久高島0円散歩(前編) 沖縄うたた旅 2024.1.28-31 3日目① ホテル🚘安座真港⛴徳仁港/久高島👣外間殿・ピザ浜

2024年1月30日(火) ホテル🚘安座真港⛴徳仁港/久高島👣外間殿👣ピザ浜

"天使のハシゴ"を目指し、フェリーは凪いだ海原を渡ってゆく

 

ちょうど一年前の沖縄旅行で、久米島渡航しようと試みたものの

朝から強い風が吹き、終日フェリー欠航となってしまった。

なので今回はそのリベンジ。

どうせなら朝イチ(8時発)のフェリーに乗ろうと、7時前にホテルを出発。

沖縄南東端にあ出発地・安座間港を目指した。

途中、コンビニに立ち寄っただけ(朝ご飯確保)だったが

渋滞につかまったりして、予想以上に遅れる事態に。

 

出航時間まで残り12分、ようやく目的地?が見えてきた。

出航7分前、駐車スペースに車を停めチケット売り場へと急ぐ

残り5分、なんとか久米島行フェリーくだかⅡ号に乗船

ようやく一年前のリベンジを果たすことができた

定刻8時、アナウンスもなく静かにフェリーは岸を離れた

船内の座席から眺めるのはもったいなかったので

側面に並ぶベンチに腰掛け、寒さに震えながらコンビニおにぎりをぱくつく

幸い出航直後から雲が切れはじめ、朝の陽射しがちらちら射してきた

「神の島」にふさわしく"天使の梯子"が落ちてきた

蜃気楼効果?か、島影が浮き上がって見える

終日曇りという天気予報を裏切り、どんどん青空が広がってゆく

今回の「お天気運」は、なかなかよさそうだ

出発から20分少々で、目指す久高島(徳仁港)が見えてくる

バチに当たることもなく、久高島への上陸を果たす

朝早い便だったので、観光客の数は一桁だった

さて、どうしようかな?

 

とりあえず、高いと噂のレンタサイクルはパス

行けるところまで歩いて巡ろうと決め、集落の中心部を目指した

授業中なのだろう、物音ひとつしない久高小中学校の門前を通過

 

その先に続く農地沿いの道を歩いていたら、地元のおじさんがひょいと現れ

「向こうの砂浜が綺麗だから行ってごらん」と、頼みもしないのに教えてくれた

感謝の言葉を返し、そんなにオススメなら後で行ってみようと

まずは間近まで来ていた「外間殿」へ向かう

正面にたたずむ水色の壁の小さな建物が「外間殿」

島の守護神(太陽・月・竜宮など七つの神様)が祀られている

朝9時前だったが、様々なお供え物が用意されていた

戸口は開けっ放しで、誰でも自由に出入りできる

両手を合わせて礼拝したのち、畏れ多くもデジカメを向けた

奥の祭壇前には、神様に捧げられたお神酒とお弁当?

 

予想していたより"あっけらかん"とした雰囲気に戸惑いつつ、外間殿を後にする

続いて、先ほど住民に教えてもらった砂浜

(フェリー切符売り場で入手した地図には「ビザ浜」とあった)を目指す

左右に樹林帯が延びる人気のない舗装路を歩くこと数分

足元が砂地に代わったと思ったら、目の前は海だった

朝のピザ浜、岩場の向こうに静かな海原が広がる

波の音だけがあたりを埋め尽くす

足跡だけが点々と残る波打ち際、見渡す限り動く者の姿はない・・

・・あ、岩場の先端に一羽の野鳥を発見

そのとき、目の前の雲が切れ、強い陽ざしが降り注いだ

サンゴの砂浜と緑の草叢が、鮮やかな色どりをとり戻す

振り返れば、赤桃色の花が光を放つように咲いていた

なんという心地よい場所なのだろうか・・

相方ともどもサンゴの砂浜に腰を下ろし、しばし緩やかな海風に吹かれる

ーーもう、ここに来れただけで「久高島を満喫した」気分だった

 

ではでは、またね。

羽田⇔デンパサール(バリ島)往復チケットを51320円でゲット!

