北海道・紋別の旅から昨日戻ってきた。
天気運だけは妙にツイているのだが、残念ながら今回は大外れ。
狙いすましたように26日昼過ぎの到着時からどんよりと曇り出し
29日ゴゴイチの離陸時間に合わせて太陽が顔を出した。
ここまで晴天に見放された旅は、2年ほど前の宮古島以来かも。
とはいえ、そこはさすがのオホーツク沿岸、食べ物は相変わらず安くて旨し。
これ(食事)だけで充分お釣りがくる満足度だった。
ま、そのあたりは「旅行記」のほうでじっくり辿ることにして
本日は月末恒例の読書録。
まずは今月中に読了した小説&それ以外を並べてみよう。
2024.9
★★『月草糖 花暦 居酒屋ぜんや』坂井希久子
★『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』⑥⑦大森藤ノ
★『世界屠畜紀行』内澤旬子
★『サバイバル家族』服部文祥
〔コミックス〕
何に時間を取られたのか(実はややこいノンフィクションに苦闘中)
今月読み終えた本は、以上の10冊のみ。
決して多くないその中で、9月の《揺さぶられた本》は
シリーズの続きを読み始めるため、ほぼ20年ぶりに読み返した既読昨。
頭の片隅にぼんやり残っていた"痛快な時代活劇"という記憶は
いったいなんだったのだろう。
もしや他の作品と混同していたのか、己の記憶力に不安を抱くほど
重く、暗く、やるせない物語であった。
まるでそれは、理不尽な殺し合いを平然と繰り返している
現代世界のもっとも醜い部分をかっさばき
腐り切ったはらわたを目の前に突き付けられているような気分。
でも、そんな救いようのないストーリーだからこそ
春児、史了、そして玲玲がかいまみせる見せる言動のひとつひとつが
真っ暗な深淵を照らす灯りのように、胸を熱く焦がす。
不況だ不況だとボヤいてはいたけれど
それでも今よりずっと平和な時代に生まれた本作は
20年の時を経て、"いまこそ読むべき傑作"へと転生した。
ーーーそんな気がして、ならない。
★★『月草糖 花暦 居酒屋ぜんや』坂井希久子
・・・が素晴らしいのは、いまさらだな。
【小説以外】。。。今回はパス。
【コミック】★★『プリンセスメゾン』①-⑥※⑥のみ初読 池辺葵
※ひとつのシリーズしか読了していないが、迷うことなく本作を推薦する。
働く女性たちと住まいをめぐる(あ、恋愛もか)
"秀逸"としか名づけようのない、絵物語。
再読どころか、三読、四読にもびくともしないので
じっくり、じわじわと読み進めていただきたい。
ここに登場するひとりひとりの想いをしっかり受け止められるなら
まだまだ世界は捨てたもんじゃない、なんて言えるんだけど。
ではでは、またね。