船旅(フェリー)最高!  内房&札幌ふたり旅 2022.9.26-29 1日目(1) 自宅⇒あざみ野🚃上大岡🚋京急久里浜🚌東京湾フェリー久里浜港🚢金谷港

2022年9月26日(月) 

自宅⇒あざみ野⇒大岡山⇒京急久里浜東京湾フェリー久里浜港⇒金谷港

 

       見渡す限り蒼い海と青い空。やっぱ、船旅はいいな~。

 

詳しい事情は10日前のブログで書いたが

今回の旅は、内房(岩井温泉)1泊+札幌2泊という

"変則スタイル"で臨んだ。

通常であれば千葉県を含む関東・甲信越地域の宿泊旅行は

相方がハンドルを握る車で往復するところ

翌日には成田から新千歳まで飛ばねばならぬため

珍しく公共交通機関(電車+フェリー)を利用することになったのだ。

とはいえ初日の宿は内房南房総市)のホテルだから

急ぐ必要はまったくない。

 

愛用の小型スーツケースを引きずって自宅を出たのは、午前11時。

歩いて10分足らずの最寄り駅から、あざみ野へ。

地下鉄ブルーラインに乗り換え、上大岡まで。

さらに京急に乗り換えて12時42分、京急久里浜に到着する。

この間車内は"通勤電車状態"が続いており、旅をしている気分になれなかったが

東京湾フェリー行きのバス停を探して東口広場に出たあたりで

ようやく、「そういえば旅に出たんだ~」との実感が湧き上がってきた。

明らかに緑の色が濃く、潮の香も感じ取れたのだ。

 

正面の停留所で待つこと7~8分。

赤と青のラインの京急バスが目の前に滑り込み

同じように待っていた7~8人の客と共に乗りこむ。

数名の女子高生?、若いカップル、地元民らしき高齢者らと、年齢は様々だが

みなさん、いずれも近い軽装だ。

機内持ち込みサイズとはいえ、スーツケースをお供に従えているのは、われらのみ。

思わず、「いや、この後札幌に飛ぶので・・」などと言い訳したくなる。

 

12時55分、バスは静かに出発した。

フェリー乗り場までは、10分もかからない距離だった。

それでも雲ひとつない快晴の下、次第に露わになっていく海の気配に

気持ちが浮き立ってゆく。

やはり、こっちを選んでよかった・・。

 

実は今回、内房(岩井温泉)の宿を目指すルートは、2つあった。

1つは、最寄駅から都心へと走る田園都市線に乗って、錦糸町でJRに乗り換えるもの。

2~3回の乗り換えで済むので、大荷物を抱える旅人には好都合といえる。

2つ目が、いま我らが利用している「東京湾フェリー」を使うルート。

都心とは逆に向かい、三浦半島の先端部分へと南下。

そこからフェリーを利用し、対岸で初めてJRに乗り換える。

乗り換えは5回に増え、そのたび重い荷物をえっちらおっちら運ばねばならない。

単純に効率や快適さを比べれば、明らかに前者の圧勝だ。

 

だけど最初のルートは、途中まで成田空港に向かうコースと重なる。

錦糸町から先のJR路線も、ほとんど通勤電車と変わらない。

それより多少乗り換えが煩雑だろうと

船で東京湾を横断するほうが、ず~~~っと"旅してる"印象が強くなるはずだ。

ーーそんな胸算用は、気持ちいいほどの好天も手伝って、ズバリ的中してくれた。

 

終点の「東京湾フェリー乗り場」でバスを降りると

3階建てほどの白く四角いターミナルビルが、目の前に。

その左には、これから乗り込むフェリーの雄姿が頼もし気に接岸している。

出航時間まであと10分足らず。

急いでターミナル内の発見売り場に向かい、お一人さま900円の切符を2枚購入。

売店やキャラクターグッズ売り場を覗く暇もなく

奥の階段を昇りビルとフェリーを繋ぐ渡り廊下へと進み、フェリーの中へ。

 

   出港前から艦内を回っては、カメラを構える。これも青空のおかげ!?