このところ格安旅行に恵まれず

ちょっとしたタイミングのずれで割高な料金を払い続けていた

(先週の成田⇔クアラルンプール往復+ホテル4泊も1人8万以上かかったが

 もうちょい待てばマレーシア空港のキャンペーンが始まり

 1人5万円少々で往復チケットを入手できたのだ)

 

そんな手痛い反省から

次回こそは絶対底値で手に入れるぞ!!

と気合を入れて臨んだ「シンガポール航空名古屋就航35周年記念セール」

 

最安値の名古屋発ではなかったものの

10月28日 朝8時50分羽田空港発、デンパサール19時05分着

11月05日 朝10時25分デンパサール発、21時40分羽田着

〈羽田発着&機内泊なし〉という理想的なチケットを入手

それも、1人あたりの総額わずか51320円

昨年11月に往復したエバー航空成田⇔台北(松山)間が51830円だから

日本と台湾を往復するより安いとは

 

もちろん出発は半年以上先だし

最安値のカテゴリーなのでキャンセルは不可

座席指定も追加料金が必要なのでウェブチェックイン頼み

それでも国内線往復と同程度で羽田⇔バリ島往復ができるのだ

正直、文句のつけようがない

以前から航空券購入は「セールorキャンペーン狙い」と知ってはいたが

ここまで圧倒的に安くなるとは思わなかった

今後は""セール最優先"で旅程を決めることにしよう

・・・40年以上海外旅行繰り返してて、いまごろ気づくかな

 

ともあれ、バリ島を訪れるのは実に四半世紀ぶりのこと

どこが変わってどこが昔のままなのか、じっくり楽しみたい

それより半年先までも元気でいられるよう、健康管理に努めないと

 

マレーシア猛暑旅行の疲れもようやく癒えてきた

次回からは、旅の記録を再開できるかな

 

ではでは、またね。

クアラルンプールは「街歩き」に難ありの"クルマ優先都市"

一昨日、マレーシア旅行から戻ってきた。、

んで、現地の記憶が鮮明なうちにと

出発前に録画した「世界ふれあい街歩き クアラルンプール&マラッカ」を観た。

するとーーマラッカには行かなかったので除外するけどーー

クアラルンプールの"街歩き"がとても素敵に紹介(演出)されているではないか。

 

ほんの数日前、実際にクアラルンプールを"街歩き"した経験者は

「なにそれ、めちゃ歩きにくかったんだけど」と、突っ込まずにはいられなかった。

どこをとっても、〈車に優しく、歩行者に冷たい街づくり〉だったのだから。

 

具体的にどこがどう《歩きにくかった》のか、気づいた点を並べてみる。

 

①歩行者信号が青になるまで延々待たされる

 片側2~3車線の大きな車道を横断しようと交差点に立つものの

 なかなか歩行者用信号が青に変わらない。

 ストップウォッチで計測したわけじゃないが、2分は軽く待たされる。

 少なくとも日本ではありえない"開かずの踏切り"状態なのだ。

 

②片側三車線道路でもわずか10秒間しか青信号が続かない

 さらにひどいのは青信号に切り替わった、そのあと。

 たしか片側3車線の広い車道にかかる横断歩道だったが

 青になった歩行者用信号の下に表示された「残り秒数」は、なんと10!

