久高島よ、お前もか・・!  沖縄ふたり旅 2023.1.22-25 3日目① HOTEL AZAT🚘安座真港🚘斎場御嶽🚘玉城城跡🚘糸数城跡

2023年1月24日(火)

 HOTEL AZAT🚘安座真港🚘斎場御嶽🚘玉城城跡🚘糸数城跡🚘真壁ちなー

 

前回(昨年12月)の宮古島旅行で最大の"心残り"は

荒天のため2日続けて大神島に渡れなかったことに尽きる。

それもあって、今回こそは"神の島"に上陸させていただこうと

朝ごはんもそこそこに連絡船が出る安座真港までレンタカーで直行。

9時半の便より30分以上早く、久高海運の待合室に到着した・・んだけど。

強風吹きすさぶオフィスの前には、無情にも一枚の紙が貼ってあった。

朝、窓の外に大きく揺れる街路樹を見たときから

"ひょっとしてこんなことになるのでは・・"と案じた通り、終日全便欠航の通達が。

宮古島沖合に浮かぶ大神島に渡れなかったことに続き

なんと二回続けて、"神の島"からの門前払いを食らってしまった。

ーーよっぽどの不信心者なのか。それとも、普段の行いが悪すぎたのか。

いずれにせよ、原因は相方ではなく当方(うたた)にあることは間違いない。

気持ち悪いほど旅先での天気運が良いにも関わらず

なぜか沖縄エリアを訪ねたときだけ、妙に雨嵐が多い過去例も含めて

なんともしがたい"相性の悪さ"を感じてしまうのだった。

(そういえば4~5回は行った台湾でも雨に祟られるケースが多かった。

 パッと思い出せるだけでも、淡水・基隆・九分・台北で激しい雨に見舞われている)

ま、それはともかく。

いつまで待っても動かぬ連絡船を眺めていても、仕方ない。

またいつか・・"お許し"が出るまで、何度でも参上しまっせ。

波の向こうに霞む久高島に向けて一礼しつつガン飛ばし(だからそれが悪いんだって)

白紙に戻った「本日の予定」を、切なくも組み直す。

 

ともあれ、せっかく沖縄本島の島南端まで来たのだから

まずは有名な世界遺産を訪ねてみようか。

そう。かれこれ10回近くは沖縄に来てるというのに

なぜか斎場御嶽には縁がなく、一度も訪ねたことがなかったのだ。

(そんなことだから久高島から門前払いを食らうんだよ)

てなわけで、強風の中、小雨が降り始めた安座真港を後に走ること十数分。

あっ・・という間に、斎場御嶽の駐車場でもある「がんじゅう駅・南城」に到着。

斎場御嶽の入場券売り場は、この中。朝9時過ぎだから、どこもガラガラ。

入場料は大人一人300円と、なかなか良心的。ここにも人気はなし。

 

斎場御嶽の入口。観光バスの姿もなく、ほとんど貸し切り状態。

薄暗い密林の底に、ただならぬ気配が漂う。

時折小雨が落ちるなかで、緑の草木は生き生きと育つ。

途中に「久高島遥拝所」が。次回の訪問を願って、神妙に頭を下げる。

"豊穣の満ちた場所"とされる寄満(ゆんいち)。垂れ下がる鍾乳石が生々しい。

その奥に居並ぶ、五体の香炉?・・・今にも動き出しそう。

斎場御嶽で最も有名な「三庫理(さんぐーい)」。

人が少ないものだから、色々な距離・角度からじっくりと観察できた。

団体客を毛嫌いしてるわけじゃないけど

こういう場所で大声上げて騒いだり

走り回ったりできる人と一緒には歩きたくない。

そういう意味で、たまたま久高島行きがダメになったお陰だが

開場間もなく人影まばらな朝九時台に訪問できたのは、望外の幸せだった。

帰途の高台から、もう一度久高島を遥拝する。

とりあえず斎場御嶽はお参りしました。次こそはぜひ・・・

パラつく雨にも負けず、鮮やかな紅は目に眩しい。

「がんじゅう駅・南城」の中で、ご当地アニメの展示が。

そういえば、沖縄の水族館を舞台にした作品を放送してたっけ。

あまり記憶にないけど、この青ヒゲキャラが一番心に残った。

 

