"ひとやすみ"は、 旅の途上の必需品 ラオス(&ハノイ)ふたり旅 2018.11.27-12.4 7日目(その2)

2018年12月3日(月) ハノイ⇔ハイフォン

 

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         ハイフォンの"癒しスポット" 花市場

 

なにはともあれ、空腹は満たされた。

昼食をとったレストランは繁華街の反対側、いわば"駅の裏手"に位置していたので

もういちど踏切を渡り、市民劇場や大聖堂が建つ北西方向へ歩いてゆく。

すると、ちょうど町の中心部にあたる大通り沿いに、カラフルな屋台が見えてきた。

ハイフォン名所のひとつ、「花市場」だ。

四角い建物とだだっぴろい道ばかりのモノクロっぽい街のなかで

そこだけ南国ならではの鮮やかな原色が爆発しており、ハッとさせられる。

味なしランチでガックリきていた気分が、やっと上向いてきた。

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       ようやく、"ハイフォンに来てよかった"と思えた瞬間

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        夜になると、イルミネーションも灯るようだ

 

遊歩道に沿って十軒ほど並んだ店の花々をじっくり眺めたあと

(持ち帰るわけにもいかず、見るだけ)

湖と運河に挟まれた細長い土地を、西へ歩くこと7~8分。

3階建てぐらいの古びたビルが並ぶ、ごみごみした通りに出る。

道路の両側はもちろん、細い路地のような屋内にも、びっしり店が連なっていた。

ハイフォンで最大級のタムバック市場だ。

生鮮食料品はもちろん、日用雑貨・衣料品などを扱う様々な店が混在している。

しかし・・ぷらぷら歩きながら眺めるだけで、もういいかなと思ってしまう。

店先に並ぶ商品に興味を覚えなかった、ということもあるけど

それよりも大きかったのは、体力面でのイマイチ感だ。

元気な時であれば、もっと好奇心バリバリで歩き回っていたはずだが

ラオスに入ってからすでに一週間。

いいかげん、旅の疲れがずっしりと溜まり始めていた。

12月とは思えない強烈な陽射しと、海の近くならではの湿気もハンパでなく

帽子をかぶっていても、日陰を探して右往左往を繰り返すばかり。

これでは、とても"市場散策を楽しむ"気分にはなれず、早々にギブアップ。

ハイフォン大聖堂や町一番の繁華街・ディエンビエンフー通りをぐるっと回って

駅へと戻ることにした。

 

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     タムバック市場の手前。暑さと湿気で、すでにヘトヘト。

 

そして、およそ1時間半後。

ハイフォン駅にたどりついた我々の手には

途中のスーパーマーケットで購入した、いつものベトナム土産。

ミルク入りインスタントコーヒーの大袋などでパンパンに膨らんだ

買い物バックだけが増えていたのだった。

・・まったく、なんのために片道2時半もかけてハイフォンまで来たんだか。

 

ともあれ、当初の予定通り、ハイフォン発15時の切符を購入。

行きとは違って、途中駅に着くたびに混雑する列車のなか

車窓風景を楽しむ余裕もなく、ほとんどの時間を寝て過ごすのだった。

それにしても、暑さのせいか、鼻づまりのせいか、寄る年波のせいなのか

様々な理由は考えられるが、予想以上に疲労が溜まっていた。

本日の行動に、往復5時間の移動(小休止)を入れたのは、正解だったようだ。

 

17時38分。ちょうど陽が沈むころ、列車はロンビエン駅に到着する。

途中、ぐっすり眠れたおかげか、昼間よりいくぶん"鼻詰まり"が治まっていた。

これなら、なんとか料理の味も判別できそうだ。

"頼むから悪化するなよ・・"と、祈りつつ、今夜の夕食に決めていた

ブンチャー専門店「ダックキム」へと足を速めていく。

「ブンチャー」とは、細い米麺を、焼肉や香草と一緒に、

青パパイヤ入りヌックマムベースのタレにつけて食べるハノイ名物のこと。

実は、この3年ほど前、下の娘と二人でハノイに来たとき、初めて食べて感激。

いつか相方にも味わってもらいたいと、考えていたのだ。

 