 でもって即座にカウントダウンが始まる。

 不通に歩いていたら、中央分離帯を過ぎたあたりで時間切れ。

 ラスト3秒で点滅し始めると、否応なく走るしかない。

 これ・・・足腰の不自由な高齢者とかだったら、絶対一度で渡り切れないって。

 

 実際、途中からは小走りになり、それでも正面の歩行者用信号は赤へとチェンジ。

 かろうじて車道側の信号が青になる直前、なんとか渡り切ることができた。

 あまりの短さに呼吸を乱しつつ、痛感したのはその時だった。

 ---クアラルンプールって、歩行者に冷たい街だなぁ。

 

③歩行者が横断できる場所が少ない(特に太い幹線道路沿いなど)

 商店街や盛り場、観光客が集まるスポットなど歩行者が多いエリアの中なら

 さすがに不自由なく歩き回ることができた

 しかし、観光スポットから観光スポットへ徒歩で移動しようとすると

 太い車道が目の前に立ちはだかり、左右どちらを見ても横断歩道がなかったり

 ようやく見つけた横断地下道も閉鎖されていたりと

 たった一本に道を横断するのに5~6分かかることもしばしば。

 

 実際、旧クアラルンプール駅から江セントラル駅目指して歩いたとき

 どこにも横断歩道が見つからず、やむなく車が通らぬ瞬間を待って車道横断を決行。

 その後も信号無視の横断を繰り返し、なんとかセントラル駅へと到達する。

 

◎要するに、普通に"街歩き"を楽しめるのはごく一部の"観光客用エリア"のみ。

 「観光客はちまちま歩かず、スポット間の移動にはクルマを使え!」ってことだな。

 確かに、この街では一般市民用と観光客用の2段階価格が存在している。

 空港~セントラル駅間の移動手段は、特急列車がバスの3倍以上という高値だし

 駅内のコインロッカーも日本以上の料金を設定にされていた。(半日で千円)

 飲食店の価格が日本の3~5割引きという事実を思うと

 40年前、中国で体験した「外国人料金」と似たような商売っ気を連想してしまう。

 

 日本よりはるかに割安だからと頻繁にタクシーを使う観光客は

 おそらく気にも留めない"歩きにくさ"なのだろうけど

 安上がり徒歩旅行を楽しみたい我らにとっては、けっこう大きな問題だ。

 自由にお酒が飲めない点も含めて

 次回のアジア旅行にマレーシアという選択肢は上がらないだろう。

 

 ま、それでもクアラルンプールから片道4時間かけて行った

 キャメロンハイランドは予想以上に気持ちのいいリゾート地であり

 ここに2泊滞在できたのは、今回最大の収穫だったかな。

 そのあたりも含めた「旅の報告」は、沖縄旅行メモの後で紹介するつもりだ。

 

 ・・・にしても、年々身体も頭もキツくなるばかり。

 果たして、いつまで気ままな徒歩旅行を楽しむことができるやら。

 

ではでは、またね。

現実と空想の圧倒的なる融合  『円 劉慈欣短編集』 劉慈欣 引用三昧 -38冊目-

地火-じか 

現在、地球上の大陸には、燃えつづけている炭鉱が多くある。中国にもいくつかある。 去年、新疆で、劉欣-リウ・シンは生まれてはじめて地火-ディフォ(地下で起こる火災。日本語では“地中火”)を見た。見渡すかぎり、地面にも山の斜面にも草木一本なく、空気中には硫黄臭のする熱波がうねり、その熱波が周囲の光景を揺らめかせていた。まるで全世界が水中に没したか、焼き網の上に置かれたかのような光景だった。 夜になると、地面にぼんやりした赤い火の帯が何本も見えた。無数の地割れから光が漏れている。地割れのひとつを覗き込んで、劉欣-リウ・シンは息を呑んだ。まるで地獄の入口だった。赤い輝き地中深くから発しているが、それでもやはり、狂暴な熱が感じられた。顔を上げて、夜のとばりに覆われた赤い光の網目に視線を向けると、地球が薄い地殻にくるまわれ燃える炭だということを実感した。                                            [46]

遠くに目をやると、大きなボタ山が見える。百年以上にわたり、採掘した石炭からとりのぞかれた黒い石が積み上げられてきた山だ。周囲の丘よりずっと高い。ボタに含まれる硫黄が薄いで発熱し、青い煙を上げている‥‥。なにもかも、長年降り積もった炭塵の層に包まれ、同じ暗い灰色になっていた。それが劉欣-リウ・シンの少年期の色、彼の人生の色だった。                                          [53]

