2020年3月3日(火) ハバナ⇒メキシコシティ⇒成田(+1)
部屋のベランダから。朝のハバナ。
朝8時半頃、先にホテルのチェックアウト&荷物を預けて
最終半日のハバナ旧市街へ向かう。
やっばり朝からいい天気。
この時期の気候が安定しているおかげだとは思うが
もともと天気運はかなり良く、今回も雨に悩まされずに済んだ。
とりあえず、朝食を。
せっかくのハバナなので、歴史のある店のひとつCafe O'Rellyを目指す。
「美しい螺旋階段のある、タイムスリップしたような店内」との紹介どおり
総木材張り?の落ち着いた感じの店。でも、なかはガラガラ。
遠目には入口に数人並んでいるように見えたので
「さすが、人気店。こんな早くから行列かよ・・」と思ったのだが
みんなコーヒー豆を買いに来た人たちだった。
・・ってことは、朝食はあまり人気がないのかな。
雰囲気は、抜群!
店内は、ほぼ"貸し切り"状態。
それでも、座り心地のよさそうな木造椅子&テーブルに惹かれて、店内へ。
ふたりともモーニングセットを注文したが、コーヒーと小振りなサンドイッチのみ。
しかも、フルーツいっぱいの昨日の朝食より高かった。
ま、半分以上は場所代ってことだろう。
せっかく空いていることだし、独り占め気分を満喫しよう。
オシャレな店内や、道行く人々などを眺めてのんびりと過ごした。
向かいの店では・・肉を切っていた
そうこうするうち、ようやく10時が近づいてきた。
他のお店も、商売を始める頃合いだ。
昨日は閉店時間内に入れなかった、蜂蜜・雑貨・バッグの店を回る。
・・だが、大量生産ではない、手作り感溢れる〈ちょっと洒落た土産物〉となると
一気に値段が高くなる(マジで、数倍~1ケタ違い)。
いずれも購入する気になれば、見るだけで終わってしまう
――こうなったら、キューバは諦め、メキシコシティに賭けよう!
7時間以上もある乗り継ぎ時間を利用して市内に繰り出し
どこかの大型スーパーで、チョコ・菓子・香辛料などをまとめ買いする作戦に
切り替えたのだった。
今日も、ホントにドピーカン
ワンコも外に出たがってる
てなわけで、残り時間で観光スポットのひとつ「革命博物館」へ。
こちらもひとり8CUC(800円強)と、なかなかの観光地値段だった。
そのくせ中味は・・正直、期待外れ。
元大統領官邸だけあって、建物こそ広く立派だが、展示品の半分ぐらいはパネル。
しかも工事中らしく、館内の3分の1程度しか立ち入ることができない。
これなら、トリニダーのほう(料金1CUCの革命博物館があった)に入れば良かった。
結局、カストロが着ていたらしき軍服の前で記念写真を撮っただけ。
ちょっと期待したエントランス「祖国か死か」
だけど、そこいらじゅう改装工事中で・・
なんだか〈紙系〉の展示品ばかり
一番気に入ったのが、これ。たぶんソユーズで宇宙に行った記念バッジ
空港に向かうまでには、なお1時間ほど余裕があったので
グーグルマップで見つけたアイスクリーム店に、行くことにした。
その途中、ベビーカーを押す若いカップルに声を掛けられた
やたら親し気で、以前日本に行ったことがある、などと笑顔で話し続ける。
そこで相方が、ベビーカーの中の男の子に目を付け、記念写真を撮らせてもらうと・・
同じ笑顔で男の方が「スーベニール(お土産)!」と言い、手を指し出してきた。
なんのことはない、撮影代をせがまれたのだ。
ここでお金を出すと、日本人観光客と見ると同じ手を使いかねないので
日本から持って来たキットカットを子供に手渡し
やや不満そうなキューバ人夫婦を残し、足早に立ち去った。
この先、観光化が進んでいくと、きっとこういう人たちが増えるんだろうな。
ともあれ、たどりついたアイスクリーム店で、キューバ最後のスイーツをいただく。
素材が新鮮なのか、この国のアイス&ジェラートは、レベルが高い。
ただし、どこも氷に生水を使っているらしく、この手のものを口にするたび
決まって4~5時間後、お腹が文句を言い出し、トイレ通いを繰り返すハメになる。
今回もまた、この〈ラスト・スイーツ〉のおかげで、ヤバい目に遭うのだった。
アイスは美味い! でも、下痢は覚悟しよう
12時過ぎ、ホテルに戻り、スーツケースを受け取るついでに
空港までタクシーを手配してもらえないか、訊いてみた。
すると、前もって予約しないとすぐ用意できない。30分ほど待つけどいいか?
