたの機会に。

 

ともあれ、"たまには温泉地じゃない近場で一泊旅行してみよう"という試みは

期待を超える充実感と満足感と共に終わった。

なにより、「いつ訪ねても新しい発見と感動がある」ことがわかったので

今後は京都&奈良と並ぶ、〈リピート旅行地〉に決定したのだった。

 

月頭につき、恒例の既読リストも書き加えておく。

2022.4 

★『芙蓉千里』『暁の兄弟 芙蓉千里Ⅱ』『北の舞姫 芙蓉千里Ⅲ』須賀しのぶ

★『永遠の曠野 芙蓉千里Ⅳ』米澤穂信

★『死体が語る真実』エミリー・クレイグ ★『はじめての古寺歩き』井沢元彦

★『合戦の日本史』安倍龍太郎 伊東潤 佐藤賢一 葉室麟 山本兼一

★『どうしようもないのに、好き』内田洋子 ★★*『新版 動的平衡福岡伸一

【コミック】

『チ』1~7巻(5巻まで既読)

百姓貴族』1~7巻(6巻まで既読)

ハクメイとミコチ』1~10巻(9巻まで既読)

『海街ダイアリー』1~9巻(全巻既読)

 

ここ2カ月ばかり、小説の世界になかなか没頭できずにいる。

今月(4月)もまた、普段の半分以下のペースに終わってしまった。

理由は明白。プーチンウクライナ侵攻だ。

圧倒的な「事実」の前で、しばしば「小説」は輝きを失う。

しかし、それでも人は、夢を紡がずにいられない。

 

ではでは、またね。