常識に反して、水蒸気は目に見えない。目に見える白い湯気は、水蒸気が空気中で冷えたときにできる微小な水滴だ。高温高圧下では、水蒸気は、摂氏四百度から五百度に達する恐るべき過熱蒸気となる。すぐに冷えるはずもなく、いまは、掘削櫓より高いところでしか白くならない。このような蒸気は、通常、火力発電所の高圧ボイラーの中にしか存在しないが、ひとたびパイプから噴出すると(その種の事故は何度も発生している)短時間で壁を貫通するほどの威力がある。                                                          [72]

局長は、黒い人海に向かって手を振った。                                                                「天-そらは落ちない!」〔「どんな災厄があってもこの世の終わりはない(なんとかなる)の含意がある」〕                                                                                                    群衆は凍りついたように動かなくなった。呼吸さえ止まったかのようだった。    「中国のあらゆる産業労働者、あらゆるプロレタリアートの中で、われわれより長い歴史を持つ者はいない。われわれより多くの風雨と災厄に耐えてきた者もいない。だが、炭鉱労働者の上に天が落ちてきたか? 否! われわれ全員がいまここにこうして立ち、あの老炭柱を見ていることがなによりの証拠だ。               われわれの天は落ちない。過去に天は落ちなかった。将来も、天が落ちてくることはない!                                     困難? そんなものはまるで珍しくない。同士諸君、われわれ炭鉱労働者が楽に暮らせたことがいつあった? ご先祖さまの代から数えても、楽に暮らせた日がいつあった? 指折り数えて、よく考えてみろ。この中国とそれ以外の全世界に、いったい何種類の産業があり、何種類の労働者がいる? そしてその中に、われわれより大きな困難を強いられている産業がひとつでもあるか?                      ない。そんなものはひとつもない。困難のなにが珍しい? 困難がないほうが不思議だ。なぜらわれわれは、天を戴いて立つだけではなく、地をも支えて立つからだ!  もし困難を恐れていたら、とうの昔に死に絶えていただろう。           だが、社会と科学は進歩している。多くの才能ある人々が、われわれのために新たな方法を考えてくれている。いま、われわれはひとつの解決策を手にした。この暮らしを一変させる希望ができたる暗い坑道を出て、太陽の下、青空の下で、石炭が採れるようになる! 炭鉱労働が人もうらやむ仕事になる! この希望は、また生まれたばかりだ。信じられないというなら、南の谷に行って、あの大きな火柱を見るがいい! だが、まさにそのための努力が、この災厄を引き起こした。それについては、のちほど詳しく説明しよう。いま、われわれが知らねばならないのは、これが炭鉱労働者にとって、最後の困難かもしれないということだ。美しい明日のために代価を払う必要があるというなら、われわれは一団となってそれに立ち向かおう。先人が何代にもわたってそうしてきたように。今度もまた、天は落ちなかった!」                  群衆が無言で解散したあと、劉欣-リウ・シンは局長に向かって言った。「あなたと父さん、二人と出会うことができて、たとえ死んでも、この人生に悔いはありません」「行動し、余計なことは考えるな」局長は劉欣-リウ・シンの肩を叩き、その体を引き寄せて抱擁した。                                                               [78]

 

郷村教師 

「たとえばひとつの鉄の部屋があるとしよう。この部屋にはどこにも窓がなく、壊すこともできない。中には熟睡している人がおおぜいいて、まもなく全員が窒息死する。彼らは昏睡から死に至るので、死の苦痛を感じることはない。            いま、あなたが大声を出して彼らに呼びかければ、不幸な少数が目を覚まして現実に直面し、救いようのない臨終の苦しみを味わうことになる。それでもあなたは、彼らに対して正しいことをしたと思いますか?」                    「しかし、その少数はすでに立ち上がった。だとすれば、この鉄の部屋を壊すという希望がないとは言えまい」(魯迅「吶喊」序より)                          [129]

