「鎌倉散策」の秘訣・・大通りを避け、脇道を歩こう  鎌倉ふたり旅 2022.4.17-18 1日目(2) 報国寺~杉本寺~瑞泉寺

2022年4月17日(日) 鎌倉駅~キビヤベーカリー~報国寺~杉本寺~瑞泉寺

          報国寺に咲く、可憐な花。名前は・・・??

 

「鎌倉随一」と称される竹庭で名高い報国寺だが

山門と本殿の間に広がる庭園(枯山水?)も、なかなかの美しさ。

残念ながら桜は散っていたものの

アヤメの仲間のヒメシャガ?などは今が盛り。

すっかり色濃くなった緑の木々の下で

白や紫の清楚な花を咲かせていた。

 

     本堂へと続く庭園。鳥の声もあって、思いのほか気持ちよかった。

       たぶんヒメシャガ。ちょうどアヤメの仲間が、花盛りだった。

 

思ったより参拝者の数も少なく、多い時で十人前後。

それぞれの好きなペースで散策できたのも、嬉しかった。

 

緩い登り坂になっている庭の道を進み

本殿左側に設置された、竹林への入場口に向かう。

ここから先は、有料(300円)区間だ。

小銭を握りしめ、受付の前へ。

と、正面のガラス窓に「竹林養生中」という但し書きがペタリ。

・・・あ、そうか。

毎年この時期はタケノコが採れる、いわゆる"竹の秋"。

そのため竹の栄養分が不足し、黄色く色あせてくるのだった。

 

    迷った末、竹庭鑑賞は次回(半年後)に。また旅の予定が入ってしまった。

 

うーーーん。

せっかくの「絶景」だけに

できれば孟宗竹ならではの緑が際立つ旬の時期に観たかった。

今回は本殿前の庭園が充分楽しめたから

敢えてパスして、紅葉の頃に再訪してみるか。

ひとり勝手に半年後の再訪を決め、報国寺を後にする。

 

    最後に、庭をもうひと巡り。秋はどんな姿を見せてくれるかな・・

 

さて、浮いた?300円をどうしよう。

そういえば、ご近所の杉本寺の拝観料が同じ額だったような・・

金沢街道を200メートルほど戻り

白い幟が左右に並び立つ長い石段の登り口へ。

天平六年(734)に創建されたという

実に1500年近い歴史を誇る、鎌倉最古の霊場・杉本寺だ。

 

       金沢街道から山門を仰ぐ。"見られる演出"が心憎い。

 

仁王門の手前で入山料300円を払い

立ち入り禁止の苔むした石段を、しみじみと眺める。

ぐるっと坂道を登って、藁ぶき屋根の本堂前へ。

十数本もの白い幟が本堂を取り巻ように立ち並ぶ演出は、なかなか見事。

すっぽり深い緑に包まれた境内は、山奥のような雰囲気だ。

                                           ここからは有料区間

   鎌倉初期の仏師・快慶作の仁王像。その割には、ややショボイ気が・・

   立ち入り禁止の「苔石段」。これを美しいと感じるのは日本人だけらしい。

 

せっかくなので、お詣りも。

ご本尊(十一面観音らいしが、よく見えない)に手を合わせる。

札所に並んだ品々の中から、相方が「ランドセルのお守り」を発見。

この春、小学生になった孫息子(二人)に、黒バージョンをひとつずつ買い求めた。

 

      杉本寺本堂。藁ぶき屋根と白い幟が、いい味出してる。

          ここにもヒメシャガと・・・なんだっけ?

 

それにしても、先ほどの報国寺より、さらに鳥の密度が濃くなった気がする。

なかでも、早くも繁殖期に入っているのだろう

絵に描いたような?な、「ホ~~~ホケキョ」というウグイスの声は

今回の鎌倉旅行の《BGM?》に選定したくなるほど、印象的で魅力的だった。

ほかにも、閑静な住宅街の真ん中で、複雑な歌を奏でる小鳥

ツグミ・・の仲間か)がいたりと、"さえずり運"に恵まれた二日間だ。

 

          名もなき少女像?にも、思わず合掌

 

再び長い石段を下りて、多くの車が行き交う金沢街道に戻る。

このあたりで、徐々に〈鎌倉の歩き方〉が判って来た。

カーナビで表示されるような幹線道路を避け、一本ずれた脇道を選べばいいのだ!

たったそれだけで、静けさと心地よさに満ちた"新緑散歩"を愉しめるのだから

 

てなわけで、可能な限り早く金沢街道から離れるべく

鎌倉女子大(分校)の角を北へ向かう細い道へ足を踏み入れる。

・・と、たちまち車の姿は激減。

緑の木立に囲まれた、極上の散歩道へと変貌する。

あたりに人の姿もないことを確認し、マスクを取って深呼吸。

鼻孔に入ってくる木々の匂い、花の香りを存分に味わう。

ーー極楽、極楽。

滅多にできなくなったおかげで

"深呼吸できる幸せ"が、たまらなく愛しい。

 

     新スキル「脇道歩き」を習得! 鎌倉散歩が10倍楽しくなる。

 

京都を旅したときにも痛感したけど

「旅先ならではの匂い」って、ホントに重要だと思う。

マドレーヌの香りがきっかけで幼少期を思い出す名作じゃないけど

匂いと記憶を繋ぐ糸は、ほかの何よりも強い。

だから旅に出ると、辺りを見回してからマスクを外し

思いっきり深呼吸するのが、すっかり習慣になってしまった。

・・おかげで今回も、1年のこの時にしか嗅ぎ取れない鎌倉の〈匂い〉を

しっかりと、記憶に焼き付けることができた。

 

おっと、散歩道と一緒に話も脇に逸れてしまったな。

報国寺から杉本寺を経て、次の"花めぐり"の三つめは

四季を通じて花が絶えない、と言われる瑞泉寺だ。

実は、40年ほど前にも訪れたことがある。

そのときは、寺の右手に始まる登山道?から明月院の裏手に続く

天園ハイキングコースを歩いたものだ。

ゴール地点に立ち並んでいたぶ天狗像たちの姿は、いまもしっかり覚えている。

・・いや、もうトシだから、そんなムチャはしないけどね。

 

それよりも、瑞泉寺といえば、養老孟司先生のお住まいが近くにあると

ここ数年NHK-BSで放送しているドキュメンタリー番組で知った。

なので、どこか既視感のある道や風景に出会うたび

「ひょっとして養老先生が歩いた場所では?」などと、興奮してみたり。

この"ミーハー体質"、きつと死ぬまで治らないんだろうな。

 

そうこうするうちに、われらが散歩道(脇道)は

鎌倉宮永福寺跡をはるか右手に臨みつつ

二階堂の奥にひかえる瑞泉寺の門前へ。

・・ああ、覚えている。確かに来たことあるぞ。

それにしても、40年前とまるっきり変わってないのが、凄い。

拝観受付小屋のたたずまいも、右手の斜面に刻まれたハイキングコースも

見事なまでに瓜二つだ(っていうのも変かな)。

 

           この道の先に、40年前と変わらぬ瑞泉寺が・・

 

ところが、拝観料を払い本堂へと歩き出した我らの前(厳密には右手だが)に

初めて目にする"素敵な光景"が飛び込んできたのだった。

 

ではでは、またね。