2024年7月2日(火) 飛燕城堡度仮飯店/朝食👣梨山遊歩道👣桃&リンゴ畑👣梨山・哈羅!邦査👣梨山バス停🚌宜蘭バスターミナル👣慕夏精品旅館👣原来花豆
まさか台湾の山奥(失礼)で、こんなに美味しいピザが食べられるとは!?
石窯でじっくり焼いたその味は、最近10年でナンバーワン。
左手に豊かな緑の山村風景を眺めつつ、ランチに決めていたレストランへと向かう。
お目当ては、梨山ならではの郷土料理「猪肉、鶏の足、竹筒ご飯セット」。
・・ところが店内の大半は団体客の貸切状態になっており、賑やかな談笑が絶えない。
しかも団体客の対応に忙しいのか、この日は郷土料理セットが用意できないという。
それなら、しょうがないね。
喧騒のなかで食べずに済むことになかぱホッとしつつ、店を出た。
じゃあ、昨日お昼を食べたレストランにしよう。
一番人気の「マカオ豚ピザ」を、まだ食べていなかった。
梨山の絶景を今度は右手に眺めつつ、緩い坂道を下りていく。
その途中、看板の上に野鳥を発見。サイズはカラスよりひと回り小さいぐらいか。
帰国後ググってみると、いちばん近かったのは「タイワンオナガ」。
そういやオナガはカラスの仲間だったっけ。
正午までは30分ほどあったので、店内は空いていた。
いちばん眺めのいい窓際の席を占領する。
飲み物は、冷たいお茶にした。ジャスミンティではなく、よく分からない地元産。
ちょっと生薬っぽかったが、ソフトな苦味が熱と渇きを癒してくれた。
これが噂の「マカオ豚ピザ」。見た目はもちろん、味のほうもピカイチ。
30年以上昔、ローマの下町で食べたピザを思い出してしまった。
かなりのボリュームだったが、あっという間に完食。
レストランの若奥さんに「チン、ホージャ!」と声をかけ、大満足で店を出た。
いったんホテルまで戻り、預けておいたスーツケースをビックアップ。
忠犬に見送られ、宜蘭行きのバスが出発する停留所まで緩い坂道を下っていく。
梨山バス停に記された、宜蘭までの路線図。
4時間以上かけて、長く険しい山間の道を走り抜ける。
最後にもう一度、バス停近くの展望台に立つ。何度見ても、いい景色だ。
出発時刻は、13時30分。
10分以上前にバスは到着していたけれど、ドアが開いたのは5分前。
乗客は・・・・我々2人のみ。
(出発後2時間近く、誰も乗って来なかった)
時刻表通り、バスは出発。
緑の山合いを縫うようにして、走り始めた。
思ったより道は右に左に大きくカーブし、上下の揺れも小さくない。
昼飯(ピザ)から間もないので、念のため酔い止め薬を服用する。
とはいえ、梨山に来るまで延々くねくね道を走った時も
2年前、ラオスのビエンチャンからルアンパバーンまで山また山のバス旅をした時も
ほとんど車酔いしなかったので、今回もまったく問題ないだろうと思っていた。
実際、揺れる度合いも昨日と似たようなものだったし。
・・・ところが、走り始めて30分もたたないうちに
妙に胸のあたりがムカムカしてきた。
20年以上襲われたことのない、不快感だった。
それでも目を閉じて極力安静にすることで、軽い吐き気をやり過ごし
およそ4時間後、なんとか無事に宜蘭バスターミナルへと到着することができた。
しかしバスを降り、預けたスーツケースを運転手から受け取るときになって
後ろに座っていた相方がなかなか降りてこないことに気付く。
やがて、真っ青な顔の彼女がフラフラと降りてきた。
どうしたのかと尋ねると、朝食と昼食を何度も戻してしまったという。
それは、明らかに異常な事態だった。
なぜなら、ふたりで世界各地を旅すること40年。
どんなに悪路の長距離移動でも嘔吐とは縁がない、「鉄の胃袋」の所持者だったのだ。
ましてや今回は、念のためにと乗車前に酔い止め薬を服用していた。
なにか特別な原因がなければ、起こり得ない異変だったのだ。
このとき、まっさきに頭に浮かんだ"原因"がーー朝食に出た、あのキャベツ。
妙に"饐えた匂い"がするため一口でやめた俺に対し、彼女はかなりの量を摂取した。
この違いこそが、症状の重さに直結しているように思えたのだ。
その後も彼女は、バスターミナル内のトイレに籠り、何度か嘔吐を繰り返した。
"出しさえすれば元気になれる"、単なる食あたりとは違うようだった。
おまけに熱まで出てくる始末。
ーーいや、これって食中毒の症状じゃないのか!?
吐き気が収まるまで待ち、何度も休みつつ4年ぶりの宜蘭駅までたどりつく。
フレームの右外では、相方がへたり込んでいた。
そこから徒歩で数分というホテルまで、倍以上の時間をかけて移動。
やっとこチェックインを済ませ、ベッドに倒れ込む。
予想より広々としていたホテルの部屋。
ここで相方は、ほぼ"寝たきり状態"に陥ってしまう。
強い吐き気こそ多少引いたが、気分の悪さが治まる気配はなく
発熱も一時的なものではなくなっていた。
ホテルの部屋から眺める宜蘭の街なみ。
とりあえず近くのコンビニまで走り、スポーツ飲料を購入。
胃腸薬と一緒に服用してもらう。
こちらの体調も良好ではなく、依然として軽い吐き気と胃腸の不快感は続いている。
宜蘭に来たら美味しいものを食べようと、あれこれ調べておいたのだが
それどころじゃなくなってしまったようだ。
徐々に暮れゆく窓の外を眺めながら、これからどうしよう・・と考える。
チェックイン後も時々トイレのお世話になっていた相方だが
多少は胃腸薬の効果があったのか、強い吐き気は徐々に治まっていった。
とはいえ、まともな食事が摂れる状態にはほど遠い。
もちろんこちらも胃の不快感が続いており、食欲のショの字も湧いてこない。
それでも明日以降を考えると、少しでもお腹に入れておきたい。
ホテルの窓から、正面の道路を見下ろす。
薬を飲み、しばらくベッドで休んでいたおかげだろう
夜8時過ぎになって、ようやく動く気になれた。
・・・何か食べやすそうなも買ってくるか。
絶賛ダウン中の相方に留守番を頼み、夜の街へ出ることにした。
この日泊った「Mucha Boutique Hotel/慕夏精品旅館」。
バスタブつきの広い部屋は魅力。
繁華街のただ中にあり、買い物やテイクアウトにも便利で助かった。
食欲は皆無。それでも、せっかく宜蘭まで来たのだから・・と
"お腹に優しそうな食べ物"を探してさ迷う。
あちこちさ迷った末、夜9時半まで営業していた「原来豆花」で
豆花に3種類の豆類がトッピングできる、人気のデザートをテイクアウト。
ホテルに戻って、食べられるだけ口に入れた。
いくらか吐き気が治まったのか、相方も何口か食べることができた。
とはいえ、二人がかりでも一人分の豆花を食べきれず
念のためにとコンビニで買ったおにぎりにも手を付けられなかった。
(翌日チェックアウトしたとき、部屋の冷蔵庫に残してきた)
結局、翌朝まで相方ともどもベッドでバタンキュー。
翌朝も、まったく食欲がわかぬまま空腹で過ごし、ギリギリまでホテルに滞在。
残る二日間も、食生活を楽しめる状況にまでは戻れず
今回の「台湾(梨山)うたた旅」は、実質ここで終了したと言える。
ではでは、またね。