「宇宙でもっとも不可解な点は、それが理解できるということだ」と執政官は言った。「宇宙でもっとも理解できる点は、それが不可解だということです」と元老院議員は言った。                                                                        [161]

 

栄光と夢 1 延期されたオリンピック

ラソン選手の特徴のひとつは、おしなべて表情に乏しいことだ。トレーニングやレースを通して、長時間にわたり単調な体力消耗に耐えてきたことの結果だろう。しかしクレイルは、月明かりのもとで微笑むシニの表情に心を動かされた。ただ、その笑顔がもたらした感覚は、ナイフで心臓をえぐられるような痛みだった。クレイルは茫然と立ちつくし、彼自身もまた、一体の彫像と化した。はあはあというシニのあえぎが引き潮のように静まったあと、クレイルはようやく正気をとり戻し、腕時計を手首に戻して小さな声で言った。                               「きみは生まれてくる時代をまちがえた」                                       [325]

 

原典は本文526ページという重厚な作品集。

後半まで勇み足してまったが、この後を引用できないのが残念だ。

 

マレーシア旅行(13日発)の準場に忙殺されている

あれこれ面倒な手続きが多く、出発前からてんてこまいだ

詳細に関しては、18日の帰国後に。

 

ではでは、またね。

 

 

トケイ浜はプライベートビーチ!? 沖縄うたた旅 2024.1.28-31 2日目⑤ 喜如嘉集落🚘古宇利大橋🚘トケイ浜🚘ホテル

2024年1月29日(月) 

ホテル🚘PLOUGHMAN'S LUNCH BAKERY🚘名護城公園🚘大宜味村芭蕉布会館🚘 笑味の店🚘芭蕉布会館👣喜如嘉集落🚘🚘古宇利大橋🚘トケイ浜🚘ホテル

ティーヌ浜の東に広がるトケイ浜・・人っ子一人いない静けさに時を忘れる

 

芭蕉布の里・喜如嘉を後に、一路南へと走る

ほどなく右手に、本日最後の目的地・古宇利島が見えてきた

左が屋我地島で右が古宇利島、両者の間をつなぐ細いラインが古宇利大橋

ズームすると棒高跳びのバーみたいな橋の形状がよくわかる

 

真喜屋の信号を右に折れ、奥武島屋我地島と渡って北端の美らテラスへ

駐車スペースに車を停めれば、白い古宇利大橋が目の前に

美ら海水族館から回ってきたのだろう、何組もの家族連れで賑わっていた

こんなに天気がいいのだから、橋の上からの眺めはきっと最高だ!

なんて期待しつつ車に戻ったのだけど・・・

 

実際に橋を渡ってみたら、歩道の手すりがず~~っと続いており

動物園の金網越しに鑑賞するタイプの「絶景」だった

大型観光バスの座席など視点が高ければ100バーセント楽しめるのだろうけど

ーーこれなら宮古島の伊良部大橋の方がずっと感動的だったな

(滞在していた4日間はほとんど曇りor雨模様だったけど〉

 

ま、それでも天気は相変わらずの快晴続き

島のビーチに行けば澄んだ沖縄の海が満喫できるはず

と、古宇利島南端から時計回りにぐるっと半周

島の北端・ハート形の岩で有名な「ティーヌ浜」を目指す

 

このあたりかな、と未舗装道路に乗り入れてみれば

そこは広大な駐車スペース

売店や屋台が並び、何台もの車が出たり入ったりしているし

ティーヌ浜へと降りてゆく道は、家族連れやカップルが列をなしていた

どうやら大変な観光スポットに来てしまったらしい

 

