朝ごはんはカフェで決まり 京都の旅 by Goto 2020.11.24-27 Ara-kanふたり旅 1日目〔前編〕 

. 2020.11.24(火)

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日本の秋は、やっぱこれだ。

コロナ・パンデミックで泣く泣くキャンセルした

リスボンバルセロナ バス&列車の旅(11/26-12/3)の

せめてもの代替案として、Gotoトラベルを利用。

「京都(&奈良)の旅」に出掛けてきた。

 

極力追加料金をかけない旅を心掛けたので

行きの新幹線(のぞみ号)は、朝6時半過ぎ(新横浜発)の早朝便だ。

おりしも直前の三連休で、新型コロナの感染者が急増。

前日には札幌と大阪のGotoにストップがかかり

対象地域外とはいえ、新幹線もガラガラかと思いきや

予想に反して、ほとんど空席なし。

みなさん「今さらキャンセルできるか」というのが、ホンネだと思う。

 

ただ、あくまでも私見ではあるが

今回の「急増」の真犯人はGotoではなく

秋の深まりとともに寒気と乾燥が進み、ウイルスが繁殖しやすくなったことと

イートが始まったことによる飲食店での混雑ぶり

加えて〈自粛疲れ〉と〈自粛慣れ〉からの気のゆるみ。

これら三者が重なり合って、徐々に拡大したものと考えている。

本当に「Gotoトラベル」がクロだったら、

キャンペーン開始と歩調を合わせて拡大し初めていたはず。

なのに、7月下旬にスタートして8・9・10月半ばまでの

3か月近い間、感染者数の増加はほとんどなし。

自称専門家の皆さまは、このあたりの現実をどう言い逃れるのか。

どーでもいいけど、ちょっとだけお尋ねしたい気もする。

 

いきなり「旅」から「コロナ」に話がズレてしまった。

ともあれ、ほぼ満席ののぞみ号車内。

騒いだりはしゃいだりの声は、まったくの皆無。

たまにボソボソ話す気配がするだけで、見事なまでの無音状態である。

もちろん早朝という時間帯のせいもあるだろうけど

利用者の誰もが「会話→ウイルス拡散」のリスクは心得ているようだった。

 

そうこうするうち、あっという間に京都着。

2時間足らずで目的地に着いてしまうなんて、ホント、楽になったなぁ。

新幹線ホームから改札口に降りると

コンコースの中央に「現在の紅葉状況一覧」が張り出されていた。

どれどれ・・と覗いてみると、予想以上に紅葉か進んでいることが判明。

嵐山など代表的な紅葉名所に至っては、「散り始め」の表示が。

どうやら、例年よりもだいぶ色づきが早いようだ。

新型コロナで外国人観光客がほぼゼロになった今年こそ

京都で紅葉を見る最大のチャンス!

そう考え、例年一番の盛りの時期に日程を合わせてやって来たのに・・

ま、現実はそんなもんだよね。

 

気を取りなおし、用意されていた「主な観光ポイントの地図」から

訪問を検討していた数枚を入手。

通勤通学で混雑する駅構内を抜け、同じフロアの総合案内所で

バス一日券を購入し、徒歩5分ほどのホテルまで移動。

さっそく入口で検温を受け、手指を消毒する。

もちろん自宅を出発してから、ずっとマスクを着けたままだ。

スーツケースなど大荷物を預かってもらい、まずは身軽になった。

これでまだ、朝の9時すぎ。

 

さっそく駅前のバスターミナルに戻り

四層に分かれた複雑な構造に右往左往しながら

どうにかこうにか、目的地に向かうらしきバスに乗り込む。

目指すは、創業八〇年を迎えたイノダ・コーヒー本店。

ずっと前から、気になっていたスポットだ。

 

40年近くの間、国内外を問わず100か所以上旅してきたが

なぜか京都という街には、あまり縁がなかった。

純粋な観光目的で訪れたのは、ほんの2~3回ほど。

結婚して間もない頃の、年末年始(知恩院に二年参り)と

子供たちが学校に上がる前(東名高速をひた走る)ぐらい。

いずれも、30年以上前のことだ。

当時は、隣の奈良の方が気に入っていたので

京都を経由してそっちに滞在するほうがおおかったのだ。

 

そんなこんなで、なんとなく京都には

「観光スポットは多いけど、拝観料や入場料がバカにならない。

 食べ物だって、高いわりにはイマイチだし・・」

ぐらいの、あまりよい印象を抱いていなかった。

正直、今回も「一度は京都の紅葉ってヤツを見に行きたい!」

という目標がなければ、きっと選ばなかっただろう。

 

そこで「これが最後の京都になるかも」と思いつつ

考え出した「紅葉」に続く〈第2の目的〉が

『京都名物”喫茶店でモーニングセット”を体験する!』。

またも前置きが長くなったが

だからこその「イノダ・コーヒーで朝食を」だった。

 

ともあれ、市内中心部へ向かうらしいバスに乗り込み

「バスルートマップ」のややこしさに目を白黒させているうち

それらしきバス停に着いたのであわてて下車すると

・・目的地から2ブロックほど離れた場所だったと判明。

関東風の住所表示に慣れてると、京都の所番地はとっても分かりにくい。

なにしろ数字違いの似たような地点が沢山あって、正直区別がつかんのだ。

(3日目になってようやく使いこなせるようになった)

 

