運賃5円のバスに乗る キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 6日目(その1)

2020年3月2日(月) ハバナ市内

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             道路標識にもお国柄が・・・

相変わらず低空飛行を続ける腹具合のおかげで

何度か〈トイレ参り〉を務めるハメとなり

またも充分に眠れぬまま朝を迎える。

これまでの海外旅行と同様、飲料水はペットボトルのミネラルウォーターのみ。

それなりに気を付けているのだが、飲食物に使う水や氷がヤバいらしい。

他の国と違い、明らかに外国人向けのカフェやレストランでも水の管理がゆるく

特にドリンク(モヒート)の氷、アイスクリームに使う水などが

しつこい腹痛&下痢症状を引き起こしているのだろう・・。

と、想像はつくのだが、3月早々だというのに、とにかく暑い。

特に強い陽射しが降り注ぐ日中は

ついつい冷たいデザートやドリンクに手が伸びてしまう。

実害といっても、インドでやられたの時のように寝込むほど重症ではなく

鈍い腹痛が続いたり、トイレが近くなったりする程度。

だから、〈冷たいものでホッと一息〉⇔〈やっぱり来たのか、今回も〉

の往復運動を、性懲りもなく繰り替えすのだった。

 

そんなわけで、この日も朝の8時過ぎ。

少々"おむずかり"のお腹を抱え、ホテルを出発。

途中、革命博物館の前庭で、兵士たちに守られた独立運動の記念品

――「グランマ号(ゲバラカストロキューバ上陸に使った船)」をはじめ

「装甲車」「戦闘機」「高射砲」などが、半放置状態で展示されている――

を眺めつつ、旧市街の北部へ。

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             革命博物館のゆる~い展示

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          キューバ革命の始まりを告げる「グランマ号」

現地の朝食ランキング第8位の店「Le de Monic」に入る。

8時半前ながら、広くない店はほほ満席状態。

ほぼすべての客が、海外からの観光客だ。

運よく空いた席に座り、人気だという朝食セットを注文する。

フレッシュジュースとサラダ、メインがハム卵料理+トーストという定番だが

評判通り、ボリュームはたっぷり。

なんとか頑張って完食したが

相方は「トリニダー・ランチ」のダメージを引きずっており、半分でギブアップ。

ネットで人気の店の共通点は、とにかく〈ボリューム〉に尽きる。

店の雰囲気・サービス・味を押しのけ、〈安くて腹に溜まること〉が最優先。

圧倒的に若い人の投票が多いので、値段と量が「いい店」の基準なのだ。

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          ヘンテコモニュメントが立つ広場

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            遠足? それとも社会見学?

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          元薬屋?シックな博物館にも迷い込んだり

 

その後、腹ごなしを兼ねて、旧市街をぶらりぶらり。

あったまって?きたところで、いよいよ本日のメインイベント。

市内を巡る路線バスに乗り、グーグルマップで見つけたスーパーマーケットへ!

海外旅行で定番になった、「スーパーでお土産をまとめ買い」という

ミッションをクリアするのだ。

 

しかしキューバハバナ)の場合、バスはあまり使い勝手が良くない。

まず一カ所にバスが集まる「パスターミナル」は(少なくとも近くには)見当たらず

どこかルートの途中にあるバス停から乗る必要があった。

それでも、日本でプリントアウトしたバス路線図を持参してたので

「これさえあれば一発だ!」なんて楽観視していたのだが・・

やはり・・キューバは甘くなかった。

 

確かに、大通りの途中には、

明らかにバスを待っていそうな人々が、ごちゃっと集まっているエリアがあり

ほぼ数分ごとに乗客を満載したバスがやって来ては、適当な場所で停車。

数人~十数人が降り乗りして、また出発することを繰り返していた。

だから、"そこいらへん"がバス停なのは疑う余地がないのだが

完全に「地元民向け」の交通機関だからか

普通の国?なら当然設置されている、目印(ポールや看板)もあったりなかったり。

おかげで、どのバスがどの停留所に停まるのかが、いまひとつ判然としない。

もちろん、バスの正面上には路線を示す(アルファベット+)番号が貼ってあり

そのナンバーを「路線図」と照らし合わせれば

目指すスーパーマーケット方面行きのバスに乗れるはずだった。

理論上は。

しかし、バス停の表示がわかりにくい(存在しない)ため

目指すバスがこのあたりに停車するのかどうかさえ、確認できないのだ。

 

それでも、ほかに方法はない。

待っていれば、そのうち目的地方向へ向かうバスが来るだろう。

「路線図」でチェックしておいた、バスの番号(3つほどあった)を唱えつつ

蒸し暑く、埃っぽく、排気ガスの匂いがキツいバス停?で待ち続けること

20分・・40分・・そして60分。

ナンバーの異なる十数台のバスを、力なく見送り

う~ん、やっぱりここじゃないのかな~・・と諦めかけた、そのとき。

ついに求める「P14」のバスが、視線の先に現れた!

同じように待ちくたびれていたのだろう、十人以上の地元民が身を乗り出し

停車しかけたバスの乗車口に、わらわらと群がっていく。

 

ここで、乗り遅れるわけにはいかない。

人の流れに混じって、バス前方のドアから乗り込み

チラリとこっちを見た運転手に「ドス(二人)」と声をかけ

握りしめていた10センターボ(10円前後)コインを、料金箱に投入。

小さくうなずく運転手を見て、私・相方の順で車内に進む。

やった・・2人分10円でバスに乗れた!!

しかもラッキーなことに、2人とも空席(窓側)に座ることができた。

むろん観光バスとは違って、かなり汚れた窓越しではあったが

それでも外の景色を眺めながらの、快適なハバナ市内を巡る旅が始まった。

・・・・というわけにはいかないんだ。キューバだから。

 

ではでは、またね。