とりあえず100円払って車を停めたものの

賑やかな場所には興味がないので、すぐに立ち去ろうかと思ったが

マップを見ると、ティーヌ浜と逆の東方向にも「トケイ浜」というビーチがあった

せっかくここまで来たんだから、そっちに行ってみるか

ハート岩目当ての若者たちに背を向け、誰の姿もない舗装路を東へ歩いてゆく

すると100メートルほど先に、車数台分のスペースが

どうやらこれが「トケイ浜」の駐車場らしい

なんだよ、無料だったじゃん・・・

一台も停まっていない空き地を横目に、さらに進むこと100?メートル

ふいに、目の前が大きく拓けた

トレイ浜、誰もいない美しい水辺の景色が見渡す限り広がっていた

見事なまでに澄み切った水に、夢中でシャッターボタンを押す

左手に伸びる岩場まで歩き、波打ち際を振り返る

文字通り"トケイ浜二人占め"だった(遠くに見える姿は相方)

入り江を囲んだ岩場、溶岩がそのまま固まったようにゴツゴツしている

恐竜(トリケラトプス?)の横顔っぽい、角つきのシルエット

少し沖合の海面からも、ガオー!と岩礁が顔を出す

「トケイ浜」悪くないが、恐竜にちなんで「ダイノ浜」とか名付けたくなった

 

・・・・それにしても、波の音と風の音しか聞こえてこない

浜辺の流木に腰掛け、まるで無人島に流れ着いたかのようなひとときを楽しむ

 

しばらく浜辺でぼーっとしていたが

そういえば右の砂丘を越えて行った相方がなかなか戻ってこない

ちょっと様子を見に行くか

サンゴの砂粒に足を取られながら、広い砂浜のさらに東へと足を進める

・・と、こちらも岩場に縁どられたサンゴの浜辺だった

予想どおり、相方の他には誰の姿も見当たらない

ほとんど縁日状態の「ティーヌ浜」から数百メートルしか離れていないのに・・

青い空と海そしてサンゴの浜・・・とびきり贅沢な時が流れてゆく

 

30分以上過ごしただろうか

子猫を連れた一人の男性が現われパドリングを始めた

岩の上で留守番し、ミーミーと主を呼ぶ子猫の声を聞きながらトケイ浜を後にする

 

それから先は、那覇を目指して一直線

水族館から戻る車で込み合う"美ら海渋滞"に巻き込まれまいと距離を稼ぐ

幸いラッシュが始まる前に通過したらしく、予想より早く帰ることができた

日没直後の国頭方西街道ーーやっぱ沖縄は"晴れてナンボ"だよなぁ

 

早かったとはいえ、ホテルの駐車場に戻ったのは19時半過ぎ

朝からずっと動き詰めだった疲れから、新規開拓に乗り出す余力は残っていない

1年前の夜に訪れた市場中央通り入ってすぐの居酒屋で決め打ち

アーサーのテンブラなど定番の沖縄料理を楽しんだ

 

ではでは、またね。

 

 

芭蕉布の里・喜如嘉を歩く 沖縄うたた旅 2024.1.28-31 2日目④ 笑味の店🚘大宜味村立芭蕉布会館👣喜如嘉散策

2024年1月29日(月) ホテル🚘PLOUGHMAN'S LUNCH BAKERY🚘名護城公園🚘大宜味村芭蕉布会館🚘笑味の店🚘芭蕉布会館👣喜如嘉散策

ただ歩くだけで心地よい芭蕉布の里・喜如嘉集落

 

島野菜料理をいただいた後は、芭蕉布会館へとんぼ返り

2階に上がって13時から再開した芭蕉布作りの様子を見学・・したものの

入口直後にロープが張られており、遠くから眺めることしかできない

どんな作業なのか判然としないまま、数分で1階フロアに戻った

 

それでも先ほどと同じ親切な女性係員が

芭蕉布作りのビデオ映画を再生してくれたので

一枚の芭蕉布を織り上げるまでどれほど大変なことなのか、知ることができた

八重山の「みんさー織」にも通じる芭蕉布の伝統的な文様たち

 

せっかくのいい天気なので(一年前はほとんど晴天に恵まれなかった)