グーグルマップでチェックしてみると

イノダコーヒー」までは、まだ1キロ近く距離があった。

でも、またバスに乗るのも面倒だったので、プラプラ歩くことに。

 

それにしても、グーグルマップは偉大だ。

あらかじめマップをダウンロードさえしておけば

オフライン状態でも、確実に目的地の場所を示してくれる。

分厚い「地球の歩き方」に掲載された適当な地図だけを頼りに

足を棒にして、1時間以上西安の街をさまよい

結局、目当ての料理店にたどりつけなかった35年前が

まるで先史時代の記録に思えてしまう。

 

間違って降りた四条河原町から、一路北西へ。

途中、錦市場を眺めたりして、15分ほどかけて

黒っぽい町屋建築?の「イノダ・コーヒー本店」前へ到着する。

なんやかんやで、時刻は10時半近く。

モーニングは11時までだったと思うので、なんとか間に合ったようだ。

 

やれやれ、とドアを開ける。

と、目の前に、長椅子に腰掛けた数人の先客の姿が。

さすがは人気店、この時間でも並んでいた。

けれど10時半ともなれば、朝食を終える人の方が多い。

ウェイトレスが、次々に店内へと案内してくれる。

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店内は、あくまで渋め

待つこと、十数分。

先客があと2組ほどになったころ

「横並びの席ならご用意できますが、どういたしますか?」と

先頭から順にウェイトレスが声をかけてきた。

どうやら、庭に面していないソファ席なら空いている。

そこでも構わなければ、すぐ案内できるという。

客の大半が坐りたがっているのは、窓に面した数席のテーブル。

そのため、他の席に空席が出来た場合

わざわざ上記のような確認作業を行なっていたのだ。

案の定、前にいたふた組は首を横に振った。

次は我々の番だ。

ちょっと迷ったが、せっかくだから、との気持ちがまさり首を振る。

結局、後ろに並ぶ若いカップルが先に案内されていった。

 

さらに待つこと、10分(だったかな)

再びウェイトレスがやってきて、先頭から順に声をかけはじめた。

今度は「お2階の席ならご案内出来ますが、どうしますか?」

残り1組になった先客のカップルは、またも首を横に振る。

そこで、我々ふたりに同じ提案が示された。

一瞬、答えに困る。

いきなり2階席と言われても、どんなところか全くわからなかったからだ。

同じ疑問を抱いたのだろう、相方が口を開いた。

「2階席って、どんな感じなんですか? 眺めはいいんですか?」

「はあ・・お席の間隔はだいぶありますし、落ち着いてお食事できると思いますが」

(正確には覚えていないが、こんな感じの答えだった気がする)

んじゃまあ、いいか。

相方と目を合わせ、頷く。

 

先に立って歩き出すウェイトレスを追って

店内フロアから延びるせん階段を登り、まだ見ぬ2階席へ。

思ったよりも広いスペースに、10以上のテーブル席が点在している。

客で埋まっていたのは、そのうちの半分以下。

1階席と庭を見下ろせる一番手前の列も、2つほど空席だった。

・・なぁんだ、いいとこ空いてるじゃん。

迷わず、二階の特等席へ。

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2階席からの眺め

広い丸テーブルを囲んで、ゆったり腰を落ち着ける。

坐り心地も、悪くない。

1階フロアから2階まで、まるごと開放的なガラス窓になっている。

さんさんと降り注ぐ陽射しのもと、庭の緑が目に沁みる。

これだけでも、来たかいがあった。

オーダーは前もって決めていた「京の朝食セット」。

ジュース・サラダ・パン・ベーコンエッグ、さらにコーヒー。

オーソドックスな朝食メニューだが

新鮮で味の濃い野菜やジュース。

焼きたてでパリパリのミニクロワッサン。

そしてもちろん、コクと旨味たっぷりの焙煎コーヒー。

素材のひとつひとつに、しっかり手が掛かっていた。

――ああ、京都に来たんだなぁ。

今さらながらの実感を、しみじみ噛み締め

――思ったより、いい旅になるかも。

そんな予感も、あわせて抱くのだった。

 

流れる時間は、まさに、ひねもすのたり

食事を終えても、客の回転をうながすような気配は、まるでなし。

むしろ”時間がない”のは、我々観光客のほうだった。

このままぼーっとしてたら、お昼になっちまう。

1時間足らずの滞在でしびれ切らし、早々に退散することに。

 

会計をしようと、らせん階段を降り、ケーキが並ぶカウンターの前へ。

すると、入口近く、ショーウィンドーと向かい合う壁づたいに

コーヒー豆をはじめ様々な関連グッズがずらり。

そのなかにあった、店名入りのハンドタオルに、相方が目をつけた。

白地に赤い縁取りが美しい、コケティッシュな「イノダ・グッズ」だった。

値札をみると・・・1枚、190円!

相方の手がすっと伸び、迷わず5枚をお買い上げ。

この旅最初の「みやげもの」が決まった。

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白でなければ、このトートバッグ(大)も買っていた


訪れた店が気に入った場合は欠かない〈店先での記念写真〉を済ませ

次なる目的地、今回の目玉になるはずの「嵐山」へ!

・・しかし、それから1時間後。

我々は、己の見通しの甘さを痛感するのだった。

 

★Ara-kan旅メモ/京都Ⅰ "ホテルで朝食"はもったいない

 

ではでは、またね。