豪華絢爛! CABARET PARISIEN  キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 6日目(その4)

2020年3月2日(月) ハバナ市内

 

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         ハバナのランドマーク・National de Cuba

 

1930年に建てられたハバナのシンボル的ホテル、National de Cuba。

その専用舞台で、毎晩開催されるCAVARET PARISIEN鑑賞すべく

アンティークな家具や装飾が点在する、はっきり言って場違いな館内へと侵入。

位置口近くにあったチケットカウンターで、当日券の購入を申し込む。

19時30分と21時の2回、講演があると「歩き方」に書いてあったので

夕食を考えれば、19時30分スタートの一択だった。

しかし、「本日分のチケットを2人分ほしい」までは「OK」だったが

希望の時間を告げると、窓口の女性は小さく首を振り

正面ガラスに貼られた一枚の紙を、指し示した。

そこに記されていたのは、ショーの開始時間――「OPEN/ 21:00」。

オフシーズンのせいか、夜9時スタートの1回しか行なわれていなかったのだ。

 

今夜、予定していたレストランの営業時間は、深夜0時まで。

終了後すぐにタクシーで乗り付ければ、ギリギリ間に合うタイミングではある。

とはいえ、のんびりゆったりという気分には、ほど遠い。

また、深夜の旧市街からホテルまでトコトコ歩てい帰るのも、少々心細い。

・・となると「ディナー」か「ショー」、どちらか諦めるしかない。

 

ディナー派のオレと、キャバレー派の相方で、ディスカッションが始まった。

「あのレストランではシーフード(ロブスター)しか食べていない。

 まだキューバで旨い肉に出会えていないので、ぜひオーダーしたいのだ」

と、訴えるディナー派。

(この時点で腹の不調はだいぶ収まっていた。というかトイレが頻繁なだけで

 胃袋の方は元気だったから、食べる分には問題なかったのだ。

 多少は「生水」に慣れたのか、昼間のジェラートも悪さをしてこなかった)

けれども相方は、いまだに〈トリニダー豚〉のダメージを引きずっており

普段の半分も食べることが出来ない状態だという。

そんな彼女にすれば、ずっと楽しみにしていたショーを諦めてまで

ディナーを優先する気にはなれないのも、無理はなかった。

 

結局のところ・・

ま、2回目よりは1回目の勝ちだよな――と、ショーをチョイス。

21時スタートのチケットを、2人分購入する。

ちなみに料金は、ひとり35CUC(ワンドリンク付き)。

「歩き方」に"一般客は40"とあったが、ホテルゲスト扱いだった。

ちょっと嬉しい。

 

てなわけで、いきなり生じた3時間以上ものフリータイム。

時間つぶしをかねて、どこかで簡単に夕食を済ませよう。

ホテルを出て、グーグルマップを見ながら、手頃な店を探してみた。

しかし、周辺は、ハバナでも有数の高級?エリア。

どこととなく、ホノルルの繁華街や、アジアンリゾートの中心地を連想させる

綺麗に整備された広い通りと、明らかに海外の観光客をターゲットにした

あか抜けたテラス風の店が、待ち構えていた。

入口のメニュー表を確認してみると、予想通り、料金設定もそれなり。

もちろん、日本の高級レストランに比べれば、はるかに安いんだけどね。

今夜のディナーに期待dていたオッサンは、ついつい愚痴っぽくなってしまう。

 

それでも、何かお腹に入れないと持たないことは明らかだった。

15分ほどあちこち覗いて回ったすえ、隠れ家風の飲み屋(カフェ)へ。

モヒートとハンバーガーで、簡単に済ませた。

食事よりお酒優先の、ゆったりくつろげる雰囲気だったが

呑み過ぎて、ショーの最中に「寝落ち」するわけにはいかない。

1時間ほどで切り上げ、海岸沿いの道をぶらつくことに。

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          カフェ・・じゃなくてbarだよね

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       地元の有名アイス店。営業時間内だっだけど閉店中

夜の8時過ぎとあって、すでにあたりは真っ暗。

カリブ海(メキシコ湾)にそって広い車道と歩道が延びており

街灯も点いていたが、やたら間隔が広く

「明るさ」より「暗さ」の方が完全に勝っていた。

それでも、家族・友人・カップルなどなど、かなりの人出が繰り出し

散歩したり護岸に腰掛け海を流めたり、思い思いに楽しんでいた。

夕食時に飲んだモヒートでほろ酔い気分だった我々も

ときどき、ドシャッと降り掛かってくる波しぶきを避けたり

落とし穴のように口を開ける歩道の亀裂につまずきかけたりと

スリリングながらも、楽しいひとときを過ごした。

数人の若者がこちらの姿に目を止め

「どこから来たの?」「日本だよ」「Oh Japan! ようこそ、キューバへ!」

なんてやりとりしたことも、いい思い出だ。

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          この波が、ときどきドワッと降りかかる