芭蕉布の里・喜如嘉集落をぶらぶら歩いてみた

芭蕉布会館のお姉さん(職員)に聞いて初めて知ったのだが

この集落の各所で、NHK連続朝ドラ「ちむどんどん」の撮影が行われたとのこと

相方が長年朝ドラを視聴していたので、急遽"プチ聖地巡り"も兼ねてみた

くっきり晴れ渡った青空を従えて雄々しく吠える赤銅のシーサー

まずはお姉さんに薦められた丘の上の展望台を目指す

頂上には伝統的な拝殿が、暖かな日差しを浴びてたたずむ

そして反対側に目を転じると・・・

のびやかな喜如嘉の景観が一望できた

実はこれ、「ちむどんどん」のオープニング?に使われてた・・んだったっけ?

一度も番組を観てないので、"答え合わせ"のしようがない

「朝ドラ大好き」の相方はちゃんと分かっていたらしく

眼下に広がる景色を感慨深げに眺めていた

ともあれ、青い空と海の鮮烈さには目を奪われた

陽当たりがいいのだろう、寒緋桜も五分から七分咲きといったところ

ジャコウアゲハも蜜を吸いにやってきた

もうひとつお薦めだという、七滝を目指す

道は谷合へと続いており、徐々に細くなってゆく

と、路上にラグビーボールのような緑の固まりが落ちていた

なんだこれ、ひょっとしてパパイヤ?

ということは・・視線を上に向けてゆくと

道端にパパイヤの木を発見、完全に"野良"状態だ

てことは、熟したら食べ放題!? なんだか羨ましくなってきたぞ

さらに途中から未舗装になった砂利道を歩くことしばし

どん詰まりに小さな水の流れーーこれぞ喜如嘉のお薦め観光スポット「七滝」

滝つぼ近くから仰ぎ見ると、確かに幾筋かの滝が連なっていた

まあ、七滝っちゃあ七滝だろう

暗い谷あいから再び陽光のもとへ戻り、日向ぼっこ気分でとことこ歩く

そこここでつぼみをほころばせた寒緋桜が、桃色の紗をかける

ふと足元に目をやると、落ち葉の間で妙に白い枯葉が・・

いや、チョウだった

枯葉蝶(コノハチョウ)の仲間かと思って画像検索したが、似たものは発見できず

・・・あとでゆっくり探してみよう。

イトバショウの木もそこいらじゅうにニョキニョキ生えている

これはすごいバナナっぽいんだけど、もしかして食用(実バナナ)なのかな

喜如嘉共同店、集落最大のスーパー(何でも屋)

こちらも店内が「ちむどんどん」の舞台になったらしい

いちおう入ってみたけど、ごく普通の雰囲気だった

再び集落散歩に戻る

とにかく静かで気持ちがいい

見慣れたブーゲンビリアも、透過光を浴びて紅く染まる

家と家の間の細い道を行くと、いたるところにイトバショウの畑?が

芭蕉布の里」ならではの風景が、どこまでも続く

気が付けば、あっという間の午後3時

そろそろ切り上げて出発しないと、古宇利島巡りが夕方になってしまう

せっかくの好天だし、北部の綺麗なビーチもかっちり見ておきたい

後ろ髪を引かれる思いでレンタカーに戻り、一路南を目指した

 

ではでは、またね。

 

 

『円』に圧倒され、『カラヴィンカ』に引きずり込まれる 先月(2024年2月期)読んだ&揺さぶられた本 MakeMakeの読書録

今月13日に出るマレーシア旅行の支度で、徐々に忙しくなってきた

なんとかその前に沖縄旅行の記録を終わらせたいのだが

まずは毎月恒例の「読書録」を済ませたい

ちなみに先月読了した本(小説・それ以外・コミック)は以下の通り

 

2024.2

★『Re:ゼロから始める異世界生活』㉝ 長月達平

★★『つばき餡』 坂井希久子

★★『円 劉慈欣短編集』 劉慈欣 ★★『カラヴィンカ 』遠田潤子

★★『がん-4000年の歴史-』㊤㊦ シッダールタ・ムカジー

★『地図のない場所で眠りたい』 高野秀行/角幡雄介

乾隆帝――その政治の図像学中野美代子

昨年末から続いていたスローペースの元凶⁉『がん』(上下巻)を

ようやっと読了することができた

(厳密には本日1日までかかってしまった)