と言われた。料金は、30CUC(来たときと同額〉。
やや迷ったが、昨日の"放浪"でタクシー慣れしていたので
自力でトライすることに。
・・また来れるといいな
ホテルのイケメンスタッフ(学生バイトっぽい)に別れを告げ
スーツケースを抱えて階段を降り、大通りまで移動。
すぐに我らを見つけた仲介者が寄って来て、「タクシー?」と声をかけてきた。
・・いや、ここは自力でチャレンジしよう。
近くで停車中のタクシーに歩み寄り、直接運転手に行き先を告げ、料金を尋ねる。
すると彼は、一瞬考えてから、「30」。
さすがに確実にボッていることがわかったのだが、口を出た言葉は「20」。
運転手はにやっと笑って、「25」。
いけない!「10」にするぺきだった・・と心の内で臍を噛みつつ「22」。
当然のように、ドライバーは「OK!」ときた。
みれば、昨日最初に乗った穴ボコタクシーと同じレベルの、おんぼろ車。
15で充分だったなぁ。
すっかり愛想が良くなったドライバーは、スーツケースを受け取って車内へ。
出発した後も、何度も後部座席に座った我らに笑顔が話かけてくる。
やはり、我らは〈葱をしょったカモ〉だったらしい。
根っからのB級体質。ボロい車の方が落ち着く。
20分ほど走り、空港敷地内に入って来たところで
突然ドライバーが後ろに手を伸ばし、「22、22」と声をかけてきた。
降りる前に支払って欲しい、というのだ。
彼のカタコト英語と、我らの中学ヒアリング能力で理解したところでは
「俺の車だと、空港に乗り入れる許可を持っていないから
入口に停車すると、すぐにガードマン(職員)に追い出されてちまうんだよ」
ということらしい。
本来、空港とハバナ市内間のタクシー料金は、一律30CUC。
だがそれは、正規の許可を持つ車(黒と黄色のカラーリング)のみ。
今回、我らが乗車したのは、オンボロの〈もぐり〉。
本当は、空港発着が禁じられていたのだった。
こちらが差し出す22CUC分の札束を受け取り
空港の入口近くに、すーっと車を止めるドライバー。
慌てて下車した我らに笑顔で握手を求めると、素早く走り去っていった。
あのご機嫌ぶりを見ると、「もぐり」の相場は10~15ぐらいなのだろう。
ま、それでも多少は節約できたのだから、よしとしようか。
キューバ最大の国際空港といっても、日本の地方空港のほうがずっと大きい。
すぐにチェックインを済ませ、4~5軒並ぶショップをぶらついてみる。
まずは飲み物(微炭酸のオレンジジュースがお気に入り)を買って、ひと息。
土産物を扱う他の店にも立ち寄り、値札を見ると・・市内とほぼ同じ。
ここでは「空港料金」は存在しないようだ。
おまけに、町なかでは見かけなかったユニークな商品が。
カッコいいキューバンアート(上半身魚の人間がデザイン)のマグカップと
マッチ箱サイズのミニチュア(浴室内の様子)を購入する。
お土産らしいお土産は、この2品だけだったかも。
このあたりで、出発の1時間ちょい前。
到着時の検閲騒ぎ(新型コロナのため名前・住所・パスポート番号をチェックされた)
があったので、出国審査の時には緊張したが、何事もなくスムーズに搭乗口へ。
その後も、感染拡大の影響がまるで感じられない超満員の乗客を乗せ
ほぼ定刻どおりに、アエロメヒコは離陸。
我らふたりも、メキシコシティへの3時間20分の空の旅を
各自確保していた窓側席からの展望を楽しみつつ、のんびり過ごしたのだった。
◆アエロメヒコAM0452 ハバナ1505⇒1725メキシコシティ
可愛いプロペラ機、発見!
アディオス! キューバ
・・と、いつもなら、ここで旅の記録は完了するのだが。
今回ばかりは、もうひとつ「スペシャル・ステージ」が待っていた。
名づけて――メキシコシティの7時間。
しかもそれは、なんとも間の悪いことに
ハバナで食べた最後のスイーツが
「悪さ」をしでかし始める時間帯でもあったのだ。
ではでは、またね。