2020年3月2日(月) ハバナ市内
路線バスの写真は・・・失念していた
1時間以上バス停で待ち続けたすえ、やっとこ乗車に成功。
幸い空席もゲットでき、ひと息つくこともできた。
あとは車窓風景を楽しみながら、時々グーグルマップをチェック。
目指すスーパーマーケットの近くに来たら、バスを降りるだけでいい。
と、うっかり安心していたのだが‥‥
旧市街を北に抜け海岸線沿いに西へ進むにつれ、徐々に道が混雑。
この調子じゃ歩いた方がよっぽど早いと感じるほど、バスの速度がスローダウン。
しかもルートがあっちこっちに逸れまくり、出来の悪い一筆書きみたいだ。
ちなみにマップで見つけた「ハバナ最大のスーパーマーケット」の所在地は
中心街から西へ10キロほど離れた、Miramerと呼ばれる地域。
だが、この〈くねくねぶり〉だと、いつになったらたどりつけることやら。
さらに時間が経つにつれ、車内の混雑ぶりはエスカレート。
気が付けば、どこのラッシュアワーかというぎゅうぎゅう詰め状態になっていた。
それでも、乗ってしまったからには、ジタバタしても仕方ない。
エアコンもなく、人いきれでムンムンする満員バスに揺られること、およそ1時間。
このまま乗り続けていると離れるばかりだと判断し、適当なバス停で下車する。
改めてグーグルマップで確かめた目的地までの距離は・・およそ1キロ。
ふと顔を上げると、真昼の強い陽射しがカンカン降り注ぐ大通りが延々続いていた。
実は、事前に調べた路線図には、スーパーのすぐそばを通るルートもあったのだが
そもそも何分(時間)間隔で「バス停」に来るかが、わからない。
結果、候補に挙げた3つの〈番号〉のうち、最初に来たバスに飛びついたのものの
それは、目的地のかなり南の内陸を通るルートだった・・というわけ。
Miramarのニャンたち
ともかく気合を入れ直し、広い通りの街路樹の陰を伝うように、歩き出す。
しかし、このあたりの地区(Miramar)は、旧市街とまったく雰囲気が違っていた。
片側2車線の広い通り中心と両側に街路樹つきの歩道が延びており
綺麗に区画整理された庭付きの一戸建てが立ち並んでいる。
まるでホノルルの郊外に迷い込んだような、明るく広々とした住宅街。
――それもそのはず、革命前、アメリカ人が住んでいた〈外人専用地区〉らしい。
そんなこんなで、強烈な日差しに顔をしかめ
グーグルマップを頼りにさまようこと、およそ20分。
ようやっと、巨大な倉庫のようなスーパーマーケットを発見!
駐車場に入る車が列をなし、出入りするお客さんの数もハンパない。
よし。これならきっと、安くて美味しいお菓子やスパイスが揃っているはず!
さっそく、入口脇の荷物預かりカウンターにデイバックを預け
冷房の効いた広い店内へと、足を踏み入れた。
「ハバナ最大のスーパーマーケット」に、ついに到着!
・・・・・・・あれ?
なんか・・品数が、メッチャ少なくない?
カルフールとか、ミグロスとか、海外でよく見かける巨大スーパーと同じように
店内には長い商品棚がいくつも列を作っていた。
ところが、数十メートルも続く棚に並んでいる商品のバリエーションたるや
わずか2~3種類の繰り返しでしかない。
たとえば、お菓子なら「オレオ」と他の一種類だけが巨大な塊を作り
それが一定間隔で、ドカンドカンと積まれているだけだったのだ。
ハバナ最大のスーパー、充実のラインナップ
フランスやイタリアの国旗が並んでいるような、2~3色の連なりに
30数年前、解放間もない中国の百貨店で目にした光景が、重なり合い
多彩な品々を競い合う資本主義国と違い、ここキューバは輸入が統制されている。
そのため認可された特定の商品以外、市場に出回らない。
この国に来て以来、商店に入るたび感じた〈物足りなさ〉の原因は
なんと政治システムの違いにあったのだ。
かくして、旧市街のバス停エリアでの「待ちぼうけ」に始まる
3時間余りの苦闘の末たどりついた「ハバナ最大のスーパーマーケット」で
我々はなにひとつ購入せず、よろよろと退去していた。
気が付けば、すでに13時近く。
そろそろ何か食べたいね。それより喉がカラカラだよ。
力なく言葉を交わし、グーグルマップでランチに良さそうな店をリサーチすると
うってつけの情報をゲット。すぐ近く人気のレストランが!
「南国らしい雰囲気の店」という紹介文から、期待を胸にたどりつくと・・閉鎖中。
年中無休とあったのに、営業している雰囲気は皆無。潰れたのかも。
それでも、数軒先のジェラート店は営業中で、かなりの客で賑わっていた。
気を取り直してその店「El Gelato」に入り、ダブルのワッフルコーン(2CUC)を注文。
少々物足りなかったが、昼食代わりにする。
実際のところ、空腹より喉の渇き方が厳しかったので、二人とも不満はなかった。
だがオーダーする直前、食欲とは異なる思いが、一瞬、頭をよぎる。
・・ここの氷もヤバイんじゃないか?
連日我らのお腹に悪さをしている〈生水〉への「不安」だ。
しかし、冷たいスイーツへの誘惑は、ちっぽけな不安をあっさり吹き飛ばし
気づいたときには、共に満足顔でワッフルコーンを完食していた。
その結果、どうなったかは――次回に続く。
ではでは、またね。
対岸から、ハバナ市街を臨む