良くも悪くもベトナムは"若者の国" ラオス(&ハノイ)ふたり旅 2018.11.27-12.4 5日目(その3)

2018年12月1日 ルアンパバーンハノイ

 

ベトナム航空VN930 ルアンパバーン1915⇒2015ハノイ

f:id:utatane-do:20210507210750j:plain

       ハノイ旧市街の夜。こんなに喧しいとは思わなかった。

 

飛行機は、定刻通りハノイ国際空港に着陸。

ハノイに降り立つのは、今回で確か4回目になる。

リニューアルしてピッカビカになった空港ビルも初めてではなかったので

何のストレスもなく入国審査etcの手続きを終え

到着ゲートを出てすぐプリペイドSIMカード(3日間)を購入。

ロビーを出て目の前の車道を渡り、左手に進んだところにあるバス停から

ハノイ市内行きの路線バス(86番)に乗り込む。

 

それにつけても、どこもかしこも《やかましい〉。

ルアンパバーンの直後だから、余計強く感じたのだとは思うが

空港内がやたらとザワザワしている。

アナウンスや人の話し声など、すべて3段階ぐらいボリュームアップした印象だ。

"こんなにハノイってうるさかったかな"と、早くもゲッソリ。

ハノイ市内行きのバスに乗り合わせた数名の中国人(たぶんビジネス客)も

〈やかましさ〉では、負けていなかった。

バスをまるごとチャーターしたかのように、バラバラの座席に陣取り

耳をふさぎたくなる大声で怒鳴り合い、バカ笑いをぶち上げる。

ハノイのロンビエンバスターミナルまで、およそ1時間。

降りた時には、疲れ果てていた。

 

で、バスを降りた途端、ほっとする間もなく

バイクと車とクラクションの洪水に、どっと包まれる。

やはりラオスとの落差が、大きすぎたのだ。

パスターミナルから予約した旧市街の宿に向かう途中でも

危険でもないのに、そこいらじゅうでピッピピッピとクラクションを鳴らすから

思わず「うるせー!」と毒づいてしまう。

その上、猛烈な排気ガスが町中に漂っており

少し歩いただけで、喉が痛くなってきた。

 

いや・・確かにベトナムって、こういうゴミゴミした雰囲気だし

騒音だって排気ガスだって了解済みのはずだったのに

なんでこんなにも、不快に感じてしまうんだろう。

理由は、言うまでもない。

・・・ラオスの後に訪れたからだ。

 

こんなことなら、尋ねる順番を逆にしとけばよかったなぁ。

入国後2時間たらずで、早々と悔やみつつ

夜10時を過ぎても騒音と喧騒が絶えない旧市街を

車・バイク・人に注意しながら、スーツケースを引っ張っていく。

f:id:utatane-do:20210507210927j:plain

      宿のロビーから表通りを見る(翌朝)。絵にはなるんだよね。

予約した宿は、そんな旧市街の西側に位置するSweet Family Guest House

間口2メートルちょっとの狭い入口を入ると

すぐに若い男性オーナーが姿を現し、満面の笑顔で迎えてくれた。

ご存じ、ベトナム人ならではの人懐っこさ。

けれども、ラオスで5日間過ごした直後だと

親切、というより、馴れ馴れしさばかりが鼻についてしまう。

だって、初対面にも関わらず、いきなり肩を組まれたり。

いかにも商売っ気たっぷりの〈演出されたフレンドシップ〉なのだから。

・・ラオスの人々の、控え目な距離感のほうがずっとよかった。

それまでは大好きだったはずの"ベトナムならではの魅力"が

オセロゲームの駒をパタパタ裏返すように、軒並み〈欠点〉に思えてくるのだから

よほど〈ラオスの静寂〉が、ストライクゾーンど真ん中だったのだろう。

 

ともあれ、ハノイで3泊するのは決定事項。

せいぜい楽しく充実した時間を過ごそう、と気持ちを切り替える。

まずは、夕食。午後から何も口にしていなかった。

予約した3階のトリプルルーム(オンボロだったが広さはたっぷり。希望通り旧市街に面してバルコニーがあり、備え付けの椅子に座の眼下の通りを眺めることができた)に

荷物を置いて、夜22時30分のハノイ旧市街へ。

スマホででチェックしておいた、深夜まで営業の店「フォー・ハイン」を目指す。

すぐ近くまで来たが店らしき灯りはなく、路上に置かれた2~3卓のテーブルについて

麺をすする人の姿だけがあった。

ひょっとして路上の屋台? と思ったら、人ひとり通るのがやっとという細い路地から

今風の髪形をした若い男(の子)が出て来て、我々に手招きをする。

誘われるまま後について行くと、7~8メートルほど路地に入った左手に

4人掛けテーブルが3つ4つ並ぶ、小さな町中華のような店内が待っていた。

どうやらこちらが「本店舗」らしい。

意外にちゃんとした店構えに安心してテーブルに着き、定番のフォーを注文する。

味は、なかなか。シンプルだが、舌とお腹がホッとした。

忙しく動き回っていた店のお兄さんだが、サービス精神は忘れていない。

デジカメを向けると、ちゃんと笑顔で目線をくれる。

・・そうそう。時々こすっからいけど、こういう憎めないとこが好きだったんだ。

やっぱベトナムは、こうでなくちゃ。

少しずつ〈ラオスの呪縛〉が薄れてきたのか

ベトナムのいいところにも気付くようになってきた。

f:id:utatane-do:20210507211054j:plain

     親子でやってるのだろう。夜11時でも、元気で明るいフォーの店。

 

おいしいフォーで満たされたお腹を抱え、宿の部屋に戻る。

ちなみにこのゲストハウス。

朝食付きで3泊9000円少々という、安宿だ。

それでもベランダ付きのトリプルルーム(3階)と、部屋の雰囲気はなかなか。

せっかく3泊もするのだから、旧市街をのんびり眺める時間も欲しい・・と

あれこれ迷った末に決めた宿だった。

f:id:utatane-do:20210507211752j:plain

       エンドレスの騒音さえなければ、いい部屋だったんだけど

 

で、まあ、確かに部屋の雰囲気こそ良かったのだが—―とにかく、古い。

通りに面した扉の立て付けが悪く、きっちり閉まらない。

その隙間から、路上の騒音がバンバン入ってくる。

しかも、若者たちのたまり場になのか、夜中になっても野郎どもが大騒ぎ。

ハノイ旧市街の宿」という売りだったので、プチリゾート気分を勝手に期待し

あえてテラス付きの部屋を選んだのだが・・・見事にコケた。

おまけに、ハノイ到着後に始まった「のどの痛み」は、強まるばかり。

鼻水もとめどなく出て来て、ティッシュペーパーが手放せなくなる。

――――まずい。これ、アレルギーかも。

 

事実、ハノイ滞在中は「のどの痛み」と「鼻水」に悩まされ続け

期待していたグルメ方面で大打撃。

なんと、〈食べ物の味が分からない〉という

悲劇に襲われてしまったのだ。

 

ではでは、またね。