あらためて、最近の10年20年を振り返ってみると
非常に強く気づかされることがある。
それは、明らかに《男性より女性の方が優秀になってきた》との事実だ。
特に、文芸・アートをはじめとしたクリエイティブな分野において
こうした《女高男低》傾向は、極めて顕著に見受けられる。
いや、それは単なる思い過ごしで
女性の社会進出に従い、彼女らの活躍が目立っているに過ぎない!
――などと反論する方々もいらっしゃかもしれない。
だが、私自身の実感に照らし合わせても
以前(1970-90年代)に比べ
今世紀になってから出会った『面白い本』の男女比率は
1対1から、ほとんど1対2にまで拡大している。
事実、数ある文芸賞における受賞者の顔ぶれは女性に偏っており
その後の活躍を比較しても《女高男低》傾向は明らかだ。
マンガや音楽にジャンルを移しても、ほぼ傾向は一緒。
おかげで我が家のマンガ本棚やCDラックは
女性の名ばかり目につくようになった。
それをもって「若い女が好きなだけだろ!」と返されてしまったら
もはや何を言う気にもなれないが
試しに「才能」「クリエイター」とかでざっと人名検索をしてみれば
オッサンの言わんとしていることも、納得できるかもしれない。
(テレビのキャスターとかは依然として男メインのとこが多いけど
クリエイター=創造者ではなく、アレンジャー=調整者だから除外する)
加えて、近年の《少子化傾向》である。
これまた、半数以上の原因は「男性の側」にあると、考えられている。
なかでも危惧されているのが、《精子数の減少》だ。
20~40代を中心に、精子数が健康な男子の半分以下。
精液に精子が含まれていない「無精子症」も、少なからず存在するという。
そう。
これはもう、どう考えても
《男性という種そのものが衰退に向かっている》としか思えないのだ。
もともと生物の性は「メス」だけだった
というのは、すでに自明の理である。
子宮や卵巣など本来メスのものだった器官が
いかにしてペニスや睾丸に変化したかも
ちょっとした生物学の本を開けば明記してある。
簡単に言うと、「オス」という性は
遺伝子の多様性を実現させるために「メス」から創り出された
《遺伝子配達人=ザーメン・スプリンクラー》に過ぎない。
従って、何かをきっかけに「オス」という種が衰退し
消滅へと向かったとしても、なんら不思議なことではないのだ。
たとえば、いまアメリカで2人の老人〔どっちも男〕が
庶民の悲痛な願いをよそに、互いをののりし合っているように。
勝った負けたの〈競争〉や
「俺の方が正しい!」と〈対立〉ばかり煽り立て
社会を破壊しかねない男なんか、いらない!
との〈審判〉が下されても、ちっともおかしくないと思う。
〈遺伝子の多様性〉より害悪の方が大きければ
生物は、自らの種を守るために、あっさり手のひらを返すものだ。
数億年に渡ってこの世の春を謳歌した恐竜が、いとも簡単に絶滅したように。
ではでは、またね。