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        「キャバレー」入口。PARISIENだけにエッフェル塔

8時30分より少し前、ホテルの左手にあるショーのゲートに行くと

すでにタキシード姿の案内人が(年配の男性)が立っており

どうぞ中へ、と指し示したので、そのまま進み、専用入口の前で座って待つ。

なんと1番先頭だった。

ひょっとして・・ガラガラだったり?

それでも開演時間が近づくと、何組かが後ろに並び、10分間には入場開始。

ヨーロッパのお屋敷か、映画館のロビーか、という雰囲気のエントランスを通り

先導する案内人に従って、指定されたテーブル席に着席する。

あらかじめ座席は決まってるらしく、早く並んだメリットはなさそうだった。

だが、比較的空いていたおかげか、最前列から数列後ろの斜め30度あたりという

いわゆるベストポジションを用意してもらえた。

相席もなく、6人用ほどの広いテーブル席をふたり占め。

のんびりドリンク(モヒート)をいただきながら

開幕直前までしだいに埋まっていく会場の雰囲気を楽しむ。

そして、前座からメインまで、バラエティ&ボリュームたっぷりのステージ。

まずは楽器を手にした数人が舞台に登場、キューバの定番ミュージックを奏でる。

その間にも、ホテル滞在者らしきやや着飾った客がどんどん入って来て

最終的には8割程度の席が埋まった。(満席で4~500人あたり・・かな)

15分ぐらい経って、いよいよショーは本番に突入。

最初のうちは、フラメンコみたいな少人数による軽めの音楽だったので

これは失敗したかな・・と後悔しかけたけど

そんな不安を吹き飛ばすように、歌と踊りが目まぐるしく移り変わっていく。

気づけば、舞台狭しと歌い手と踊り子合わせて50人ほどが

圧巻のステージを繰り広げていた。

とくに、歌が、声がスゴイ。

大きく強く高く明るい・・〈ラテン版井上陽水〉と名づけたい喉の持ち主が

これでもかと、リズムとビートに乗った美声を披露する。

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     こんな感じで、曲想・衣装・歌い手がどんどん切り替わっていく

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            キューバというより、カリブ風?

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              いったい、いつまで続くのか‥‥

おまけに、「歩き方」には「ワンステージ45分」と書いてあったのに

45分どころか、1時間を回っても、まるで終わりそうな気配がない

その間も、およそ5分ごとに出演者が切り替わり、ボルテージは高まるばかり。

途中からは、歌と踊りに酔ったような、どこか夢見心地の気分になっていた。

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            ようやっと、クライマックスへ

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           フィナーレは"全員集合"で、大盛り上がり

すべてが終わったのは、実に11時近く。

前座の時間を除いても1時間30分に渡る、特大ボリュームのステージだった。

映画やコンサートはまだしも

芝居や踊りの鑑賞には、いまひとつ興味を持てずにいたのだが

今回ばかりは、「別格」と賞賛してしまおう。

強く希望していた相方に、感謝したい。

 

高揚した気分のままゲートに出ると

そこには、客待ちのタクシーが何台か並んでいた。

さすがに昼間乗ったようなオンボロは、どこにも見当たらない。

街灯の明かりを鏡のように写す、ツルッツルのおニュー(古いね)ばかり。

これまたビシッとした身なりのドライバーに、ホテルの住所を告げると

すかさず「15(CUC)」の答え。相場の倍の値段だった。

こちらの値引き交渉にも、自信たっぷりを首を振る。

・・ま、しょうがないか。

承諾して乗り込むと、さすがはホテル専属?タクシー。

ガラガラの海岸通りを猛スピードでかっ飛ばし

わずか4~5分で、ホテルの正面にピタリ。

これぞ、プロフェッショナル!

調子にのってチップをはずむと、ニヤリと笑って去って行った。

 

それにしても、5円のバスから穴あきボロ車。

最後は高級ホテル御用達のタクシーと、たった1日でいろんな車にのったものだ。

でもまだ観光用のクラシックカーも、リキシャみたいなバイクタクシーも残っている。

明日の午前中、飛行機の時間を気にしながらチャレンジするのも中途半端だし

いちおう〈次回のお楽しみ〉に取っておこう。

 

ではでは、またね。