"値切りのプロ"への道は遠い・・ キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 7日目(その1)

2020年3月3日(火) ハバナメキシコシティ⇒成田(+1)

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          部屋のベランダから。朝のハバナ

朝8時半頃、先にホテルのチェックアウト&荷物を預けて

最終半日のハバナ旧市街へ向かう。

やっばり朝からいい天気。

この時期の気候が安定しているおかげだとは思うが

もともと天気運はかなり良く、今回も雨に悩まされずに済んだ。

 

とりあえず、朝食を。

せっかくのハバナなので、歴史のある店のひとつCafe O'Rellyを目指す。

「美しい螺旋階段のある、タイムスリップしたような店内」との紹介どおり

総木材張り?の落ち着いた感じの店。でも、なかはガラガラ。

遠目には入口に数人並んでいるように見えたので

「さすが、人気店。こんな早くから行列かよ・・」と思ったのだが

みんなコーヒー豆を買いに来た人たちだった。

・・ってことは、朝食はあまり人気がないのかな。

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               雰囲気は、抜群!

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             店内は、ほぼ"貸し切り"状態。

 

それでも、座り心地のよさそうな木造椅子&テーブルに惹かれて、店内へ。

ふたりともモーニングセットを注文したが、コーヒーと小振りなサンドイッチのみ。

しかも、フルーツいっぱいの昨日の朝食より高かった。

ま、半分以上は場所代ってことだろう。

せっかく空いていることだし、独り占め気分を満喫しよう。

オシャレな店内や、道行く人々などを眺めてのんびりと過ごした。

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                                     向かいの店では・・肉を切っていた

 

そうこうするうち、ようやく10時が近づいてきた。

他のお店も、商売を始める頃合いだ。

昨日は閉店時間内に入れなかった、蜂蜜・雑貨・バッグの店を回る。

・・だが、大量生産ではない、手作り感溢れる〈ちょっと洒落た土産物〉となると

一気に値段が高くなる(マジで、数倍~1ケタ違い)。

いずれも購入する気になれば、見るだけで終わってしまう

――こうなったら、キューバは諦め、メキシコシティに賭けよう!

7時間以上もある乗り継ぎ時間を利用して市内に繰り出し

どこかの大型スーパーで、チョコ・菓子・香辛料などをまとめ買いする作戦に

切り替えたのだった。

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              今日も、ホントにドピーカン

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              ワンコも外に出たがってる

てなわけで、残り時間で観光スポットのひとつ「革命博物館」へ。

こちらもひとり8CUC(800円強)と、なかなかの観光地値段だった。

そのくせ中味は・・正直、期待外れ。

元大統領官邸だけあって、建物こそ広く立派だが、展示品の半分ぐらいはパネル。

しかも工事中らしく、館内の3分の1程度しか立ち入ることができない。

これなら、トリニダーのほう(料金1CUCの革命博物館があった)に入れば良かった。

結局、カストロが着ていたらしき軍服の前で記念写真を撮っただけ。

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          ちょっと期待したエントランス「祖国か死か」

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            だけど、そこいらじゅう改装工事中で・・

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            なんだか〈紙系〉の展示品ばかり

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   一番気に入ったのが、これ。たぶんソユーズで宇宙に行った記念バッジ

 

空港に向かうまでには、なお1時間ほど余裕があったので

グーグルマップで見つけたアイスクリーム店に、行くことにした。

その途中、ベビーカーを押す若いカップルに声を掛けられた

やたら親し気で、以前日本に行ったことがある、などと笑顔で話し続ける。

そこで相方が、ベビーカーの中の男の子に目を付け、記念写真を撮らせてもらうと・・

同じ笑顔で男の方が「スーベニール(お土産)!」と言い、手を指し出してきた。

なんのことはない、撮影代をせがまれたのだ。

ここでお金を出すと、日本人観光客と見ると同じ手を使いかねないので

日本から持って来たキットカットを子供に手渡し

やや不満そうなキューバ人夫婦を残し、足早に立ち去った。

この先、観光化が進んでいくと、きっとこういう人たちが増えるんだろうな。

 

ともあれ、たどりついたアイスクリーム店で、キューバ最後のスイーツをいただく。

素材が新鮮なのか、この国のアイス&ジェラートは、レベルが高い。

ただし、どこも氷に生水を使っているらしく、この手のものを口にするたび

決まって4~5時間後、お腹が文句を言い出し、トイレ通いを繰り返すハメになる。

今回もまた、この〈ラスト・スイーツ〉のおかげで、ヤバい目に遭うのだった。

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        アイスは美味い! でも、下痢は覚悟しよう

 

12時過ぎ、ホテルに戻り、スーツケースを受け取るついでに

空港までタクシーを手配してもらえないか、訊いてみた。

すると、前もって予約しないとすぐ用意できない。30分ほど待つけどいいか?

