2023年11月29日(水) The Rivero Hotel👣興隆居👣台鐵高雄駅🚃屏東駅👣屏東バスターミナル👣屏東散策(慈鳳宮/菜寮豆花/勝利星村)👣屏東バスターミナル
朝の9時半だというのに、陽射しが強い。
高湿度も手伝って、体感温度は30度を超える。
炎天下の駅前広場を突っ切った後は、通り沿いの日陰をたどって歩いてゆく。
と、ほどなく左手に赤・赤・赤に染まる一角が見えてきた。
日本のコンビニ並みの高頻度で出くわす「廟」だ。
屏東駅近くにある、慈鳳宮。媽祖(航海の女神)を祀る明代創建の施設。
入口の軒には「天上聖母」と記された提灯が並ぶ。
旅の安全を祈り?さっそく参拝する律儀な相方。赤と金で目がチカチカしてきた。
見上げると、円形の天蓋に無数の天女?が舞っていた。
無礼にも、本尊のご尊顔にズーム・イン。伝説では明代に持ち込まれたという。
後になってガイドブック(「地球の歩き方」)を読んでみたら
上階に上がると屋根を飾る見事な装飾を間近に見られる、と記してあった。
ちゃんと予習しないから、まったく気付かずに通り過ぎてしまった。
※アマルフィ大聖堂の屋上庭園ほか、同様の"不勉強"で見過ごした件は数知れない。
そんな"取りこぼし"など知る由もなく、慈鳳宮参拝を終了。
そのまま通りを進んでゆくと、今度は公共施設らしきカラフルな建物が現れた。
ポップ・・というよりキッチュな配色の「屏東国民小学(校)」。
校舎本体より並んで建つ積み木のような建造物は・・幼稚園?
「終身教育」・・って、どう見ても年配者向けには見えないけど。
そんなふうに、とりとめなくぶらぶら歩きを楽しむのだったが
むろん、なにも考えずにうろついていたわけではない。
朝10時に営業開始予定のスイーツ店を、目指していたのだ。
途中で見かけたお茶屋の看板。ネコがかわいいので、つい撮ってしまった。
屏東駅前を出てから30分。
午前10時をわずかに回ったころ、目指す「菜寮豆花」が見えてきた。
その名の通り台湾を代表するスイーツ「豆花」を提供する店だが
客席どころかスイーツ店ならではの洒落たカウンターもない。
外観は単なる豆腐店で、そこに来客用の窓口が設置されてるいるだけ。
要するに、テイクアウト窓口付きの豆花製作所だった。
開店直後ながら、車やバイクで乗り付けた客が次々訪れては購入してゆく。
負けじ?と、窓口に近づき「豆花をひとつください」と言うと
"どん兵衛サイズ"のプラ容器に詰まった豆花を、ドンと差し出された。
ちょうどカップめんのスープみたいに、茶色いタレが入った小袋も付いている。
どうやら、これを豆花にかけて食べるといいらしい。
だけど、食べるといったって・・・どこで?
"豆花どんぶり"を受け取ったまま、途方に暮れた顔をしていると
そんな"早とちり"はしょっちゅうなのだろう、事情を察した店員のお姉さんが
「あそこで食べるといいよ」と、通りの先の緑田帯を指さしてくれた。
「豆花どんぶり」を手に下げ、教えてもらった小公園へと向かう。
それにしても地味な佇まい。看板なしでは何の店だかまったく分からない。
100メートルほど先の交差点を斜めに横断。
緑地(公園)のベンチに腰掛け、できたてほやほやの豆花をいただいた。
豆花に添付された糖蜜をかけたところ。
シンプルながらも、大豆の香りが口いっぱいに広がる。
たっぶりどんぶり一杯分入っており、2人でシェアしても食べ応えは満点。
あっという間にペロリと平らげ、時刻はまだ10時15分。
まっすぐ駅に戻っても暇を持て余すだけなので、街歩きを再開する。
座っていた場所の先に古民家っぽい家並みが続いていたので、そちらに向かってみた。
昔ながらの緑地?が続く小道の先に、ガーデンカフェを発見。
なかなかいい雰囲気だったけど、豆花をいただいたばかりなのでパス。
オシャレな一角に出た、と思ったら「勝利星村」と呼ばれる観光スポットだった。
日本統治時代に軍属の宿舎として建てられたものを、店舗へとリノベーション。
創意生活園区というコンセプトで、屏東の流行発信エリアに仕上げたーーのだとか。
いたるところに、日本の"かわいい"に通じるロゴやデザインが。
こういうモノをウォッチングするだけでも、かなり楽しい。
ほとんど営業時間前のところ、一軒だけ開いている店を発見。
看板を読む限り、自然素材を使った石鹸屋らしい。
店内にはチーズや果物がずらりと並ぶ。もちろん、すべてが石鹸。
記念にひとつぐらい――と思ったものの、特にピンときたものがなく
旅先での大原則〇号『"これが欲しい!"と感じた商品以外は買わない』に従い
ひと巡りしただけで、店を後にする。
昔の家屋と今風ショップがミックスした勝利星村は、屏東市内数か所に点在する。
次はたっぷり時間を取って、ゆっくり訪ねてみたい。
単なる「時間つぶし」のつもりで屏東駅周辺を散策してみたけれど
ひと巡りしてみた感想は、予想より遥かに充実していた。
なにより、日本のような均一化に冒されておらず
街ごとに異なる"独自な佇まい"が、随所に息づいていたのだ。
この《台湾は小都市が面白い!》という手応えは、旅の後半でますます強まってゆく。
(とりわけ5日目に泊まった中部の町・斗六の印象は強烈だった)
ともあれ、この日の目的地は、中央山脈の山間にある霧台(ウータイ)。
乗り遅れると大変なので、11時20分頃バスターミナルへ帰還。
無料で預かってもらった荷物を受け取り、11時47分発の霧台行きバスに乗車する。
ターミナルにやってきた霧台行のマイクロバス。
乗客は、我々2人のほか、小さな男の子を連れた母親の2組のみ。
ここから海抜1000メートルを超える霧台部落まで、1時間30分少々。
果たしてどんな"山登り"になるのだろう。
ネットの情報には「酔い止め薬が必須」と書いてあったけど・・
ではでは、またね。