あらためて、2023年6月に読んだ本を並べてみた。
いっときの停滞を脱したのか、ほぼ2日の1冊ペースまで復調した。
ていうか、単にヒマなだけかもしれないけど。
2023.6
★『未来の息子』『未来の手紙』椰月美智子
★★『空に牡丹』大島真寿美 ★『未来(あした)のおもいで』梶尾真治
★★『拳の先』角田光代 ★『モリアーティ』アンソニー・ホロヴィッツ
●『オーランドー』ヴァージニア・ウルフ
★『ロベルトからの手紙』内田洋子 ●『コンプレックス文化論』武田砂鉄
★★『養老孟司の幸福論』養老孟司 ★『ある漂流者のはなし』吉岡忍
★★『ほんとのこと言えば?』佐野洋子対談集 ★『悲しみの秘儀』若松英輔
〔コミックス〕(※は再読以上)
★『怪獣8号』松本直也 ①-⑨(⑦まで※)
★『Five Star Stories』⑰ 永野護
結果、《今月揺さぶられた本ランキング》は
【小説】①『空に牡丹』大島真寿美
①『拳の先』角田光代
➂『浮遊霊ブラジル』津村記久子
※6月に読んだ"いちばん面白かった小説"は、甲乙つけがたく2作品。
『空の牡丹』の魅力は「文庫Roc」に書いたので、『拳の先』だけ簡単に。
前作『空の拳』は、オーソドックスな"トップを目指す物語"だったけど
こちらはタイトルで匂わせた通り、"どこまで頑張るの?"がメイン。
主人公格の「ゾンビ」はじめ、何人もの登場人物が
"見えないゴール"に向かって幾度も手を伸ばすーーという
ひたすらやるせなく、そのくせ最後まで見守らずにいられない。
ことあるごとに心に刺さりまくる、掟破りのボクシング?ストーリーだ。
※ひるがえって3番手の『浮遊霊ブラジル」は
なんにも刺さってないはずなのに、
どういうわけか、真綿で首を絞められるような快感に包まれる。
いったいこの小説のどこが、どんなふうに面白いのか。
著者の他作品と読み比べ、少しずつでも文書化してゆきたい。
②『ほんとのこと言えば?』佐野洋子対談集
※①内容の大部分は、他の著書でも読んだことの繰り返し。
なのに、ひとつひとつの言葉(文言)に、いちいち頷く自分がいる。
これって単なる"養老中毒"なのかも。
※②も同様に、いつかどこかで聞いた話のオンパレード。
前半は〈フツーの対談≒キレイゴトや理想論が語られる)ので
"なんかいまいちだな~"とガッカリしたが
元旦那やおすぎとの対談あたりから、俄然面白くなった。
いまさらだけど、おすぎって凄い人だったんだ!・・と再認識する。
(現在は高齢者施設に入居中らしい。爪痕はしっかり残ってるぞ)
※アニメで大ブレイクした超メジャー作。
途中消えそうで心配していた「犯人捜し」にもメドがつき
第一巻で出した「伏線」も、ほぼ回収できた雰囲気。
ラストまでの道筋がかなり見えてきたので
残るはアクア&ルビーが互いの"前世"に気づいて、どうなるかだ。
そこらへんをシミュレートすると・・
どう考えても、アクアにハッピーエンドはあり得ない気がする。
はてさて、最後までこちらの予想通りに展開してくれるか。
それとも「転生」というデタラメをぶち込んだ勢いで
誰もが驚くトンデモ方向へはじけ飛ぶのか・・
他人事ながら、今から楽しみだ。
ではでは、またね。
トゥレイダ城/ラトビア 2019.7.2