と言われた。料金は、30CUC(来たときと同額〉。

やや迷ったが、昨日の"放浪"でタクシー慣れしていたので

自力でトライすることに。

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              ・・また来れるといいな

 

ホテルのイケメンスタッフ(学生バイトっぽい)に別れを告げ

スーツケースを抱えて階段を降り、大通りまで移動。

すぐに我らを見つけた仲介者が寄って来て、「タクシー?」と声をかけてきた。

・・いや、ここは自力でチャレンジしよう。

近くで停車中のタクシーに歩み寄り、直接運転手に行き先を告げ、料金を尋ねる。

すると彼は、一瞬考えてから、「30」。

さすがに確実にボッていることがわかったのだが、口を出た言葉は「20」。

運転手はにやっと笑って、「25」。

いけない!「10」にするぺきだった・・と心の内で臍を噛みつつ「22」。

当然のように、ドライバーは「OK!」ときた。

みれば、昨日最初に乗った穴ボコタクシーと同じレベルの、おんぼろ車。

15で充分だったなぁ。

すっかり愛想が良くなったドライバーは、スーツケースを受け取って車内へ。

出発した後も、何度も後部座席に座った我らに笑顔が話かけてくる。

やはり、我らは〈葱をしょったカモ〉だったらしい。

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          根っからのB級体質。ボロい車の方が落ち着く。

 

20分ほど走り、空港敷地内に入って来たところで

突然ドライバーが後ろに手を伸ばし、「22、22」と声をかけてきた。

降りる前に支払って欲しい、というのだ。

彼のカタコト英語と、我らの中学ヒアリング能力で理解したところでは

「俺の車だと、空港に乗り入れる許可を持っていないから

 入口に停車すると、すぐにガードマン(職員)に追い出されてちまうんだよ」

ということらしい。

本来、空港とハバナ市内間のタクシー料金は、一律30CUC。

だがそれは、正規の許可を持つ車(黒と黄色のカラーリング)のみ。

今回、我らが乗車したのは、オンボロの〈もぐり〉。

本当は、空港発着が禁じられていたのだった。

 

こちらが差し出す22CUC分の札束を受け取り

空港の入口近くに、すーっと車を止めるドライバー。

慌てて下車した我らに笑顔で握手を求めると、素早く走り去っていった。

あのご機嫌ぶりを見ると、「もぐり」の相場は10~15ぐらいなのだろう。

ま、それでも多少は節約できたのだから、よしとしようか。

 

キューバ最大の国際空港といっても、日本の地方空港のほうがずっと大きい。

すぐにチェックインを済ませ、4~5軒並ぶショップをぶらついてみる。

まずは飲み物(微炭酸のオレンジジュースがお気に入り)を買って、ひと息。

土産物を扱う他の店にも立ち寄り、値札を見ると・・市内とほぼ同じ。

ここでは「空港料金」は存在しないようだ。

おまけに、町なかでは見かけなかったユニークな商品が。

カッコいいキューバンアート(上半身魚の人間がデザイン)のマグカップ

マッチ箱サイズのミニチュア(浴室内の様子)を購入する。

お土産らしいお土産は、この2品だけだったかも。

 

このあたりで、出発の1時間ちょい前。

到着時の検閲騒ぎ(新型コロナのため名前・住所・パスポート番号をチェックされた)

があったので、出国審査の時には緊張したが、何事もなくスムーズに搭乗口へ。

その後も、感染拡大の影響がまるで感じられない超満員の乗客を乗せ

ほぼ定刻どおりに、アエロメヒコは離陸。

 

我らふたりも、メキシコシティへの3時間20分の空の旅を

各自確保していた窓側席からの展望を楽しみつつ、のんびり過ごしたのだった。

 

◆アエロメヒコAM0452 ハバナ1505⇒1725メキシコシティ

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             可愛いプロペラ機、発見!

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              アディオス! キューバ

 

・・と、いつもなら、ここで旅の記録は完了するのだが。

今回ばかりは、もうひとつ「スペシャル・ステージ」が待っていた。

名づけて――メキシコシティの7時間。

しかもそれは、なんとも間の悪いことに

ハバナで食べた最後のスイーツが

「悪さ」をしでかし始める時間帯でもあったのだ。

 

ではでは、またね。