金谷港からJR駅への乗り換えは"時間との競争" !? 内房&札幌ふたり旅 2022.9.26-29 1日目(2) 久里浜港🚢金谷港👣浜金谷駅🚃岩井駅👣グランビュー岩井

2022年9月26日(月) 

自宅⇒京急久里浜東京湾フェリー⇒金谷港⇒JR浜金谷駅岩井駅

 

        初めて降りた岩井駅。左側に観光案内所、ハイキングの地図も用意してあった。

 

定刻より2分遅れの14時02分

やっとフェリーのタラップが降ろされた。

浜金谷駅から電車が出発するまで、残すところ9分。

プリントアウトした「乗換案内」には、乗り換えに10分かかると書いてあった。

この通りだと、すでに間に合わないことになる。

いっぽう公式情報によると、フェリー乗り場から駅までは「徒歩7分」とある。

てことは、頑張れば間に合うかもしれない・・のか?

 

まあ、飛行機に乗り遅れるわけじゃなし。

ダメだったら、1時間後に出る次の電車を待てばいいさ。

なかば諦めなつつ、それでも急ぐ足を止めることができない。

急に重くなったスーツケースを引っ張りながら

タラップと直結するターミナルビルの2階フロアを直進。

正面階段を降りて広場から駅へと向かう海沿いの道を、早足で進む。

やや遅れながら、相方も懸命についてきてくれる。

それにしても、陽射しが強い。

たちまち帽子の下の顔が汗まみれになってゆく。

航行中は最高だと思っていた真夏並みの陽射しが、一転して恨めしくなる。

とにかく、少しでも早く駅に着くことだ。

手許のスマホで現在地を確認しながら、駅への最短ルートをひた歩く。

 

3~4分ほど、海岸沿いの道を東に進み

左に折れる道をしばらく歩くと、100mほど先に小さな駅舎が見えてきた。

残り時間・・・あと2分。

これなら、なんとか間に合いそうだ。

駅舎に駆け込む。

跨線橋を挟んだ奥のホームに、電車が停まっている。

進行方向からみると、あれが目指す車両らしい。

よし、あれに乗ればいいのだな。

それだけ確認すると、再び駅舎の正面に延びる道までとって返し

20mほど遅れてやって来た相方の元へ。

スーツケースを受け取り、自分のそれと一緒に転がして駅舎に引き返す。

改札口にICカードをタッチし、両手にスーツケースを抱えて

跨線橋を昇って、渡って、降りて・・・ドアが開いたままの電車の中に駆け込む。

この時点で、残り時間は1分を切っていた。

ーー間に合った。

 

やれやれだねー。

汗まみれ顔で、相方と苦笑いを交わす。

その間にも、発車のアナウンスが始まり、ベルが鳴る・・・タイミングだった。

ところが汗をぬぐい、荒い息が治まってきても、電車はじっと動かない。

なんのことはない。

この駅で行き違う予定だった上り電車が、遅れていたのだ。

 

そして2分後。

我々の汗まみれの努力を嘲笑うように

のんびりゆっくり、上り電車がホームに滑り込む。

さらに30秒ほど経った、14時14分。

ほぼ3分遅れで、我らが乗った上総一ノ宮行きの各駅停車が走り出した。

・・・・・なんだよー。急ぐ必要、なかったじゃん。

どちらからともなく、もう一度、苦笑いを交わしたのだった。

 

        岩井駅のホーム、やっとデジカメを使う余裕ができた。

      民宿が主役の近郊マップ。右手に富山へと登る地図もあり。

 

なにはともあれ、定刻の2分ばかり遅れ、目指す岩井駅に到着する。

駅前の小さな広場に、周辺の観光スポットと民宿を案内する地図が掲げられていた。

駅舎の左手には観光案内所もあり、なかなか観光に力を入れているようだ。

駅舎の壁に貼り出されたハイキングマップを見ると

南総里見八犬伝の"終焉の地"となった部隊の山(富山)が、間近にあるとのこと。

今度、時間があったら登ってみようかな・・

 

実は、この土地を訪れるのは、この日で4回目になる。

(3回とも宿泊したのは「ろくや」だった)

しかし、いつも車を利用しており、駅に降りるのは初めてだ。

それだけに、なんだか見るものすべてが、やたらと新鮮に感じられる。

確かに車での移動は便利で楽だけど、その分、見落としているものも多いのだな。

・・そんなふうに思い巡らせつつ、駅前でひと息つくと

人気のない駅前の道を、歩き出した。

 

        5分も歩けば、あたりはのどかな農村風景に。

 

急ぐ必要はひとつもなく、それどころかチェックインの15時まで時間があったので

むしろのんびりゆっくり足を運んでゆく。

それでも、線路に沿って伸びる街道に突き当たり、そこから左へ、右へと進み

なだらかな山並みの前に広がる田園風景に囲まれるころ

道の先に、目指す宿が見えて来た。

 

低い家屋ばかりの家々のなか

ひきわ高くそびえる11階建て?の巨大な建物が、この日宿泊する

展望温泉付きコンドミニアムホテル グランビュー岩井だった。

近づいてみると、明らかに前身が「(高層)マンション」だとわかるデザイン。

ドアを開けてロビーに入っても、その印象は変わらなかった。

たぶん、当初はリゾートマンションだったのだろうが

何らかの理由(入居者が集まらなかった?)でホテルに改造されたのだろう。

 

   "ぼっち散歩"の際に撮ったホテルの外観。まんまリゾートマンションだ。

 

左手に設けられた受付で声を掛けると、職員(中年の男性)が現われ

チェックインには10分以上早かったものの、宿泊手続きを行なってくれた。

そして、15時ちょうど。

9階の1部屋の鍵を手渡され、エレベーターに乗り込んだ。

エレベーターのなかも、9階の廊下も、そして部屋も。

どこから見ても完璧に「マンション」だった。

なにより部屋が、まんま2LDK!

しかしその分、妙にリラックスしている自分がいた。

"ホテルに泊まる"というより"友人の家に遊びに来た"という気配が強く

普段着状態のまま、滞在していられたのだ。

相方も同じ気分だったのだろう

「なんだかすごく落ち着くねー」と言いつつ、ベランダ越しに外を眺める。

 

         9階廊下からの眺め。思わず深呼吸してしまった。

       こちらは部屋からの眺め。東京湾内とは思えない美しさ。

 

普段着状態、と書いたけど

こと眺望に関しては、安っぽい言い方ながらも「絶景」だった。

好天のおかげもあって、青い空と海、緑と茶の大地が、見渡す限り広がっている。

早くも"夕景"が楽しみになってきた。

んじゃ、その前に、最上階の「展望風呂」で、のんびりしてくるか。

・・いや、それより、せっかく電車(徒歩)で来たんだから

ちょっくらあたりを散歩してもよさそうだ。

早々とベッドに寝転がり、リラックスモードになっていた相方には断られたので

ひとり寂しく、ホテル周辺を徘徊してみるのだった。

 

       徒歩数分。切り通しの向こうに海が見えてきた。

 

ではでは、またね。