2020年3月1日(日) トリニダー⇒ハバナ
キューバで最後の二晩を、そこそこ優雅に過ごそうと
ちょっとだけ奮発して、ホテル形式の宿を予約。
広くて寝心地のよいベッドでごろごろしたり
バルコニーの椅子に座って眼下の通りを眺めたりと
プチ・リゾート感覚を満喫する、おっさんとおばさんだったが
・・〈水難〉は、こんなとこにもひょっこり顔をだす。
それは、キューバの旅ですっかり日課となった「トイレチェック」。
深く静かに続いていた〈お腹の不調〉をなだめるべく
相方と交代で用を足していたときだった。
苦闘しながらも「オツトメ」を済ませ、水洗バーをプッシュ。
――水が、流れない。
いや、谷間の湧き水のようにチョロチョロ流れるばかりで
これっぽっちも〈水洗〉の役を果たさないのだ。
すぐにホテルのスタッフを呼び
「何とか直らないか」と頼んでみたものの
明らかに学生らしきインテリメガネのイケメン兄ちゃんは
何度かレバーを押しても状況が変わらないことを確認しただけで
きっぱり我々を見つめて「大したトラブルじゃないよ」
と、もう完全に気合で誤魔化す無責任体制へと切り替わった。
ならばと、部屋の交換を申し出たが
「空き部屋がない」と、またも胸を張って宣言する。
・・・だめだ、こりゃ。
仕方なく、スタッフにはお引き取りいただき
自力で何とかしようと、〈にわかDIYモード〉にチェンジ。
廃水レバーにかける力の加減を、あれこれパターンを変えて試したり
貯水タンクの蓋を開け、レバーと浮輪?の接続をチェックしたりと、試行錯誤。
すると、およそ20分後。
なぜそうなるのかはわからなかったが
いったん水道の元栓を閉じ、改めて開くと、
たまに、便器内への水漏れがストップ。
水洗に必要な量がタンクの中に溜まってくれる・・という事実が判明。
そこで今後は、こまめに水の元栓を開閉しながら
だましだまし使うことにした。
それにしても、トイレ・シャワー・生水と
キューバのトラブルは、やたら《水がらみ》が多い気がする。
◆キューバの教訓◆『生水』と『水まわり』には、くれぐれも注意せよ!
汗だくになったトイレとの格闘で
つかのまのリゾート気分は、あっさり消滅。
ふたりとも散発的なストライキを続けるお腹を抱え
小一時間ほど、ベッドでごろり。
実は、5日目に入ったというのに
なぜか今回に限って、未だに時差ボケが治りきっておらず
夕方近く(日本では明け方)になると、決まって強い睡魔に襲われるのだ。
それでも、暗くなるまで部屋に留まっていては
この日の行動が「長距離バス移動のみ」で、完結しかねない。
お互いに励まし合いながら、16時30分すぎ、フラフラ外に出ていく。
みんなで"押しがけ"、ポンコツ車
動いたぞ。さあ、乗った乗った!
幸い、旧国会議事堂やセントラル広場のある中心部までは
歩いてわずか数分という、好立地。
広場の北に伸びる一段高い歩道スペースで、絵の市場?が開かれていたので
いかにも南国っぽい、色鮮やかな作品の数々を眺めて歩く。
そこから東へ進むと、革命博物館の前庭が左手に現れ
やはり数分で、最大の観光スポット・旧市街。
様々な国からやって来た観光客に混ざって、街並みや店を見て回る。
・・しかし、いまいち面白くない。
1・2日目の町歩きでも感じたことだが、商品のバラエティが乏しいのだ。
どの店に入っても、並んでいるのは、決まった数種類の「ザ・土産もの」ばかり。
いつも旅先でおこなっている、個性的なお店で面白い品を探す。
という楽しみ方が、なかなかできない。
もちろん〈オリジナリティのある店〉もポツリポツリとは見つかるものの
あ、これいいじゃん!・・と思うようなヤツは、文字通り「桁違いのお値段」ばかり。
明らかに、外国からの観光客だけをターゲットにした、〈高級品〉扱いなのだ。
結局、夕方のハバナ旧市街を1時間以上、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと
歩き回ったが、なにひとつ買わずじまい。
夕涼みに出ているのか、やたら地元の人々で賑わう広場のベンチに座り
売店で買ったジュースを飲んで、ひとやすみ。(そういえば、日曜だった)
・・なーんか、お腹が空いてきたね。
気が付けば、すでに18時過ぎ。
ろくに昼食も食べていなかったので、当然の自然現象だ。
ちょっと早いけど、どっかで晩飯にしよう。
事前に調べたネット情報で「人気の店」をチェックしてみると
すぐ近くに、この時間でも営業中の店を発見。
善は急げ?とばかり、綺麗なネオンと賑やかなキューバミュージックで
存在感を際立たせていたレストラン「Mojito Mojito」に入る。
(ちなみにネットの人気ランキングは第2位だった)
明るく開放的な店内と、料理も雰囲気もいうことなし。
なにより、早めの時間だったのが幸いして、すぐ近くで生演奏を楽しめた。
昨夜、トリニダーで聞いたアコースティックな音楽とは違い
今回は、サルサ?みたいな、ビートとパンチの効いたモダンミュージック。
おまけに、若い男性ボーカルの声の〈伸び〉が、ハンパないのだ。
こんなクリアで力強い声を出す歌手、日本では井上陽水ぐらいしか思い浮かばない。
演奏後、チップを求めて若い子が回って来たとき
衝動的にCD(DVD?)を購入していまうほど、気に入った。
(帰国後、再生しようとCDプレーヤー、DVDプレーヤー、パソコンで試してみたが。
まるで開くことができなかった。方式が違うのか?「なんちゃって」なのか?)
ともあれ、料理と音楽に大満足。
そのままほろ酔い気分で、夜の旧市街をぶらつきながら
21時過ぎにはホテルに戻ることが出来た。
明日は、朝から晩までハバナ市内を巡る予定だから
ゆっくり休んでいられる。
・・というより、実質最終日なので、心残りがないようしっかり過ごさなければ。
唯一の気がかりだった「トイレの水問題」も
何度か試すうち、コツがわかってきた。
「流れない」という最悪の事態だけは避けられそう。やれやれ。
相変わらず、二人とも腹具合はイマイチ。
しょっちゅうトイレのお世話になるだけに、正直、大問題だったのだ。
いよいよ明日は、庶民の足・路線バスに挑戦だ!!
ではでは、またね。