2020年3月2日(月) ハバナ市内
道路標識にもお国柄が・・・
相変わらず低空飛行を続ける腹具合のおかげで
何度か〈トイレ参り〉を務めるハメとなり
またも充分に眠れぬまま朝を迎える。
これまでの海外旅行と同様、飲料水はペットボトルのミネラルウォーターのみ。
それなりに気を付けているのだが、飲食物に使う水や氷がヤバいらしい。
他の国と違い、明らかに外国人向けのカフェやレストランでも水の管理がゆるく
特にドリンク(モヒート)の氷、アイスクリームに使う水などが
しつこい腹痛&下痢症状を引き起こしているのだろう・・。
と、想像はつくのだが、3月早々だというのに、とにかく暑い。
特に強い陽射しが降り注ぐ日中は
ついつい冷たいデザートやドリンクに手が伸びてしまう。
実害といっても、インドでやられたの時のように寝込むほど重症ではなく
鈍い腹痛が続いたり、トイレが近くなったりする程度。
だから、〈冷たいものでホッと一息〉⇔〈やっぱり来たのか、今回も〉
の往復運動を、性懲りもなく繰り替えすのだった。
そんなわけで、この日も朝の8時過ぎ。
少々"おむずかり"のお腹を抱え、ホテルを出発。
途中、革命博物館の前庭で、兵士たちに守られた独立運動の記念品
――「グランマ号(ゲバラやカストロがキューバ上陸に使った船)」をはじめ
「装甲車」「戦闘機」「高射砲」などが、半放置状態で展示されている――
を眺めつつ、旧市街の北部へ。
革命博物館のゆる~い展示
キューバ革命の始まりを告げる「グランマ号」
現地の朝食ランキング第8位の店「Le de Monic」に入る。
8時半前ながら、広くない店はほほ満席状態。
ほぼすべての客が、海外からの観光客だ。
運よく空いた席に座り、人気だという朝食セットを注文する。
フレッシュジュースとサラダ、メインがハム卵料理+トーストという定番だが
評判通り、ボリュームはたっぷり。
なんとか頑張って完食したが
相方は「トリニダー・ランチ」のダメージを引きずっており、半分でギブアップ。
ネットで人気の店の共通点は、とにかく〈ボリューム〉に尽きる。
店の雰囲気・サービス・味を押しのけ、〈安くて腹に溜まること〉が最優先。
圧倒的に若い人の投票が多いので、値段と量が「いい店」の基準なのだ。
ヘンテコモニュメントが立つ広場
遠足? それとも社会見学?
元薬屋?シックな博物館にも迷い込んだり
その後、腹ごなしを兼ねて、旧市街をぶらりぶらり。
あったまって?きたところで、いよいよ本日のメインイベント。
市内を巡る路線バスに乗り、グーグルマップで見つけたスーパーマーケットへ!
海外旅行で定番になった、「スーパーでお土産をまとめ買い」という
ミッションをクリアするのだ。
しかしキューバ(ハバナ)の場合、バスはあまり使い勝手が良くない。
まず一カ所にバスが集まる「パスターミナル」は(少なくとも近くには)見当たらず
どこかルートの途中にあるバス停から乗る必要があった。
それでも、日本でプリントアウトしたバス路線図を持参してたので
「これさえあれば一発だ!」なんて楽観視していたのだが・・
やはり・・キューバは甘くなかった。
確かに、大通りの途中には、
明らかにバスを待っていそうな人々が、ごちゃっと集まっているエリアがあり
ほぼ数分ごとに乗客を満載したバスがやって来ては、適当な場所で停車。
数人~十数人が降り乗りして、また出発することを繰り返していた。
だから、"そこいらへん"がバス停なのは疑う余地がないのだが
完全に「地元民向け」の交通機関だからか
普通の国?なら当然設置されている、目印(ポールや看板)もあったりなかったり。
おかげで、どのバスがどの停留所に停まるのかが、いまひとつ判然としない。
もちろん、バスの正面上には路線を示す(アルファベット+)番号が貼ってあり
そのナンバーを「路線図」と照らし合わせれば
目指すスーパーマーケット方面行きのバスに乗れるはずだった。
理論上は。
しかし、バス停の表示がわかりにくい(存在しない)ため
目指すバスがこのあたりに停車するのかどうかさえ、確認できないのだ。
それでも、ほかに方法はない。
待っていれば、そのうち目的地方向へ向かうバスが来るだろう。
「路線図」でチェックしておいた、バスの番号(3つほどあった)を唱えつつ
蒸し暑く、埃っぽく、排気ガスの匂いがキツいバス停?で待ち続けること
20分・・40分・・そして60分。
ナンバーの異なる十数台のバスを、力なく見送り
う~ん、やっぱりここじゃないのかな~・・と諦めかけた、そのとき。
ついに求める「P14」のバスが、視線の先に現れた!
同じように待ちくたびれていたのだろう、十人以上の地元民が身を乗り出し
停車しかけたバスの乗車口に、わらわらと群がっていく。
ここで、乗り遅れるわけにはいかない。
人の流れに混じって、バス前方のドアから乗り込み
チラリとこっちを見た運転手に「ドス(二人)」と声をかけ
握りしめていた10センターボ(10円前後)コインを、料金箱に投入。
小さくうなずく運転手を見て、私・相方の順で車内に進む。
やった・・2人分10円でバスに乗れた!!
しかもラッキーなことに、2人とも空席(窓側)に座ることができた。
むろん観光バスとは違って、かなり汚れた窓越しではあったが
それでも外の景色を眺めながらの、快適なハバナ市内を巡る旅が始まった。
・・・・というわけにはいかないんだ。キューバだから。
ではでは、またね。