さて、のんびりゆっくり斎場御嶽を回ったけど、いまだ朝の10時台。

昼ご飯には早すぎるということで、付近の"聖地めぐり"へ。

(聖地といってもアニメではない)

まずは、「アマミキヨ伝説が残る」と伝えられる神聖な城跡・玉城城跡へ。

 

天気がイマイチだからか、観光ルートから外れているからなのか

広~い駐車スペースに停まる車は、我らを含めて2台のみ。

これまた、"貸し切り状態"の城跡見学と相成った。

工事中らしく、案内の矢印に従って仮通路を進む・・いったいどこに続いてるんだ。

木製の階段を登って行くと一気に眺望が広がる。晴れてたら奇麗なんだろうなぁ。

その先には、自然が作り出した岩をくりぬいたような城門が。

とはいえ、その内側に史跡らしい史跡はわずかに残るのみ。

おそらく御嶽として残るのだろう、一角に屋根を載せた石組があった。

あとは四方くまなく緑、緑、そして緑。シダ類の葉の幾何学模様に魅せられる。

城跡の中央に、赤く大きな葉をつけた植物が聳えていた。・・・これが王か。

内域から城門越しに外を見る。平らな緑地はゴルフ場だったりする。

 

帰りがけに振り返ると、玉石を積み上げたような壁面がそそり立っていた。

これだけでもかなりの規模の城塞だったことが想像できる。

いっぽう足元には、板の隙間から一輪の花。

 

玉城城跡をぐるりひとまわりしたけど、時刻はまだお昼前。

ランチまでにもういっちょいってみるか!

と北西方向に車を走らせ、数分先の糸数城跡へ。

玉城城跡と同じ14世紀前半、その玉城の西の守りとして築かれたもので

沖縄本島南部で最大規模の城跡」と観光パンフは謳っていたけど・・

細い脇道を進み、だだっ広い駐車スペースに乗り入れてみると

そこは絵に描いたような"無人の野"。

世界遺産」と「それ以外」の格差を、しみじみと実感させられた。

それでも通路入口に立つ石碑が、ここが目的地である事を証明していた。

少しずつ雨も強まり、"ま、行くだけ行ってみるかーー"

なんておざなりに入ってみたんだけど。

これが、いい意味で"期待を裏切る"史跡だった。

左右に延びる、高く頑丈な石垣。ふと「天空の城ラピュタ」を思い出した。

確かにこれは「本島南部で最大規模」だ。なんで誰も"すごい"って言わないのかな。

雨でなければ、しばらく"ほっつき歩き"たい「ラビリンス感」あふれるスポット。

高い城壁に囲まれ、ぽっかりと空いた地面に紅い花。ーーこれも寒緋桜?

 

なにはともあれ、二か所の「グスク巡り」で、いい頃合いになった。

ちょうど雨が大粒へと変わり、レンタカーに逃げ込んだところ。

そろそろ久高島の後に立ち寄る予定だった〈昼飯処〉へ向かうことにしよう。

本島南部を代表する古民家ランチの名店、「茶処 真壁ちなー}。

ここも昼の混雑を避け、午後2時頃に訪ねるつもりだった。

まだ1時を回ったばかりだが、これ以上雨の中を歩き回る気になれなかった。

あいにくの天気で"先"が詰まってるわけじゃなし、待てばいいだけのこと。

朝早くコンビニおにぎりを入れただけのお腹に手を当てつつ

カーナビに「真壁ちなー」の5文字を入れる。

 

ではでは、またね。