たぶん3月からは以前のペース(1月あたり十数冊)に復帰できるはず

 

〔コミックス〕

★★『BLACK LAGOON』①-⑬[⑬のみ初読] 広江礼威

★★『推しの子』①-⑬〔⑫⑬は初読]赤坂アカ×横槍メンゴ

★『怪獣8号』①-⑪〔⑩⑪は初読] 松本直也

 

結果、2月の《揺さぶられた本ランキング》は

【小説】『円 劉慈欣短編集』 劉慈欣 

    ※最初から最後まで圧倒されっぱなし(『円』は再読だが関係なかった)

     月並みだけど、ただただ凄い!! としか言いようがない

     とりわけ心に響いたのは、解説でも触れていたが

     ミクロな個人の営みとマクロな宇宙の視点が見事に融合しているところ

     この興奮と感動は、実際に読んだ者でないと絶対に分からない

     分厚くて少々とっつきにくいかもしれないが、ぜひとも手に取ってほしい

    ①『カラヴィンカ 』 遠田潤子

        ※『円』をさんざん褒めといてなんだけど、こちらも同着1位

     ひとたび本を開いてしまったら、もう先が気になって止められない

     行き先不明の特大ジェットコーススターに乗った気分で

     一気呵成に最後のページまでたどりついたときには

     とうに夜は明け、朝よりも昼に近い時間帯になっていた・・

     小説読みにとって、これ以上ない至福の一夜を送ることができた

     3年ほど前に始めた〈サイコロ読書システム〉のおかげで

     ずっと読みたいと思っていた遠田潤子だけど

     ツボはまったときの彼女の作品は、圧倒的な吸引力で迫ってくる

 

     もっと続けて読みたいが、"1作家2冊まで"という自己ルールを順守し

     (そうしないとどんどんジャンルが偏ってしまうのだ)

     あと一冊(『アンチェルの蝶』になった)でストップしておく

 

【小説以外】①『がん-4000年の歴史-』㊤㊦ シッダールタ・ムカジー

    ※読んだ内容が頭に入らず、いったい何度"寝落ち"したことか

     そのたび意識下途絶える少し前まで逆戻りしては、改めて読み直す

     そんな"七転び八起き的読書"を繰り返すうち

     上巻の半分を過ぎたあたりで、やっとのことで〈読書エンジン〉がかかった

     あとは一気呵成・・とまではいかないまでも、一行一行興味深く読み進め

     次々明かされる「意外な事実」に、目からウロコがポロポロボローー

     どこかSFにも通じるセンス・オブ・ワンダーの興奮を提供しつつ

     人類最大の難敵「がん」の正体とその治療法にまつわる

     "正しい現在地と未来予測"をきっちり示してくれる

     良質にして秀逸なドキュメンタリーである

     『円』なんて目じゃないほどとっつきにくいが

     がんのことをちゃんと知りたいんだったら、読まなくちゃ

    

【コミック】①『推しの子』①-⑬〔⑫⑬は初読]赤坂アカ×横槍メンゴ

   ※久々に新刊が出た『BLACK LAGOON』も捨てがたいけど

    ここはやはり"そこまでやるか!"の「推しの子」に軍配を挙げたい

    残念ながら、密かに願っていた"アイの生まれ変わり"は登場しそうにないが

    明らかにクライマックスが迫ってきた現時点においても

    いまだ先を予想しきれない展開にワクワクドキドキが止まらない

    (リアルタイムで連載を追ってないから、意外にあっさり終わってたりして)

 

    ともあれ、死神娘?を子役に引き入れるほどの"トンデモストーリー"が

    いったいどこまで弾けてくれるのか、期待と不安でいっぱいなのだ

 

              ではでは、またね。