タイ湖のほとりで深呼吸 ラオス(&ハノイ)ふたり旅 2018.11.27-12.4 6日目(その2)

2018年12月2日(日) ハノイ市内

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           ハノイの"癒しスポット"、発見!

 

冷房の効いた路線バスのおかげで

ロンビエン・バスターミナルに戻ったときには

そこそこ元気を取り戻し、食欲も戻ってきていた。

時刻は、1時半ちょっと回ったところ。

なにか軽くお腹に入れようと

宿に向かう途中にあった、バイン・ミー(ベトナム式サンドイッチ)の店に入る。

その名も、Banh Mi 25

店内はもちろん、路上に並ぶテーブルもほぼ満席状態という人気店。

店舗を増やしたのだろう、通りを挟んだ斜め向かいにも同じ名前の店があり

バイン・ミーが乗ったプレートを手に、員が両方の店を行ったり来たりしていた。

混雑しているとはいえ、ラーメン屋と一緒で客の回転は速い。

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     道を挟んで同じ店名が2軒。もしかして、こっちは厨房か。

 

待つほどもなく席が空き、銭湯の洗い場にあるような低い丸椅子に腰かけて

それぞれ、「卵とチーズのバイン・ミー」「豆腐のバイン・ミー」を注文する。

・・繁盛しているだけあって、さすがに旨い。

外はパリパリ、中はしっとりのバゲット。香草がちょっと効いた具も食べ応え充分。

一緒に頼んだアイスコーヒーも、なかなか本格的な味だった。

とはいえ、バチャンで始まったアレルギー症状(鼻水)は依然として継続中。

慢性的な鼻づまり状態のため、味覚は普段の半分も機能していない。

なんとか鼻と喉の通気を確保して、ベトナム名物を味わった。

 

その後、いったん宿に戻ってひとやすみ。

小一時間ばかり横になり、夜間の寝不足を補うことに。

 

再起動したのは、16時過ぎ。

乾期といってもまたまだ暑い昼の日差しと

マスクなしでは歩けないことが判明した街なかのPM2.5排気ガス)を避けて

大気汚染がひどくない場所で、夕涼みすることにしたのだ。

 

まずは、3度目のロンビエン・バスターミナルへ。

そこから市バス「17番」に乗って、ハノイ市から一路北へ。

目指すは、タイ湖のほとりにある、有名な夕景スポット・西湖府。

例によってグーグルマップで現在地を確かめながら

バスに揺られること、およそ20分。

西湖府に一番近づいたあたりの停留所で降りると

下町風の家々が並ぶなか、高級ホテルがニョキニョキと建っていた。

改めて地図を見ると、インターコンチネンタル、シェラトンなど

いかにもな名前が並んでいる。

気付かぬまま、ハノイ近郊のリゾートエリアに来ていたのだ。

 

とはいえ、「高級」やら「リゾート」には、ほとんど興味がない。

いつもどおりスルーして、半島のように湖に向かって突き出したエリアに進み

その突端に位置する、西湖府へと歩いてゆく。

スマホのマップがなければ「道を間違えたかも・・」と、不安になるような

さびれた建物や用水路が点在するだだっ広い道を、とぼとぼ進むこと20分余り。

黄昏どきを迎え、暗さを増してきた通りの先に、店の明かりが見えてきた。

西湖府前の参道に軒を連ねる、飲食店だった。

どの店も、タイ湖名物バイン・トム・ホータイ(エビ天みたいな軽食)を提供している

ようだったが、昼間だけの営業なのだろう、すでに店仕舞いを始めていた。

まだ、お腹は空いていなかったので、店々の前は素通り。

陽が沈みきる前に〈湖の夕景〉を鑑賞しようと、ふたりとも足を速める。

 

店が続く通りを、左にクイッと曲がったその先に、小さな赤い門が待っていた。

その向こうが、目的の神社・西湖府だった。

民間信仰「聖母道」の総本山で、玉皇上帝の娘・柳杏聖母が祀られているという。

ざっくり言えば、女神様みたいなものなのだろう。

思ったより小ぢんまりした境内に、それでも数十人は訪れている。

外国人観光客の姿は少なく、ほとんどが地元ハノイの住民だ。

われわれ同様、夕日を見に来た人が大半だったが

お堂の中に安置された「聖母様」に向かって、熱心に祈る人も少なくなかった。

掃除・手入れが行き届いており、境内はどこも清潔。

いい意味で、ベトナムっぼくない。

しかも、ありがたいことに、昨夜来悪化する一途だったアレルギー症状(鼻水)が

いつの間にか、ピタッと治まっていた。

予想通り、ハノイの街なかに比べて、大気汚染レベルは数段マシだった。

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             たぶんこの方が"聖母さま"

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                                      刻々と姿を変える雲の形が、たまらない

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              ヤモリくんもキュート

 

でもって、肝心の「夕景」も、ドンビシャリ!

ちょうど湖の対岸に広がる高層ビルの山並みの向こうに

オレンジ色の太陽が沈んでいく様子を、たっぷり眺めることができた。

そのまま、あたりがとっぷり闇に包まれるまで

家族連れと一緒になって湖の夕景を眺めたり、お堂をお参りしたり

トイレの壁をチョコチヨコ走るヤモリを撮影したりと

少なくとも、昼間のバチャンよりは、遥かに充実したひとときをすごす。

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              何が釣れるのかな・・

 

帰りは、湖沿いの道を一直線に歩いてゆく。

いい眺めが売りなのだろう、高級レストランやカフェが並んだ通りを

徐々に夜の闇が勝っていく湖と空を眺めながら、のんびりゆっくりバス停へ。

途中、フェアトレードブランドのショップBetterdayで、オーガニックティーを購入。

そんな洒落たもの滅多に買わないのだが、よほど気分が良かったのだろう。

 

西湖府から30分以上かけてバス停に戻ると

ラッキーなことに、ちょうどロンビエン行きのバスが停車まっていた。

ところがタラップに足をかけると、運転手に「乗るな」と止められてしまう。

よく見ると、後輪のあたりにしゃがみこむ人の姿が。

・・パンクしたのか、なんと修理中。

いつ直るのかわからなかったので、他のバスが泊るバス停目指して歩き出したのだが

ふと振り返ると、さっきのバス停に次のバスが到着しているではないか。

あわてて走って戻り、なんとか出発前に乗ることができた。

おおむね、こんなときは"ふらふら動かずその場で待つ"ほうが、無駄が少ない。

なのに、ついつい焦ってバタバタ動いてしまうのだ。

再びPM2.5の巷目指して夜の街を走るバスに揺られながら

いつまでたっても、貧乏性ってヤツは抜けないなぁ・・

などと、己のヘタレぶりを噛み締めるのだった。

 

ではでは、またね。