 

平日の昼過ぎだからか、広い船内の印象は「開放的」のひとこと。

長いソファーシートが何列も並ぶ屋内席、デッキ後方と上に設けられた屋外席ともに

人の姿は数名ほどしか見当たらない。

車の数まではチェックしていなかったが、数百名は軽く収容できるフェリーに

総勢20名ほどの乗客が、めいっぱいソーシャルディスタンスを保ち

思い思いにくつろいでいる。

フェリーを運航している会社には申し訳ないけど

快適そのものの海の旅を満喫できた。

 

   いざ出発!4年前、エストニアのサーレマー島往復以来のフェリー乗船だ。

 

予定されている乗船時間は、およそ40分。

その間、どこに座って昼食を楽しもうか。

せっかくの晴天だから、ガラスで仕切られた屋内の席はパス。

かといって屋上のテラスには屋根がなく、強い陽射しがガンガン注いでくる。

迷った末に決めたのが、屋内席の後ろ側に設けられていた、後方テーブル席?だった。

帆布?の屋根がかかったデッキに、6人掛けのテーブルが9つほど点在している。

そのうち舷側に近いテーブルをひとつ占拠し

京急久里浜駅で買ったおにぎりをパクリ。

・・・・ん~~~~、んまい!

真っ青な海と吹き抜ける潮風が、絶妙なスパイスになって

なんの変哲もないコンビニおにぎりを、極上のごちそうに変えてくれた。

 

       救命浮き輪の下に見えるテーブルが、我らの"特等席"。

            とにかく、潮風がキモチイイ。

 

ふと目をやると、後方の舷側には、自撮りを楽しむ若いカップルの姿。

反対側のテーブルには、ワンコを連れた親子が

潮風に目を細めながら、のんびりゆったりくつろいでいる。

相方も、この船旅がいたく気に入ったようで

ときおり舷側に立っては、行き交う船や遠くの陸影にカメラを向けていた。

 

ーーやっぱ、フェリーを選んで正解だったな。

 

    北側の眺め。富津岬に遮られ、海ほたるは見えない・・・のかな?

  久里浜行きのフェリーとすれ違う。向こうのほうが綺麗に見えるのは気のせいか。

 

かすかな記憶によると、40年近く前にもこのフェリーに乗ったようだ。

ただ、その時は、金谷から久里浜へ戻るルートで

時間が遅かった(たしか夕方)せいか、今回ほど快適ではなかった気がする。

思えばあれから、ずいぶんあちらへこちらへと巡ったものだ。

おそらくこの先も旅に出るたび、"昔の想い出"が甦ってくるのだろう。

その中には、今や母親になった娘2人の幼い日々もあったりして

それはそれで、愉しみな気がする。

 

・・なんて、柄にもなく旅情に浸っていると

あっという間に、対岸の金谷港が近づいてきた。

そろそろ、降りる準備をしなけけば。

おにぎりの包装やペットボトルを片付け、下船口へと向かう。

 

早く降りようとするのには、理由があった。

実は、ここからJRの浜金谷駅までは、歩くと10分近くの距離がある。

ところがネットの「乗換案内」によると、目的の電車の発車時間までの計算は

「乗換10分」「待ち1分」ーー合計11分しか余裕がないのだ。

ぎっしり詰まったデイバックを背負い、スーツケースを引きずる我らにとって

この〈乗り換え時間〉は、相当"ギリギリ"なのだった。

ま、間に合わなかったら次の電車を待てばいいだけなのだけど

あいにく、1時間に1本しかないんだよね。

何もない駅(失礼)で時間を潰すのは、できれば避けたいところだ。

 

        金谷港が近づいて来た・・って、ちょっと遅れてないか?

 

・・だというのに、到着時間を過ぎても、下船口のゲートは閉まったまま。

予定よりも、遅れているのだ。

しかし、ゲートの脇に立つ職員に、焦りの色はまったくない。

そうか・・"徒歩でJRに乗り換える客"の存在は、ほとんど考慮していないのだな。

その事実に気づいたのは、定刻の2分遅れにもかかわらず

いつもどおり、じっくりゆっくりゲートを降ろす職員の姿を見た時だった。

 

      なかなか降りないタラップをジリジリしながら、待つ。

 

ともあれ、残り時間は9分。

大荷物を抱えた旅人ふたり(ともに還暦は過ぎた)は

果たして予定通り、14時11分発の下り電車に間に合うのか!?

よーーい、スタート!!

 

ではでは、またね。