音楽の都「トリニダー」の底力 キューバふたり旅 2020.2.26-3.5 3日目(その4)

2020年2月28日(金) ハバナ⇒トリニダー

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夜はリキシャもひと休み?

シャワーを浴びてリフレッシュしている間にも

外から流れてくるキューバ?ミュージックの音が、大きくなってくる。

部屋で休んでいるのがもったいなく思え、予定より早めに屋外へ。

何度も「ドール?」と聞き直した裏口の扉を開け

ポツリポツリと明かりが灯りはじめた、たそがれ時の石畳道を下っていく。

ちなみに今回宿泊したカーサ(宿)は、斜面に広がる市街地の高い場所にあり

中心部や広場を目指すと、ほとんどが下り坂になる。

(だからこそ、スーツケースを曳いて宿まで行くのが一苦労だったのだ)

うっすら夕焼け空が残る街路に、素朴な裸電球色の明かりが映える。

そこに水色・桃色・オレンジ色・緑色など、パステルカラーの家々が連なり

どちらを向いても、絵になる景色ばかりだ。

行き交う地元の住民も、ハバナ市内よりずっと肩の力が抜けている。

商店の人も商売熱心とはほど遠く、ご近所同士での談笑に夢中だったり。

なんとなく子供時代の夏祭りを思い出すような、ホッとする情景だ。

そして、祭囃子の代わりに聞こえて来るのは、多種多様な音楽。

伝統的なキューバ音楽に始まり、レゲエ、サルサメレンゲ

果ては、懐かしの80年代ロックナンバー(クイーンとか)まで

いたるところから生演奏が流れてくる。

どこもドリンク付きで10CUC(1000円)程度。

音楽好きにはたまらない環境だ。

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さすがに音楽は聞こえてこないけど・・

とりわけ、.町一番の盛り場.・マヨール広場では、大掛かりなライブの真っ最中。

立て看板の向こう側に数百の折りたたみイスが並べられ

半分ほど埋まった観客に、ラテンミュージックのヒットパレードを披露していた。

2月の末だというのに、あちこちで咲き誇る原色の花々が

広場のお祭り気分を、いっそう盛り上げている。

それにしても、この「ユルさ」は、なんなんだろう。

お金を払って会場内に入らなくても、屋外だからいくらでも聴き放題なのだ。

我々も、その恩恵をたっぶり享受させてもらい

あちらこちらと歩きながら、バラエティ豊かな生演奏を鑑賞することに。

 

しばらく〈聴き歩き〉を楽しんでいると、あっという間に時刻は20時まぢか。

さすがに、お腹が空いてきた。

朝はバーガー?一個、昼はスナック菓子のみで、空腹にならないほうが不思議だ。

事前にネットで調べておいた「トリニダーの人気レストラン一覧」を開き

近場から順に回ってみると・・

たまたま週末(金曜)の夜という巡り合わせのせいか、人気の店はどこも満員。

第一希望にしていたイタリアンレストランの前にも、長い列ができていた。

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だんだん暗くなってきた

しかたないなあ・・

観光客でごった返すメインストリートを外れ、バス通りに向かってトボトボ進む。

すると、行く手の右側に、ポツンと明かりがともる入り口。

その前で、おじさん(といっても40代ぐらい〉が立ち

.通り過ぎようと舌我々に、熱心に声をかけてきた。

そういえばここも、リストアップした人気店のひとつだったはず。

どんな感じかな? ひょいと中を覗くと、邸宅の中庭がそのままレストラン。

数人のバンドが、アコースティックな生演奏を披露している。

客席もほとんど埋まっていて、それも地元の人が多いようだった。

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入口はとても地味。

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中庭は、この先に

――よし、ここに決めよう。

店の名は RESTAURANTE-BAR-HOSTAL Palador Sol Y Son。

おそらく地元の名士かなにか、裕福な人の邸宅だったのだろう。

歴史を感じさせる調度品が並ぶ居室を抜けて、中庭に足を踏み入れると

回廊に囲まれた緑豊かな空間が待っていた。

各テーブルにキャンドルライトが灯され、ちょっと恥ずくなるほど、よい雰囲気。

幸い、昨夜に始まる〈腸の反乱〉も下火になってきたので

好きなものを好きなだけ食べることができそうだ。

たぶん昔ながらのキューバ音楽だろう

アコースティックな演奏をパックにした伸びのある歌声をお供に

一日ぶりのまともな食事を、しっかりいただくことができた。

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ホント、この日はろくな写真を撮っていなかった・・

結局、生演奏が終わるまで居坐り続け

レストランを後にしたのは、22時過ぎだった。

それでも、宿を目指して来た道を引き返す、その両側から

いろいろな音楽が聞こえてくる。

むしろ、これからが本番だ!とばかり、演奏にも熱が入っていた。

数十メートル進むたびに、また新しい音楽が迎えてくれる・・

どこか夢のなかのような石畳道を、のんびりゆっくりと、登っていく。

やっばり、来てみてよかった。

 

ではでは、またね。