人気の店だけあって、18時過ぎという浅い時間にもかかわらず

1階から3階まで、ほとんど満席状態。

それでも待つこと10分ほどで、"そこのおふたりさん、どうぞ"と手招きされる。

狭い階段をどんどん登った行き止まりの3階で

地元の女の子たちと同じテーブル席の片隅に、座ることができた。

相変わらず店は活気に溢れており、サービスのテンポも速い。

5分もしないうちに、麺、焼肉、野菜、調味料が、目の前に勢揃いする。

味は・・・たぶん、変わってない・・と思う。

多少治まったとはいえ、味も匂いも、かすかに感じるレベル。

幸い、前回の〈味の記憶〉が残っており、うすぼんやりとした味覚を

そのときの回想力で補うことで、なんとか「無味」には陥らずに済んだ。

とはいえ、溶けないオブラート越しに食べているような

痒い所に手が届かない、もどかしさだらけのディナータイムだった。

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       クリスマス用品専門店を発見。面白がって撮影してると・・

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             なぜか、街の匂いが復活!

 

だが、最後に〈ちゃぶ台返し〉が待っているのが、我が"悪運の強さ"。

「ブンチャー」のスパイスが効いたのか

はたまたやけ気味にあおったベトナムビールがいい仕事をしたのか

夕食後、なぜか急に鼻詰まりが解消。

ハノイ旧市街の"匂い"が、鼻孔の奥まで漂ってきたのだ。

このチャンスーーー逃してなるものか!!

 

食が進まなかったおかけで、お腹の〈空き〉は、まだたっぷり。

ガイドブックとスマホのマップを頼りに

旧市街のシックなカフェ「ルトァラタ」で、オリジナルのチェーを賞味。

さらに、前回、前々回のハノイ訪問時にも通い詰めた

ココナツデザートの店「ズア・スン」に立ち寄り

ココナツの殻を容器にした冷え冷えのココナツジュースを購入。

ゲストハウスに持ち帰り、今回の"旅の味"の締めくくりとしたのだった。

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      オシャレなチェーの店「ルトァラタ」で、ひとやすみ

 

※翌、12月4日(火)  ハノイ⇒羽田

早朝の0530頃、ロビーの長椅子で寝ていた宿の主人を起こし、

あらかじめ手配してもらっていた車で、空港へと移動。

(主人の知り合いらしき若いカップルが運転する車。明らかに白タク。

 料金も早朝割り増し?か、そこそこ割高だった)

あとはお定まりの、チェックイン&出国審査~搭乗の流れ

ベトナム航空VN384 ハノイ0840発⇒1505羽田着で、帰国。

夕方の17時前には、無事、自宅に到着となった。

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         輪っかになった川の跡が、ベトナム風?

 

【今回の反省】

◎旅の日程は 「賑やか⇒静か」の順で組んだ方が、楽しめそうだ。

 ・・というか、そもそもベトナム、大丈夫なのか?

 せっかく旨いもの目当てで行っても、味がわからなかったら、ダメじゃん。

 他の国にも排気ガスとか空気汚染が悪化している都市は、少なくないし。

 今後は、その手のスポットは警戒したほうがいいかもしれない。

 いずれにせよ、昔と同じ感覚で旅程を組むのは、厳しくなるだろう。

 

そしてコロナ後、海外旅行が再び可能になったとしても

今までとは違って、あれこれ〈制限〉や〈条件〉が付きまとうに違いない。

そう考えると・・ちょっとばかし、気が重い。

理想とする〈行き当たりばったりの旅〉は、ますます遠くなりそうだ。

 

ではでは、またね。