果てしなく思えた猛暑もようやく峠越えか・・と思いきや
ノロノロ&迷走台風による荒天が長引き、ろくに外出できない日々が続いている。
そんな"熱読雨読"の繰り返しで、読書量はいや増すばかりだった。
てなわけで、まずは先月中に読了した小説&それ以外を並べる。
2024.8
★『Re:ゼロから始める異世界生活』㉟㊱㊲㊳ 「短編集⑩」 長月達平
★★『光待つ場所へ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』辻村深月
★★『パイナップルの彼方』『きっと君は泣く』山本文緒
▽『言語都市』チャイナ・ミエヴィル
★★『太陽と乙女』森見登美彦
★★『シニアひとり旅 アジア編』下川裕治
★★『シニアひとり旅 インド、ネパールからシルクロードへ』下川裕治
結果、8月の《揺さぶられた本》は
【小説】★★『光待つ場所へ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』辻村深月
デビュー作から始まって、ようやくここまでたどりついた。
・・・ていうか、まだそんなところなのかよ!? と呆れられそうだなぁ。
ともあれ、この作家の成長ぶりには毎回驚かされる。
一冊ずつ書き上げるたび、どんどん厚みと鋭さを増してゆく物語の切れ味。
とりわけ魂のど真ん中を射抜く"驚異の心理描写"には、溜息しか出てこない。
もちろん〈再登場人物の活躍〉という辻村作品ならではの魅力も全開と
まさに、1粒で3度美味しい小説群となっている。
ちなみに「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」は登場人物のダブリが確認できなかったが
そんなこと忘れてしまうほど熱中してしまった一気読み作品だ。
今後も、サイコロ読書法Ⓒの許す限り、辻村レーベルを追っていきたい。
★★『パイナップルの彼方』山本文緒
作者の本は何冊か読んでいたはずだなのだが(たしか『なぎさ』も読んだ)
「大人向け小説」の第一作目にあたる『パイナップルの彼方』を
今回初めて通読し、改めて山本文緒の凄さを痛感させられた。
奥付あたりに「一九九二年一月に刊行された」とあった。
実に三〇年以上昔に書き上げられたものだ。
なのに、これっぽっちも古さを感じない。
それどころか、最新の話題作よりはるかに"地に足の着いた"描写力に
年甲斐もなく感動してしまった。
こんなにも素晴らしい作家の次回作が、もう読めないとは・・と
いまさらながら悔しくなってきた。
北方次郎(不在が切ない!)による巻末の名解説とともに
心ゆくまで堪能していただきたい。
★★『Re:ゼロから始める異世界生活』㊳ 長月達平
2カ月連続でくどいかな~~とためらったけど、また取り上げてしまう。
40冊近くまで巻を重ね、さすがに隅から隅まで万全とはいかぬ。
しばしば、ご都合主義だったりお約束の展開に苦笑しつつ
それでも要所要所で、あっと驚く"隠し玉"を繰り出してくれるのだ。
第八章の完結編にあたる38巻も、いい意味で見事に予想を裏切ってくれた。
やはり、このシリーズからは目を離せない。
【小説以外】★★『シニアひとり旅 アジア編』
★★『シニアひとり旅 インド、ネパールからシルクロードへ』下川裕治
「ひとり旅」ではないが、同じスタイルの旅を楽しんでる者にとっては
超実践的ガイドブックと称えたくなる2冊セット(新書)だ。
今すぐ役立つ情報が詰まっており、10月末~11月に行くバリ島旅行の
手引書としても、メチャクチャ重宝した。
とりわけ印象的だったのは、南インドの項目。
パック旅行で行ったインドで、人々の圧力と平気で遅れまくる交通機関に
「もうまっぴらだ!」と敬遠していたけれど
著者によれば「南部インドは東南アジアとほぼ一緒」とのこと。
・・だったらコーチン、ゴヤ、バンガロールあたりに行ってみようかな。
幸い、航空運賃も東南アジア並みだし・・なんて考え直したりして。
ーーなんか本の面白さより、個人的な感想終始してしまったなぁ。
〔コミックス〕
【コミック】
※ほぼ繰り返しばかりなので、簡潔に。
「ハクミコ」はさすがの面白さ。
何度読み返しても、キャラの愛らしさや描写の緻密さに見入ってしまう。
ほとんど病気だな。
「動物のお医者さん」は、第1巻の発行日が1989年4月25日。
実に35年前(から30年前まで)の作品である。
なのに、これっぽっちも古さを感じさせないのが凄い。
エッセイも、小説も、マンガも、それぞれが異なる魅力を放っている。
それらを好きなとき自在に楽しめる境遇を"しあわせ"と呼ばず、なんと呼ぼう。
とんでもない世界になってしまったな~、と天を仰ぐときもあるけれど
それでも"いまこの瞬間を生きている"のは、宝くじに当たったようなものなのだ。
ではでは、またね。