"ハバナ最大級スーパー"の衝撃 キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 6日目(その2)

2020年3月2日(月) ハバナ市内

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           路線バスの写真は・・・失念していた

        

1時間以上バス停で待ち続けたすえ、やっとこ乗車に成功。

幸い空席もゲットでき、ひと息つくこともできた。

あとは車窓風景を楽しみながら、時々グーグルマップをチェック。

目指すスーパーマーケットの近くに来たら、バスを降りるだけでいい。

 と、うっかり安心していたのだが‥‥

 

旧市街を北に抜け海岸線沿いに西へ進むにつれ、徐々に道が混雑。

この調子じゃ歩いた方がよっぽど早いと感じるほど、バスの速度がスローダウン。

しかもルートがあっちこっちに逸れまくり、出来の悪い一筆書きみたいだ。

 

ちなみにマップで見つけた「ハバナ最大のスーパーマーケット」の所在地は

中心街から西へ10キロほど離れた、Miramerと呼ばれる地域。

近くに日本大使館のある、ハバナ郊外の(高級〉住宅地だ。

だが、この〈くねくねぶり〉だと、いつになったらたどりつけることやら。

さらに時間が経つにつれ、車内の混雑ぶりはエスカレート。

気が付けば、どこのラッシュアワーかというぎゅうぎゅう詰め状態になっていた。

 それでも、乗ってしまったからには、ジタバタしても仕方ない。

エアコンもなく、人いきれでムンムンする満員バスに揺られること、およそ1時間。

このまま乗り続けていると離れるばかりだと判断し、適当なバス停で下車する。

改めてグーグルマップで確かめた目的地までの距離は・・およそ1キロ。

ふと顔を上げると、真昼の強い陽射しがカンカン降り注ぐ大通りが延々続いていた。

 

実は、事前に調べた路線図には、スーパーのすぐそばを通るルートもあったのだが

そもそも何分(時間)間隔で「バス停」に来るかが、わからない。

結果、候補に挙げた3つの〈番号〉のうち、最初に来たバスに飛びついたのものの

それは、目的地のかなり南の内陸を通るルートだった・・というわけ。

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               Miramarのニャンたち

ともかく気合を入れ直し、広い通りの街路樹の陰を伝うように、歩き出す。

しかし、このあたりの地区(Miramar)は、旧市街とまったく雰囲気が違っていた。

片側2車線の広い通り中心と両側に街路樹つきの歩道が延びており

綺麗に区画整理された庭付きの一戸建てが立ち並んでいる。

まるでホノルルの郊外に迷い込んだような、明るく広々とした住宅街。

――それもそのはず、革命前、アメリカ人が住んでいた〈外人専用地区〉らしい。

 

そんなこんなで、強烈な日差しに顔をしかめ

グーグルマップを頼りにさまようこと、およそ20分。

ようやっと、巨大な倉庫のようなスーパーマーケットを発見!

駐車場に入る車が列をなし、出入りするお客さんの数もハンパない。

よし。これならきっと、安くて美味しいお菓子やスパイスが揃っているはず!

さっそく、入口脇の荷物預かりカウンターにデイバックを預け

冷房の効いた広い店内へと、足を踏み入れた。

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     「ハバナ最大のスーパーマーケット」に、ついに到着!

 

・・・・・・・あれ?

なんか・・品数が、メッチャ少なくない?

カルフールとか、ミグロスとか、海外でよく見かける巨大スーパーと同じように

店内には長い商品棚がいくつも列を作っていた。

ところが、数十メートルも続く棚に並んでいる商品のバリエーションたるや

わずか2~3種類の繰り返しでしかない。

たとえば、お菓子なら「オレオ」と他の一種類だけが巨大な塊を作り

それが一定間隔で、ドカンドカンと積まれているだけだったのだ。

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       ハバナ最大のスーパー、充実のラインナップ

 

フランスやイタリアの国旗が並んでいるような、2~3色の連なりに

30数年前、解放間もない中国の百貨店で目にした光景が、重なり合い

――社会主義キューバを、痛感させられた。

多彩な品々を競い合う資本主義国と違い、ここキューバは輸入が統制されている。

そのため認可された特定の商品以外、市場に出回らない。

この国に来て以来、商店に入るたび感じた〈物足りなさ〉の原因は

なんと政治システムの違いにあったのだ。

 

かくして、旧市街のバス停エリアでの「待ちぼうけ」に始まる

3時間余りの苦闘の末たどりついた「ハバナ最大のスーパーマーケット」で

我々はなにひとつ購入せず、よろよろと退去していた。

 

気が付けば、すでに13時近く。

そろそろ何か食べたいね。それより喉がカラカラだよ。

力なく言葉を交わし、グーグルマップでランチに良さそうな店をリサーチすると

うってつけの情報をゲット。すぐ近く人気のレストランが!

「南国らしい雰囲気の店」という紹介文から、期待を胸にたどりつくと・・閉鎖中。

年中無休とあったのに、営業している雰囲気は皆無。潰れたのかも。

 

それでも、数軒先のジェラート店は営業中で、かなりの客で賑わっていた。

気を取り直してその店「El Gelato」に入り、ダブルのワッフルコーン(2CUC)を注文。

少々物足りなかったが、昼食代わりにする。

実際のところ、空腹より喉の渇き方が厳しかったので、二人とも不満はなかった。

だがオーダーする直前、食欲とは異なる思いが、一瞬、頭をよぎる。

・・ここの氷もヤバイんじゃないか?

連日我らのお腹に悪さをしている〈生水〉への「不安」だ。

しかし、冷たいスイーツへの誘惑は、ちっぽけな不安をあっさり吹き飛ばし

気づいたときには、共に満足顔でワッフルコーンを完食していた。

その結果、どうなったかは――次回に続く。

 

ではでは、またね。

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            対岸から、ハバナ市街を臨む